腕利きのスタイリストがハイクオリティな施術を『Barouche』
コンテストの上位常連となるスタイリストを集め、自ら刺激を受けられるようなお客様に対して常にハイクオリティなデザインを提供してきた｢Barouche｣。後編では、実際どのようなメニューがあるのか、そして腕の立つスタイリストをどのように育成しているのかを枝光やスタッフの育成法について代表である枝光孝悦に語っていただきます。
お客様情報の共有と準備
――施術のクオリティの高さで知られているこの店ですが､どのようなコンセプトを基に施術をされているのですか？
「経営理念の一つに『いつまでもゲストが輝いて頂く為にプロデュース』というものがあります。お客様の良さを一番引き出せるスタイルを提案し、未来へ繋げていくため、まずはスタッフ間でお客様情報の共有を行います。担当するスタイリスト、アシスタントはもちろん、それ以外の者も『出産後で、髪が抜けることを気にされている』『就職活動により黒染めの予定』などその方の背景も把握するよう努め、できる準備を行っています。
それ把握した上で、脱毛に悩む方にはヘッドスパやオーガニックヘアケア商品をおすすめしたり、カラー剤を低アルカリのものに変更させて頂いたりというご提案を行っています。デザインにおいては、顔の型がバランス良く見えるかわいいスタイル提案と、髪の素材を大切に活かす施術を基本としています」
――スタイリストさんも、それぞれ技量のある方ばかりと聞いていますが。
「今申し上げた理念やお客様への提案をしっかり実現するためには、やはりスタッフの技量がないとできません。私自身はセミナーの講師もしていますし、スタッフも数々のコンテストで優勝、準優勝するようなハイクオリティなメンバーが集まっています。例えばスタイリストの田村と吉野は､2014年に東京代々木国立競技場で行われたアワードで､ゴールドアワード､つまり日本一となりました。モナコで開催される世界大会にも日本代表として出場しました。翌年の同アワードでも準優勝しています」
――具体的におすすめのメニューを教えてください。
「スパ『炭酸スパ』もやっています。パーマやカラー剤によるダメージの原因のひとつはアルカリ成分の残留物なんですが、炭酸マイクロシャワーのスパで、髪に残ったアルカリ成分を除去してくれるのです。短時間でしっかり効果が出るので、お客様には喜ばれていますね」
日々の業務を自己実現に繋げられるか
――そのような力量を持ったスタイリストを育てていくための方法とはどのようなものでしょうか？
「人材育成としては、自分でテーマや目標を持ってもらい、月に1度それらが達成できたかどうかの報告を行ってもらうという「自立志向」、作品作りだけでなく、日々の業務も作業にしてしまわず、クリエイティブ精神を持ってもらう「創造的」な姿勢、教える側、教わる側、双方が礼儀をもってお互いに成長していく「人が育つ風土作り」を意識しています。これを実現させるためのカリキュラムを独自に作成しています。昔、僕らが育った時代は、サロンの現場に立つために､そのカリキュラムで得たものを自分なりに応用させていく必要がありました。つまり､カリキュラム＝現場ですぐに役立つもの、ではなかったのです。しかしこの店では、カリキュラムだけで終わっちゃわないように、サロンの仕事にちゃんとリンクする教育をしなければならないと考えていて､こうすればうまくいくよ､という成功事例を示しながら教育していく､というスキームを始めました。それと､昔はオールラウンドにこなせる人が多くて、みんながみんな店長を目指すような店が多かったのですが、今はスタッフの特性を伸ばした方よいのだろうと思います。そういった特性の集まりとしての組織を作っていくべきだろうと。実際、ウチの店にはスタイリストだけでなく、カラーの専門家であるカラーリスト､日本ヘアケアマイスター認定のケアアシスタントもいます。とはいえ、やっぱりこの世界は自分の実力次第。サロンで働いている時間､何をしているのかといえば､お客様と接したり､スタッフと接したりしている訳ですが､その時間をどう捉えるかが重要だと思います。その時間を自分がステップアップするために学べるチャンスだと思えるかどうかですね」
