すべては、お客様に最高の施術を提供するために——『hair make nell』

観光客でにぎわう京都市中心部の喧騒を少し離れた中京区二条にあり、京町家の風情を活かした上品かつ味わい深い佇まいが印象的な美容室『nell』。耳なじみが良く可愛らしくもあり、一度聞けばすぐに覚えてしまう店名の由来は意外にも“練る”という日本語なのだそう。「立場に関わらずスタッフ全員で様々な意見を出し合い、お客様や関係者の方々をはじめご縁のある全ての人々にとって価値のある美容室にしたい――。そんな想いを込め、店名を『nell』としました」と語るのは、オーナーの松岡聡さん。同店ならではのサービスから施術面のこだわりまで、ざっくばらんに色々なお話を聞かせていただきました。

通りがかりに訪れる男性のお客さんが多数！

――お店をオープンされたのが2011年ということで、今年で6年目になるのですね。どんな年齢層のお客さんがよく利用されていますか？

「当店のある辺り一帯は、いわゆる『御所南エリア』と呼ばれる地域。コミュニティ･スクール(学校運営協議会制度)のモデル校といわれる京都府立御所南小学校があり、憧れのブランドエリアとして京都市内でも屈指の人気を誇っています。空き物件が出ればすぐに新しい人がやって来ますし、もちろん昔からずっと住まれている方も多いので世代の偏りがあまりなく、なおかつ今も人口が増え続けている地域なんです。ですから当店を贔屓にしていただいているお客様も、ざっくりした言い方ですが若い方からご年配の方まで年齢層は本当に幅広いですよ。特徴としては、男性女性のお客様比率がほぼ半々であるということ。男性のお客様って、『お洒落すぎる雰囲気がどうも苦手…』という理由で美容室に入るのをためらわれる方も多いですよね。ですが当店の場合、『通りがかりにフラッと』とおっしゃってくださるケースがかなり多いんですよ！外から見た雰囲気が、何となく美容室っぽくないからでしょうか(笑)」

実に15～20分ほどをかける丁寧なシャンプー

――施術面でのこだわりや、お客様と向き合ううえで大切にしておられること、モットーなどを教えてください。

「『美容院に行くことは、お客様にとっての大切なイベント』というのが当店の考え方の基本です。お客様の希望を叶えるためにはどうすれば良いかを常に同じ目線で考え、時には一緒に知恵を絞りながら…と、カウンセリングにかける時間は惜しみません。髪質やクセ、髪の多さ、毛の流れ方、骨格の境目、頭蓋骨の凹凸など、個々それぞれによって異なる特徴をしっかりと分析し、普段の扱いやすさを重視したスタイルをご提案するよう心がけています。また、当店ではお客様に触れる最初の機会となるシャンプーをすごく大切に考えています。美容師にとっても、一番の基本となる施術ですからね。感覚を口で表現するのは難しいのですが、擦るというよりはマッサージに近い感覚で、15～20分ほどをかけてじっくりと洗っていきます。『本当に丁寧にしてくれるね』『いつもシャンプーが楽しみなの！』といった嬉しい言葉をいただけることも多く、スタッフのモチベーションにもつながっています。また当店では、カットで90分、カラーやパーマでは2時間半と、予約枠をかなり広めにとっています。この時間枠ならプラスメニューにも柔軟に対応できますし、諸事情でお客様が少々遅れられた場合にも、後のお客様にご迷惑をかけずに済みます」

ヘッドスパや着付師と連携した出張ヘアアレンジも人気

――本当にたくさんのメニューがありますが、ヘッドスパや着付けにも対応しておられるのですね。

「そうですね。ヘッドスパは開店当初からメニューに加わっており、頭皮への悩みにお応えする3つのメニューを用意しています。心を込めた丁寧な施術はもちろんのこと、オーガニック寄りのクリームを使うなどこだわっていますよ。着付けに関しては専門の着付師と連携しており、依頼があれば出張してヘアスタイリングやアレンジを手がけさせていただくスタイルですね。こうやって自分でお店を経営していると、お客様だけでなく外部の方々との接点がどんどん増えていくのが嬉しく、また刺激でもあります。現状に満足せず、これからも柔軟な発想をベースにご提供できる施術メニューを増やしていければと考えています」

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