全て残せるものは残していきたい。私の履歴書 Vol.26【MINX 岡村享央さん】#2

カリスマ美容師として一時代を築きあげてきた、人気サロンMINXの社長である岡村享央さん。前半では転機となった出会いや経験などを伺いました。後半では、仕事に対する情熱や未来についてご紹介します。MINXに入社して約30年経つという岡村さん。お客様のためにも常に進化し続け、60代になってもサロンに立ち続けたいと語ってくれました。

社長就任期

MINXに入って30年! MINXとともに未来を築いて行きたいです

――第2の転機はご自身の中で何かありましたか。

2016年の社長に就任してからですかね。それまでは店舗でどうしていくかということでしたが、組織としてどうしていくかということを考えなければならなかったので。会長の高橋とも話をしながらMINXのブランド価値をどう高めていくかをいろいろ考えています。質の高いデザインと安定した経営を融合させてブランド価値を高めてきたいと思います。

――ここまでずっとMINXでやり続けてこられた理由を教えてください。

MINXに入って、もう30年くらい経つんですよ! でもあっという間でしたよね。30年という時間の長さをあまり感じていないというのは一つあります。その都度必死になってやってきたという感じですね。僕はもう51歳になったんですけど、51歳という感覚もないです。根本はやっぱりMINXが好きなんですよね。MINXの仲間も好きだし。ここから先も、未来を一緒に築いていきたいなと思っています。

――美容に対する情熱がいつまでも途絶えないという感じでしょうか。

そうかもしれないです。ずっとチャレンジし続けたいという感じはずっとありますね。ゆっくり落ち着こうよという感覚は全くないです。

――今もずっとサロンワークを大事にされていると伺いました。

はい。こういう世の中の情勢でも、ありがたいことに予約はいっぱいです。長いお付き合いのお客様ばかりなのでありがたいです。予約が埋まっているのを見ると、今までやってきたことは間違っていなかったと思います。いつまでもお客様に必要とされる美容師でいたいと思うので。そのためには自分自身が美容師としても常に進化しないといけないし、飽きられたらお客様に来ていただけないので、常に新しい提案ができる美容師にならないとですよね。お店に立っている以上は、それがお客様に対する僕の責任だと思っています。

そして、お客様が来てくださっている間は、人生を共にできるような美容師でいたいなと思います。ルーズソックスを履いていた高校生がお母さんになって、子どもがいたりするので。

――どこからヘアデザインのインスピレーションが湧いてくるのでしょうか。

お客様をカットしているときに思います。やっぱりリアルな中で一番湧いてきますね。もちろんデザインも大事なんですけど、サロンワークで大事なのは質。デザインの持ちの良さ、再現性、似合わせとかも入ってきますけど、いかにお客様にとって新鮮で心地いいデザインを提案するかということを大事にしています。

――これだけやられていて、気分が落ちたりすることはありましたか?

もちろん。きつい時期もありましたよ。なんとなく自分の中で、これを乗り越えたら次にいいことがある! なんて思いながらやっていました。自分がステップアップするのに必要なことでしたね。

会社のトップを務めている以上はスタッフの生活は守らないといけないし、責任を背負うことで、できるようになってくるっていうか、その立場になって初めて気づくこともたくさんありましたし。自分の成長の糧になりましたね。

現在

全て残せるものは残していきたいです

――50代に突入されたとのことで、40代はどのように過ごしましたか。

40代は楽しかったですね。なんでもできますよ。やっぱり20代、30代と色んな経験を積み上げてきたからこそ、40代で色んなことを楽しみながら取り組めたと思います。美容師って10年くらいやらないとわからないんですよ。20年くらいするとうまくなってくるし。40代っていうのはなんでもできて面白いんだと思います。

――50代になられて心境の変化とかは何かありますか。

まだ50代になったばかりですが……。自分が今までやってきたことを残すことかなと思います。下に引き継ぐっていうのとはちょっと違うんですけど、後に残していくというか。そういうときなのかなって。もちろん技術的なこともそうだし、デザインや考えを残していければいいなと思います。

未来

60代に突入しても、サロンに立っていたいです

――今後の夢や目標は何かありますか。

MINXとしてはブランド価値を高めていくことが大事だと思っていますし、どこのサロンも到達したことがないようなことをやっていきたいと思っています。それにはもちろん経営も大切ですが、『教育』も同じくらい重要だと思っています。僕個人としては色々なヘアスタイルを作りたくなってきていますね。もう一度やってみようかなっていうのが根本に。新しいデザインやヘアスタイルを考えているときは楽しいし、もう一回ここで挑戦したいっていうのはあります。

あとはやはり60代になってもサロンに立っていたいですね。お客様に必要とされる限りはサロンに立ちたいです。やる自信もあります!

――好きという気持ちが大きいのでしょうか。

自分がしていないと、下の子に伝えられない、教えられないっていうのもあるし。自分の目を鍛えないといけないというのもあると思います。美容師だからいいヘアスタイルを作れてなんぼだと思います。サロンワークや作品作りもそうだし、経営も一緒だと思います。

――MINXのスタッフに伝えていきたいことを教えてください。

世代によってはトレンドヘアスタイルが違うとかはありますけど、お客様がいる限り、その時だけで終わるわけじゃないので。お客様と人生を歩みながら、新しい時代を作っていって欲しいなと思いますね。

これからも長所を伸ばしてあげたいです。まずは認めてあげること。人って自分と違う考え方を否定したくなりますが、認めてあげることが大事かなって。それがやはりMINXという大きな館を動かしていく力になると思います。

――美容業界をどうやって盛り上げていきたいですか。

今の時代、どこも大変だと思いますけれど、『ヘアデザインの力』って人が生きていくのに大切なことだと思います。やはりそこをブレずにやっていきたいです。いろいろ考えて話していますが、結局行きつくところはそこなんです。だからこそ職人の力と経営のバランスが要に。美容師ってちゃんとやれば結果がついてくるいい仕事だし、こんないい仕事はないから。そういうふうにスタッフにもなってほしいし、長く続けてほしいですね。

岡村さんの成功の秘訣

1.壁にぶつかった時こそ見直す
2.固い決意を持ってのぞむ
3.尽きない情熱を持つ

▽前編はこちら▽
つらい経験が今の自分を作っている。私の履歴書Vol.26【MINX 岡村享央さん】#1>>

撮影/石原麻里絵(fort studio)
取材・文/梅澤 暁

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Salon Data

MINX銀座店

住所:東京都中央区銀座2-5-4 ファサード銀座2F/7F
TEL:03-5159-3838
MINXのinstagram:@minx.hairsalon.official

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