美容師からアイブロウリストへ転向。技術習得のためには、とにかく数を重ねること enアイラッシュ&アイブロウ銀座店 harunaさん#1
2022年の恵比寿本店オープンを皮切りに、現在店舗数80店舗、所属アイブロウリスト300名超と急成長中のアイブロウサロンi’mグループ。美容師として活躍した後、アイブロウリストに転向したharunaさんは、i’m池袋西口店を経て、現在人気トップアイリストが集結する同グループのen(エン)アイラッシュ&アイブロウ銀座店で活躍中。
新人時代のharunaさんは、美容師デビューの際、目標売上を達成するため来日前の韓国アイドル風スタイルをSNSに投稿して新規集客に成功。アイブロウリスト転向後は、ひとりひとり骨格が違う眉に同じやり方は通用しないことを痛感し、とにかく数を重ねて技術を習得したそうです。
お話を伺ったのは…
en アイラッシュ&アイブロウ銀座店
アイブロウリスト harunaさん
美容師として6年半活躍後、アイブロウリストに転向。一店舗を経て、2022年アイブロウサロンi’mに転職。翌年、同グループの人気トップアイリストが集結したenアイラッシュ&アイブロウサロンに異動。HBL公認アイブロウリスト。ふんわりや韓国風デザインが得意。
韓国アイドル風のスタイルを投稿してデビュー前の目標売上をクリア
――まずはアイブロウリストの前職、美容師を目指したきっかけを教えてください。
元々ヘアメイクやファッションに興味があり、美容室で髪を切ってもらうとガラッと印象が変わるのが好きだったんですね。高校の職業体験のときに、美容室でカットさせてもらう機会があり、それをきっかけに本気で美容師になりたいと思うようになりました。
――美容師の新人時代にぶつかった壁はありますか。
カットの技術チェックになかなか受からなかったときはキツかったですね。とくにボブとワンレンは10回目くらいでやっと受かったんじゃないかな。
――技術チェックに受かるためにどんな努力を?
とにかく毎朝毎晩練習しました。それを、いろんな先輩に見てもらうようにしました。そうすると、さまざまな角度から指摘をもらえるので、自分では気づけなかったことに気づけるんですよね。
――くじけそうになったことはなかったですか。
スタイリストデビューにあたり、カリキュラムを終わらせて、目標売上を達成しないとデビューできないという条件があったんです。でも目標クリアまでにあと数人足りなくて…。そのときは、くじけそうというか焦りましたね。
――目標売上をクリアするために、どんな工夫をしましたか?
ちょうどSNS集客がスタートしたころだったので、最初は好きなスタイルの先輩を真似て投稿に励みました。当時は韓国アイドルが流行る少し手前で、わたし自身も韓国風メイクやファッションが好きだったんですね。韓国アイドルが来日する前には、そのアイドル風のスタイルを投稿したり。
ライブに行く人はもちろん、ライブ前には同じ髪形にしたい人が増えるんですよね。実際、それを見て来てくださる方も多かったです。施術中に会話がはずむように、韓国アイドル事情を調べながら投稿していました。
とにかく施術数を増やすことが上達への近道
――アイブロウリストに転向しようと思ったきっかけは?
スタイリストデビューしてちょうど1年経った頃、コロナ禍の緊急事態宣言で美容室が長期間閉店に。そのときにいろいろ考えることがあって。20代前半のアシスタント時代は、一生美容師で生きていくんだと思っていましたが、女性ならではのライフステージの変化もあるし、このまま美容師1本の人生ってどうなんだろうと。
そんなとき、友だちに勧められて初めて眉サロンに行き、「眉毛でこんなに印象が変わるんだ」と衝撃を受けたんです。以前から自分の眉毛にすごくコンプレックスがあったのですが、眉毛サロンに通うようになり、次に挑戦するならアイブロウかなという思いがだんだん強くなっていきました。いつかヘアもアイブロウもまつ毛も同時にできたら最強かなと。
――そこで方向転換を決めたのですか?
はい。自分が通っていたサロンで求人があることを知って応募しました。面接で「実はお客として通っていて、こちらの技術がすごく好き」ということを伝えたところ採用していただけることになりました。
――アイブロウリストの新人時代について教えてください。
美容師時代は立ち仕事がほとんどでしたが、アイブロウリストになってからは、ほぼ座りっぱなし、細かい作業で目が疲れるのがしんどかったですね(笑)
マツエクからスタートしたのですが、細かい作業をするのは好きだったので、わりとスムーズに進みました。でも眉毛では、さっきの人はこのやり方でよかったのに、同じやり方では通用しないということが多くて。お顔の骨格や筋肉のつき方は人それぞれなので、その違いにすごく苦戦しました。
――それをどうやって克服したのですか?
とにかく施術数を増やして、経験を積みました。モデルになってくれそうな知り合いや美容師時代のお客様、やってみたいという方に声をかけて、なるべくたくさん数を重ねるようにしましたね。研修自体は1ヶ月くらいで終わってしまうので、それ以外にYouTubeで眉毛の施術の動画を見て勉強したりしました。
初見でお客様の好みを見極め、カウンセリング時間を短縮
――その後i’mに転職されるのですね。
はい。i’m池袋西口店のオープニングの募集を見つけて、いろいろ調べていくうちにi’mの店長が前職のスタッフだったことが分かって。学んだ技術がほぼ同じだったこともあり、転職後はそれほどの苦労もなくスムーズでした。
――転職後に戸惑ったことはなかったですか?
お客様の多い店舗だったので、時間との勝負だったことが大変でした。
――スピーディにやるためにどんな努力をしましたか?
無駄な動作をなくすようにしました。例えば、毛抜きを一回で確実に抜いたり、一回で綺麗に拭き取ったり。それから、カウンセリングではいかに最短ルートでお客様と合致するところまで持っていけるかがすごく大事になってくると思います。
――カウンセリングは、やろうと思ったらたっぷり時間をとれそうですよね。短時間にするコツはありますか?
はじめましての挨拶のときに、眉毛はもちろん、お顔全体・ヘアメイク・服装を瞬時に見極めることです。ヘアメイクや服装でだいたいの好みが分かるので、そこを見るんです。
後編では、人気トップアイリストが集結したプロ集団enに異動してからのこと、美容師の経験がアイブロウリストにどう役立っているかなどをお伺いします。
撮影/大崎聡
取材・文/永瀬紀子