この環境だからこそ、仕事と子育てを両立出来ています。

この世に手業を生業にしているサービス業はどれぐらいあるのでしょうか?手一つで人を喜ばせたり、疲れを取ったり、美しくしたり、癒やしたり・・・。これってすごいことですよね。

このコラムは、手業を生業にしている美容からヘルスケアの業界の方々にフォーカスをしたプロフェッショナルインタビューです。その人の手が語る物語をお楽しみいただければ幸いです。

モアリジョブ編集部

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私の手にしか、できないシゴト。 奥 啓美さん

――セラピストになったきっかけは?

奥 セラピストになる前は、広告代理店で営業をやっていました。とてもハードな毎日で、家に帰れず、会社に泊まることもありました。毎日疲れが抜けず、疲れを取るためにマッサージに通いはじめました。気が付いたら毎日通っていて・・・。翌月のカード明細を見てビックリ(笑)。こんなに好きなら仕事にしようと思い、転職することに決めました。セラピストの方に身も心も癒やしてもらい、私も癒やしを与える側になりたいと思ったのがきっかけです。

――広告代理店を辞めてすぐセラピストに?

奥 少し間が空きました。まずは身体の調子を整えるために、アルバイトをしながらゆっくり過ごしました。セラピストにどうしたらなれるのか分からなかったので、最初はリフレクソロジーの本を買って、独学で反射区とかを覚えたり親や友人を施術していました。その後、ベアハグを紹介してもらい入社しました。

――お客様をはじめて施術したときの気持ちは?

奥 すごく緊張しました。広告代理店の前は接客業だったので、接客は慣れていたはずなんですけど、女性のお客様ばかり対応していたこともあり、男性のお客様の対応が大変でした。どう接客していいか、頭が真っ白になってしまい、コミュニケーションも施術に入るまでの流れも飛んでしまいました。

――やられる側からやる側になってどうでしたか?

奥 疲れるだろうなって思っていたんですけど、施術してもまったく疲れなかったですね。研修期間中に基本から全部教えてもらったので、ちゃんとした技術を習得してから施術に入ることが出来たのが、良かったんだと思います。腰痛とかにもならないし、今では学生時代よりも元気になりました(笑)。

――セラピストになられてからの失敗談をお聞かせください。

奥 まだオイルの施術を習ったばかりの時に、オイルについて色々と質問なさるお客様を担当したんですね。種類やもっと深い内容など、本当に色々と質問されるお客様で・・・。質問に答えられず手も止まってしまっていたら、そのお客様に大変怒られまして。後で知ったんですけど、実はそのお客様は同業者の方だったんです。そのお客様からは、技術もダメ、知識もダメで担当を変わるようにって言われ、「勉強してないで何でやっているんだ」って、本当に怒られました。

ベアハグ奥啓美

――初めてのご来店だったんですか?

奥 何回かいらしていたみたいです。怒られた後は、店長に代わってもらって、何とか事なきを終えました。それがきっかけで、オイルを猛勉強して、アロマの1級も取りました。

――その後、そのお客様を施術するチャンスはあったのですか?

奥 何年か経って、そのお客様が異動先にご来店され、私が担当しました。それからは、たまに指名してくれるようになりました。お客様は、私の事なんて覚えていらっしゃらないと思いますけどね(笑)。

――セラピストになってからの成功談をお聞かせください。

奥 成功談というか、楽しかったなって思い出話なんですけど・・・。10年くらい前、私が副店長に昇進する際に、ベアハグのチームワーク力のすごさを感じる出来事がありました。弊社では昇進の時に、3ヶ月間のトライアル受けるんですね。最後の3ヶ月目、仲間の一人があと少しという所で達成出来ずにいたんです。そうしたら、他の皆が夜中まで協力して集客し、トライアル者全員で目標を達成し、副店長になる事が出来ました。ベアハグスタッフの愛情深さを実感し、自分のためだけではなく、人のために自分の出来る事を精一杯やるという経験が出来ました。

――とても素敵なお話ですね。

奥 10年経った今でも、同期とは仲良くしているんですよ。

――今までセラピストを辞めたいと思った事は?

奥 店長になった時に、部下の対応が上手くいかず、辞めたいと思ったことはありました。上司に相談することが出来る環境でしたので、部下の事やマネージメントの事を相談することで、自分の中の不安な気持ちが解消されました。なので、セラピストを辞めたいと思った事はありません。

――産後も辞めずに続けられている理由は?

奥 ベアハグは人が良いし、面倒を見てくれます。サロンのスタッフもそうですし、社長もよく相談に乗ってくれます。社長には、多方面で本当にお世話になっています。私は気が変わるのが早く、転職回数が多いんですけど、ベアハグはもう十数年勤めています。人が良いと長くいちゃいますよね・・・。

――奥さんがモチベーションを維持するためにやっていることは?

奥 モチベーションを維持すること・・・余り考えたことがないですね。サロンワークでいうと、お客様が施術後に楽になったとか、喜んでくれることが一番のモチベーションです。お客様は一人一人違いますからその都度、課題を見つけたり分からないことが出来たり・・・。だからこそ、お客様が帰り際に言ってくれる何気ない「ありがとう」の一言でやる気が出てくるんだと思います。

ベアーズ奥啓美

――仕事とプライベートのバランスはいかがですか?

奥 会社がすごく理解してくれていて、家から近いお店に勤務出来るようにしてくれています。保育園も家から近いので、子育ても無理なく出来ています。ありがたい事に、社内には先輩ママさんや友人も沢山いるので、仕事もプライベートも楽しく過ごせる環境です。

――セラピストになってからの忘れられないお客様は?

奥 飛び込みで、施術させていただいたお客様でしょうか・・・。10年ぐらいずっと通ってくださって、私が結婚した時もすごく喜んでくれて、店舗のスタッフみんなも気にかけてくれる優しいお客様なんです。今は、体調不良で店舗にいらっしゃることはないのですが、たまに「元気だよ」と連絡をくれるんです。もう十数年のお付き合いで、本当に大切なお客様です。

――奥さんにとっての恩師は?

奥 沢山いるのですが・・・。厳しい事を言ってくれる人はありがたい存在です。なので、沢山恩師がいます。社長からは「人として正しく生きる事」を教えて頂きました。この年齢になるとなかなか厳しい事を言ってくれる人も少なくなるので、貴重な存在です。

――将来の自分はどうなっていると思いますか?

奥 ベアハグは、介護と保育もやっているんですね。将来は、介護施設で施術をやりたいですね。お年寄りの方々に、マッサージで、健康とキレイのお手伝いが出来ればいいなと思っています。お年寄りの方々が、楽しく健康で生きていけるようなサポートをしていきたいです。

――最後に、業界やセラピストを目指している方に一言。

奥 もっとこの業界が認められて、子供たちが憧れる職業になってほしいと思います。人に関わり、人に癒やしや元気を与えるこの仕事は、自分自身も成長させてもらえる仕事だと思います。色々なお客様やスタッフと関わる事で、物の考え方が広がったり、感謝力や気配り、心配りなどが磨かれると思います。思いやりを持って、一生懸命に関わるとプラス思考で毎日幸せな気持ちで過ごせます。

座右の名

Salon Data

ベアハグ

ベアハグ

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