美容師からヘアメイクに転身! 自分が思う最高のサービスを提供したい気持ちで独立を決意【LUNAANUE(ルナアヌエ)代表 ブライダルヘアメイクアップアーティスト NARIさん】#1
都心の喧騒から離れ、落ち着いた空間で施術が受けられるブライダルサロン「LUNAANUE(ルナアヌエ)」代表のNARIさん。ブライダルヘアメイクをする前は、美容師としてサロンに勤めていたのだとか。NARIさんが美容師からブライダルヘアメイクにシフトするまでの経緯とは?
ブライダルヘアメイクへシフトしたあと、まずはフリーランスとして働き始めるまでの道のりについてお聞きします。
お話を伺ったのは…
LUNAANUE(ルナアヌエ)代表 ブライダルヘアメイクアップアーティスト NARIさん
山野美容専門学校卒業後、都内にあるサロンで美容師として勤務。3年ほど勤めたあと、ブライダルヘアメイクアップアーティストに転身し、ブライダルサロンに転職。古典的な日本髪から現代風に崩された新日本髪のアレンジが話題を呼んでいる、注目のアーティスト。
NARI’S PROFILE
- お名前
- NARI
- 出身地
- 福岡県
- 出身学校
- 山野美容専門学校
- 憧れの人
- 尊敬している人はたくさんいますが、この業界を目指すきっかけになった両親です
- プライベートの過ごし方
- 愛犬と散歩したり、映画などを観ながらまったり過ごす
- 趣味
- これといった趣味がなく、仕事が趣味みたいな感じです
美容師からブライダルヘアメイクアップアーティストに転身した理由
――もともとは美容師をしていたそうですね。目指したきっかけをお聞かせください。
理容師をしている両親と兄の影響を受けました。
両親は、私が幼い頃から理容室を経営していて、兄も理容師。そうした環境に身をおいていたため、漠然と自分も同じ職業に就くだろうと思っていました。両親と兄は理容師でしたが、私は髪の毛を触ってアレンジすることが好きだったので、美容師を目指すことにしたんです。
高校卒業後は、都内にある山野美容専門学校に進学し、資格取得に向けた勉強に力を入れて取り組みました。
――どうして今の仕事につながる分野に興味を持ったのですか?
在学時に力を入れていたのが、学校主催のコンテスト。もともとヘアアレンジが好きだった私は、「新日本髪」という日本の伝統的なかつらを現代風にアレンジした分野でコンテストのクラス代表に選ばれました。
このときの取り組みが、のちにブライダルヘアメイクへシフトする際に活きていると感じます。
――では、美容師からブライダルヘアメイクに転身するまでの経緯をお聞かせください。
専門学校卒業後は都内にあるサロンに就職し、約3年でスタイリストとしてデビュー。当時のサロン業界は、体育会系の教育のど真ん中で、朝早くから夜遅くまで練習をする日々でした。そんな生活を送っていたら、ひどい手荒れと体調不良に悩まされてしまって。知らないうちにダメージが大きかったのか、円形脱毛症も発症してしまうほどでした。
そんなとき助けてくれた人が、学生時代からお世話になっている恩師。美容師として働いていたサロンでは、成人式の方へ向けてヘアセット+着付けのメニューも打ち出していたんです。そこに力を入れていたことを話したところ、ヘアセットの経験が活かせるブライダルサロンはどうかと。ただ、ヘアセットや着付けはできるけど、ヘアメイクはまだ未経験だったので少し不安はありましたが、好きな分野に間違いなかったので、挑戦してみることにしたんです。
その後は、先生から紹介いただいたホテルに併設してあるブライダルサロンに転職することになり、ブライダルヘアメイクアップアーティストとしての活動がスタートしました。
自分にとって最高なサービスを届けたくて独立を意識した
――ブライダルサロンに転職してみての感想は?
一言で言うと、「こんなに楽しい職業ってあるんだ!」って。たまたま手荒れや体調などさまざまな理由で美容師は辞めざるを得なかったのですが、自分に合う職業と出会う良いきっかけだったように感じます。
――ギャップは感じませんでしたか?
技術よりも接客の違いにギャップを感じました。
美容師時代は、街中のお客様との距離が近いサロンで働いていましたが、ブライダルサロンとではまたいらっしゃるお客様の目的が違うため、シビアな目で見られることが多かったです。転職してからは、言葉使いを始めとした違う角度の接客を求められ、接客術を習得するまでに苦労しました。
――では、独立を意識したのはいつ頃?
ブライダルサロンには正社員で入社しましたが、入社後に結婚をしたことでパート契約に移行し、7年ほど勤めました。辞める3年前でしょうか、フリーランスとしての活動を増やすようになったんです。
――その理由は?
単純に、自分が思うサービスを届けたい気持ちが強くなったことが理由でした。
会社に属していると、どうしても自分の色を出しにくいんです。素直に会社の決まりに沿っていると自分の提供したいサービスができないことが気になるようになりました。
――独立するまでの経緯をお聞かせください。
それまでは独立なんて考えたこともなかったのですが、自分が良いと思うサービスを自由に提供したい思いが強くなり、まずは経験値を増やそうとフリーランスでブライダル以外の広告やメディア業界など、いろいろなヘアメイクの仕事に取り組みました。
いろいろ関わってみて再確認できたのが、ブライダルヘアメイクへの気持ち。やっぱり私はブライダルヘアメイクと向き合っていきたいと思い、完全に独立してフリーランスとして活動していく決意をしたんです。
その後は、もともと同じブライダルサロンで働いていた先輩と一緒に「LUNAANUE(ルナアヌエ)」の旗揚げをし、拠点を立ち上げました。
――まずはどんな準備から始めましたか?
自分を知ってもらうために作品撮りから。当時はSNSがやっと流行り出したタイミングで、そんなに作品を載せることが主流ではなかったんですね。私自身を売り込める作品を持っていなかったので、フリーランスで活躍している衣装の方、生花店、カメラマンの方などとチームになって満足のいく作品を作るようにしました。
――独立してから、大変だったことは?
SNSやHPの作成でしょうか。
まずは、少しでも多くの方にLUNAANUEを知ってもらえるようにHPを作成したり、Instagramの投稿に力を入れたりしました。費用があまりかけられなかったので、HPは自分で作成したのですが、当時はそこまでネットに詳しくなくとても苦労しました(笑)。さらに、独立当初は自分の打ち出したいテイストが定まっていないことが理由で、Instagramの投稿の方向性も迷走していましたね。
――どのように挽回したのですか?
投稿する内容が定まってから、ご依頼が増えたように感じます。
――どのような投稿がきっかけに?
デザインだけを投稿しても埋もれてしまうと思ったので、自分の想いを綴るようにしたんです。続けていくうちに共感してくれるお客様が増え、自然と出逢いたいと思える方と出逢える機会が増えました。
紆余曲折を経てNARIさんが代表となり、守り続けてきたLUNAANUEの看板。後編では、LUNAANUEに込めた想いやそのコンセプト、今後展開していきたいサービスについてお聞きします。
取材・文/東 菜々
撮影/生駒由美