アイリストの退職理由でよくあるものとは? 退職前にしておきたいことやおすすめの転職先を紹介
まつエクなどの施術を行うアイリストは、人気の仕事でありながら、辞める人も多いです。ではなぜ辞めてしまうのか、アイリストの退職理由について見ていきましょう。あわせて、辞める前にすべきことや転職後の道についても解説します。
なお、「アイリスト」という言葉は有限会社ローヤル化研の登録商標のため、自由に名乗ることができません。
引用元
ローヤル化研:企業の方へ
アイリストの退職理由でよくあるものとは?
アイリストを辞めたくなる悩みの種は人それぞれですが、ここではアイリストの退職理由としてよく聞かれるものを紹介します。
1. 肉体的な疲弊
アイリストは同じ姿勢で長時間、目元での細かい作業を続けなければならないため、目・首・肩・腰への負担が大きいです。
眼精疲労や肩こり・腰痛に悩まされる人もいるほか、長時間の集中力が必要とされるため、精神的な疲れを感じる人もいます。また、まつエクで使用するグルーでアレルギーを起こしてしまう人も。
肉体的な疲弊により、仕事が続けられなくなってしまい辞めざるをえなくなるケースや、今後も続けられるか悩んで転職を考えるケースがあります。
2. 人間関係
サロンにもよりますが、アイリストが身を置く職場は女性が多いです。そのため、男女比率が同じくらいの職場と比較すると、女性特有の悩みやいざこざが多くなり人間関係がつらくなってしまう人もいます。
アイラッシュサロンだと小規模な店舗も多く、女性だけが働く職場環境も珍しくありません。スタッフ同士で派閥ができて対立したり、全体的に人間関係がよくない職場だったりということも少なからずあるようです。
毎日顔を合わせるからこそ悩みの原因になりやすく、別のサロンやほかの職種の仕事に転職を考える人もいます。
3. 固定客を得られない
アイリストは、カウンセリングからお見送りまで1対1で接する機会が多く、コミュニケーションが欠かせない仕事です。技術力があっても、お客様とうまく信頼関係を築くことができなかったり接客が苦手だったりすると、自信を失くしてしまう人もいます。
その結果、指名が入らず固定客を得られないことで「辞めたい」と考える人も一定数いるようです。固定客が得られないと、社内評価や給与にも影響するため辞めざるをえないという人もいます。
4. 給与が低い
東京都のアイリストの求人を見てみると、正社員の平均給与は23.6万円。サロンによって、給与だけでなく給与体系にも大きな違いがあるのが特徴です。
歩合制を採用しているサロンも多くありますが、前述したように固定客が得られず給与が上がらないという悩みを持つ人もいます。
また、ネイリストは美容師の資格が必要であるうえに、肉体的にも精神的にもハードな仕事をしているにもかかわらず、給与が見合っていないと感じる人も少なくないようです。
なお、実際のデータで見てみると、令和5年賃金構造基本統計調査の「美容サービス・浴場従事者(美容師を除く)」(アイリスト以外の職種も含む)での10人以上規模企業の「きまって支給する現金給与額」は、24万7,600円でした。
また、求人サイト「リジョブ」の2024年1月時点での募集情報では、アイリストの正社員の月給は21万3,096〜40万6,101円で、職場によって大きな差があることがわかります。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査3 一般_職種(小分類)(役職者を除く)DB
厚生労働省:令和4年賃金構造基本統計調査業種別主な職種早見表
5. モチベーションの低下
これまでお伝えした理由が決定打にならなくとも、きっかけとなって仕事へのモチベーションが低下してしまうこともあります。モチベーションが下がってしまうと、辞めたいと考える人も少なくありません。
また、カウンセリングがうまくいかない・キャリアアップ制度が整っていない・評価制度に不満があるなど、モチベーションの低下につながる要因はさまざまです。
6. プレッシャーがきつい
デリケートな目元に施術することから、常に緊張感を持って行わなければなりません。さらに、細心の注意を払いながらも、施術を時間内に終わらせるためのスピードが必要なため、強いプレッシャーを感じやすいです。
このような精神的な疲労がつらくなって、辞めてしまう人もいます。
7. 技術力不足
思ったように技術力が上がらないケースも見られます。
上達したいのになかなか施術が上手くならず焦りを感じる・お客様に満足してもらえなかった・口コミなどで指摘されてしまい自信がなくなったなどの理由から、自分はアイリストに向いていないと感じて退職する人もいるようです。
8. プライベートが犠牲になりがち
アイサロンは土日祝日も営業している店が多く、休みが平日ということもよくあります。そのため、友達や家族と休みが合わなかったり、休日開催のイベントに出かけられなかったりと、プライベートが犠牲になりやすいでしょう。
9. キャリアアップしたい
ここまではきつい・つらいなどネガティブな理由が多かったですが、自分のサロン開業やスキル向上のためなど、キャリアアップに向けたポジティブな退職理由もあります。
今のサロンで施術の経験を積んで技術を身につけたうえで、アイリストとして前向きにさらなる活躍を目指す人も多いです。
アイリストを辞める前にしておきたいこと
一度辞めたいと思うようになったら、どうやって辞めるか・転職先はどうするかなどあれこれと思いを巡らせてしまうかもしれません。焦って物事を進めるのではなく、辞める前に考えたいこと・しておきたいことを一度整理しておきましょう。
本当に辞めたいかどうか意思を確認する
辞めたいと考え始めると、その職場のよさが見えにくくなってしまうことがあります。深く考えず一次的な衝動での転職は、後悔する可能性もあるため注意が必要です。
そうならないためにも、なぜ辞めたいのか、本当に辞めたいのかを冷静に考えてみましょう。辞めたい理由を書き出してみたり、解決方法がないかを探ったりすることが大切です。
上司に相談してみる
店長・オーナーなど直属の上司に辞めたい意思を伝え、相談してみるのもひとつの手です。労働環境や待遇などの悩みによっては改善されることもあるかもしれません。
また、仕事内容に関する悩みが理由であれば、自分自身にある課題やアドバイスが得られる可能性もあります。普段の仕事ぶりを見てくれている上司ならなおさら、的確な改善方法を教えてくれるかもしれません。
就業規則を確認しておこう
退職の意思を伝えるタイミングや提出書類などはサロンによって違います。いつまでに申し出をしなければならないかを把握していないと、スムーズに転職できなかったりトラブルになってしまったりする可能性も。
上司に相談する場合も、あらかじめ就業規則を確認しておきましょう。
民法上では下記のように退職日の2週間前の申し出で退職ができることになっていますが、円満に辞めるためには店の規則に従った方が無難ではあります。一般的には退職の1カ月前までに申し出るのが適切とされていますが、規則によっては異なる可能性もあります。
退職を決めたら、ほかのスタッフの状況や引き継ぎにかかる期間なども考慮して、できるだけ早めに申し出ましょう。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用元
e-Gov 法令検索:民法
引き止められたら?
「辞められたら困る」などと引き止められることもあるかもしれません。理由にもよりますが、本当に辞めたいと意志を固めたのであれば、揺らがずしっかりと意思を伝えましょう。
できれば退職前に転職活動をしよう
退職前に次の就職先を決めておくことで、収入が途絶える心配がなくなります。仕事と並行しながらの転職活動は大変ですが、すぐに転職先が決まるという保証はないため、できるだけ辞めてしまう前に転職活動をおこないましょう。
次の就職先が決まっていれば、退職してもブランク期間ができないというメリットもあります。
引き継ぎをしておこう
担当しているお客様の情報など、自分が受け持っていた業務はほかのスタッフに引き継がなくてはなりません。後任のスタッフやお店だけでなく、お客様にも迷惑がかからないよう、最後まで責任を持つことが大切です。
引き継ぎは時間がかかることもあるので、なるべく早めに取りかかりましょう。
アイリストから転職するのにおすすめの仕事は?
辞める理由によっては、アイリストそのものを辞めて転職したいという人もいれば、仕事をするなかでほかの仕事に挑戦したいという意欲が湧き、転職を考える人もいるかもしれません。
ここでは、アイリストから転職するのにおすすめの仕事を紹介します。
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アイリスト以外の美容職
アイリストは続けられない・続けたくないけど、お客様を美しくすることができる美容関係の仕事には携わっていたいという人におすすめなのが、ネイリストやエステティシャンなどの美容職への転職です。
施術に関する知識や技術を新たに習得する必要がありますが、カウンセリングや接客の経験、美容師資格などを活かすことができます。
アイリストのスキルを活用できることから、トータルビューティーサロンを転職先として選ぶ人も。ほかの施術の知識や技術を新たに習得できるため、自身のスキルアップにつながります。
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美容商材メーカーやサロンの事務、営業職
アイリストの仕事を通して、施術で扱う商品に対する興味が強くなったことから、美容商材メーカーへの転職をする人もいます。商品の知識があることだけでなく、現場で直接お客様の声を聞いているという経験があるため、商品開発や営業に活かせるのが強みです。
ほかにも、スタッフやサロンを支える裏方の事務仕事などもおすすめです。
同業他サロンへ転職する方法も
労働環境や待遇、スタッフとの人間関係が原因の場合は、別のアイラッシュサロンへ転職することで悩みが解決できることもあります。その際は、今のサロンで抱えている悩みが解決できる場所を探すことが大切です。
募集要項をよく確認し、教育制度や給与面を把握するほか、サロンの見学に行くのもおすすめ。求人情報やホームページ・SNSの情報だけでは分からない、お店やスタッフの雰囲気などを知ることができるでしょう。
働き方を変えるのもおすすめ
今の職場を辞めてもアイリストの仕事は辞めず、フリーランスとして業務委託や面貸しで働くのもよいかもしれません。施術した分だけ収入になり、休みも自分で決められるため、比較的自由に働けることが大きなメリットです。
これまでの職場で正社員で働いており、勤務時間や給料などに問題があった人は、フリーランスのほうが適している可能性があります。
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退職する場合、新しい職場を探さなければなりません。そこで、アイリストとして今より自分に合ったサロンを探したい人にも、美容関連で新たな職種にチャレンジしたい人にも、求人サイト「リジョブ」がおすすめです。
職種や経験などに応じて絞り込みができるほか、「業務委託」「面貸し・ミラーレンタルOK」「大手サロン」「独立・開業支援」など、さまざまな条件を決めて探せるため、自分にぴったりの仕事を見つけやすいでしょう。
自分に合った職場を探してみよう!
アイリストのよくある退職理由として、肉体的な疲弊や人間関係、給与などを紹介しました。辞めたいと思うことは誰にでもあり得ることですし、今の時代は転職も珍しいことではありません。
ただし、辞める前に今一度辞めたい理由を考えてみましょう。解決が難しいようであれば、ほかのサロンや他職種への転職を検討するとよいでしょう。
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