外国人は日本で美容師免許を取得できる?就職は?|外国人が美容師として就労する条件

日本国内において、極めて人気の高い職業のひとつとなっている美容師。この仕事に従事するためには、まず美容師資格試験に合格したのち、美容師免許を取得することが必須です。しかし、この試験を受けるためには所定の受験資格を満たさなければならず、取得までのハードルが高いという点もこの職種の特徴として知られています。

そんな美容師として、日本で働きたいと考えている外国人の方も多いことでしょう。とはいえ、外国人が美容師として働くうえでは外国人ならではの条件を満たす必要があり、日本国籍を持つ人とはおこなうべきことに違いが生じます。

ここでは、美容師志望の外国人が美容師免許を取得する方法や就職時に満たすべき条件のほか、外国人の美容師としての就労環境にも大きくかかわる「国家戦略特区域外国人美容師育成事業」について見ていきましょう。

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日本国籍じゃなくても日本で美容師免許を取得することができる?


日本国内で美容師として働くうえでは、日本の美容師免許を取得しなければなりません。上述したように、この免許は美容師資格試験に合格することで取得できます。

外国人が日本で美容師として就労する際にネックとなるのが、この美容師免許の取得です。ここでは、外国人が日本の美容師免許を取得できるのかどうかについて解説します。

外国人でも美容師免許の取得は可能!

単刀直入にいってしまうと、外国人が日本の美容師免許を取得することは可能です。これは日本に在住する人はその国籍を問わず日本の法律の適用対象となるためであり、美容師免許の取得に関しても日本人と同様の法律が適用されます。

ただし、取得のためには試験の受験資格を満たさなければならず、とりわけそのひとつである「厚生労働大臣や都道府県の指定を受けた美容学校における所定の課程の修了」を外国人が満たすことは容易ではありません。

この受験資格を満たすには、2年以上の通学や日本語の理解力が必要です。たとえば、日本国内に長期滞在できない外国人や日本に来たばかりの外国人などの場合、美容師免許の取得はむずかしくなってしまいます。

美容師免許を取得した外国人なら日本の美容室で働くことはできる?


日本国籍を持つ人とは異なるハードルがあるため容易ではないものの、法律上は外国人が美容師免許を取得することは可能です。しかし、外国人が美容師として働く際は、資格の取得と働くことは別のものとして考える必要があります。

これは就労においても外国人ならではのハードルが存在するためで、実際に働くためにはそれらのハードルをクリアしなければならないからです。ここでは、このハードルの詳細も含め、美容師免許を取得した外国人が就労できるかどうかを解説します。

就労には在留資格(就労ビザ)が必要

外国人が日本国内で働くうえで必要となるのが、在留資格(就労ビザ)です。この在留資格は外国人が美容師として働く際にも必要となり、人によってはこの取得が大きなハードルとなることもあります。

在留資格を取得するためには、その目的が明確になっていなければなりません。就労を目的とする場合には詳細な職種なども申請しなければならず、申請内容に不備などがある場合には取得自体ができなくなってしまうこともあります。

また、美容師志望の外国人は資格取得のために日本国内の美容学校などへ通う際にもビザの取得が必要となり、ここでも煩雑な申請手続きが必要です。

今までは美容師免許だけでは就労ビザはとれなかった

就労ビザはその取得後に従事する仕事の詳細な職種や業務内容などが正しく申請され、それがビザの対象に含まれているものであれば問題なく取得できます。しかし、これまでは美容師に関してはこの原則が適用されないこととなっていました。

具体的には、これまでの法律では外国人が美容師免許を所持しているだけでは就労ビザを取得できないということです。このことは、外国人が美容師として日本国内で働くうえでの大きなハードルとなっていました。美容師志望の外国人に対しては「身分・地位に基づく在留資格」の取得が可能となっていましたが、この取得も容易ではありません。

この問題を解消するために日本政府は、「国家戦略特区域外国人美容師育成事業」を開始。これにより5年という期間の制限はあるものの美容師の就労ビザの取得は容易になり、美容師志望の外国人が働きやすい環境の整備が進みはじめました。この事業の詳細については、次項で見ていきましょう。

「国家戦略特区域外国人美容師育成事業」とは?

美容師志望の外国人が就労するための環境整備をおもな目的として開始された「国家戦略特区域外国人美容師育成事業」。この事業が開始された背景には、日本の美容技術や製品を海外に輸出することによるイメージアップやブランド向上、「クールジャパン」の推進などの目的もあります。

この事業の開始により、日本国内における美容師志望の外国人の雇用は促進されつつありますが、一方でその進捗には地域差も存在。実際に外国人が美容師資格を取得したうえで働く際には、その地域における雇用状況なども把握しなければなりません。

たとえば、東京都の場合、2022年5月の段階ではこの事業の開始にともなう就労環境の整備は準備中の段階にあります。そのため、美容師志望の外国人が就労ビザを取得することはまだ可能とはなっていません。

地域が限られているため注意

この事業については、国家戦略特区として指定を受けた地域のみでおこなえるという前提がつくことも忘れてはいけません。このことから、地域によっておこなえる事業内容は異なり、特区としての管理対象になっていないエリアでは特定事業の許認可が下りないこともあります。

また、同様に国家戦略特区の指定を受けていない地域ではこの事業と、それにのっとった環境整備がおこなえないこともあるようです。そのため、美容師志望の外国人にとってはかつてと同じような状況が継続されています。

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外国人美容師育成事業を利用する条件は?


「国家戦略特区域外国人美容師育成事業」を利用して外国人が美容師として働くためには、所定の条件を満たしたうえで就労許可を得なければなりません。この条件としては、以下のことが定められています。

・美容師育成施設で知識・技能の習得していること
資格取得の際にも必要な美容師関連の育成施設などで、美容師に求められる知識や技能を有していることが必須となります。

・成績優秀・素行善良であること
上述の育成施設で優秀な成績を修め、なおかつ素業が善良であることも重視されます。

・美容師免許を取得していること(見込み含む)
資格取得試験に合格し、美容師免許を取得していること。または取得の見込みがあることも重視されます。

・日本語能力試験N2以上であること
美容師資格を取得するうえでも必要な日本語能力に関しては、日本語能力試験で「N2」を取得することが定められています。

・満18歳以上であること
日本の法律で成人と認められる満18歳以上であることも、重要な条件のひとつです。

・日本式の美容に関する技術・文化を世界へ発信する意思を持っていること
事業本来の理念を理解し、日本ならではの美容に関する技術や文化を世界へ発信する意思を持っていることも条件となります。

外国人でも美容師免許の取得は可能!ゆくゆくは就労も


美容師免許の取得条件に国籍に関する指定はなく、事実上は外国人でも美容師免許を取得することが可能です。一方、現時点では美容師志望の外国人が就労ビザを取得するのはむずかしいことも覚えておかなければなりません。

しかし、「国家戦略特区域外国人美容師育成事業」が開始されれば、地域や期間は限定されるものの特定の条件を満たすことで美容師志望の外国人でも就労ビザを取得しやすくなります。この事業を利用して就労ビザを取得する場合には行政書士事務所などに相談してみるとよいでしょう。新たに開始された事業をうまく活用し、就労ビザの取得を目指してみてはいかがでしょうか。

引用元サイト
外務省 就労や長期滞在を目的とする場合
内閣府 国家戦略特区 外国人美容師育成事業
内閣府 国家戦略特区 国家戦略特別区域外国人美容師育成事業実施要領
内閣府 国家戦略特区 指定区域
日本経済新聞 外国人美容師の就労可能に、東京都が特区制度活用
地方創生 外国人美容師育成事業に関するQ&A

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