フリーランス美容師の年収はどれくらい?働き方やメリット・注意点を紹介
フリーランス美容師は、自由な働き方と高収入の可能性から、注目を集めている働き方です。しかし、実際はどうなのかわからず、悩んでしまっている方もいるかもしれません。
そこで今回は、フリーランス美容師の年収や働き方・メリット・注意点などについて解説します。
フリーランス美容師という選択肢は、ライフスタイルの変化や自己実現を求める美容師にとって魅力的な働き方の一つです。成功のポイントや就職・転職に関する情報などを理解し、自分に合った働き方を選びましょう。
フリーランス美容師の働き方とは?
フリーランス美容師とは、美容室などに雇用されず個人事業主として働く美容師のこと。おもに下記2種類の働き方があります。
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面貸し・シェアサロン
美容室の一部のセット面を借りて自分のお客様に施術を行う方法です。売上のなかから、使用料や手数料のような形で大元のサロンにロイヤリティを支払い、残りが自分の報酬になります。
時間単位や売上からの歩合など、借り方・ロイヤリティはサロンによって異なるので、条件を確認しましょう。
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業務委託
サロンと雇用関係になるのではなく、「業務委託契約」を結んで働く方法。サロンのお客様に対して施術を行い、売上から歩合(40~60%前後)で報酬を得るという形が一般的です。
従業員になる場合に比べて自由度が高めではありますが、働けない場合の補償などはありません。
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フリーランス美容師の月収・年収の目安
フリーランス美容師の収入は、当然のことながら売上に大きく左右されます。また、売上に対する歩合もサロンによってまちまち。都会のほうが高給になりやすいなど、地域性もあります。
収入シミュレーション
では、フリーランス美容師の収入シミュレーションをしてみましょう。
【売上60万円・歩合60%の場合】
60万×60%=36万円が月収です。年収にすると36万×12=432万円です。
【売上80万円・歩合50%の場合】
月収は80万×50%=40万円、年収は40万×12=480万円です。
なお、施術での売上以外に物販の売上に対する歩合や指名料、目標達成手当などのインセンティブがつく場合もあるので、大幅に上回る可能性もあるでしょう。
美容師全体の月収・平均年収との比較
ハローワークの求人情報からまとめられたデータによると、一般的な美容師の月収(求人に掲載されている月額賃金)は26.4万円。また、年収は全国平均で379.7万円です。
また、2024年1月現在の「リジョブ」求人データによると、スタイリスト正社員の月給は231,753~410,359円、スタイリスト業務委託の月給は269,562~441,368円と、業務委託のほうが高めでした。
もちろん目安や平均なので、カリスマ美容師と呼ばれる人や人気店のトップスタイリストなど、もっと高収入を得ている人もいます。
しかし、前項の収入シミュレーションから考えると、フリーランスのほうが高額の傾向といえるでしょう。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
e-Stat:賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(ダウンロードデータ)
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):美容師 – 職業詳細
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フリーランス美容師が最高で稼げる月収はどれくらい?
フリーランスの美容師は、最大でどのくらい稼げるのでしょうか。ほぼ休みなく働き、毎日みっちりスケジュールが埋まっていて、1日6万円ほどの売上があるとした場合で計算してみましょう。
月の売上は6万×30日=180万円。そのうち報酬が70%だとすると、180×70%=126万円で月収は100万円を超えます。年収にすると1,512万円です。
ただし、あくまでも理論上の話であり、実際にそこまで毎日スケジュールが埋まるとは限りませんし、休みほぼなしで1年間働き続けることも難しいでしょう。実際の予約の埋まり具合は、7~8割程度と考えておいてください。
フリーランス美容師のメリット
つづいて、美容師がフリーランスとして働くメリットを解説します。
1. 初期費用やリスクを抑えられる
自分で開業する場合は莫大な費用がかかります。しかし、フリーランスの場合はすでにある美容施設を利用できるため、費用や失敗するリスクを抑えて始められるでしょう。
2. 働けば働くほど収入アップ
基本給のようなシステムはなく、仕事をした分だけ報酬が手に入ります。働けば働くほど月収も高くなるでしょう。
毎日フルタイムで働くこともできますが、育児・介護などと両立したい人や、ほかにやりたいことがある人などは、自分で好きな時間だけ働くことも可能です。
3. ライフスタイルに合わせて働ける
フリーランス美容師の大きな魅力のひとつは、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働けることです。雇用契約に縛られないため、労働日数や時間を自由に設定できます。たとえば、子育て中の美容師は、子供の学校行事に合わせて仕事のスケジュールを調整したり、短時間勤務を選択したりすることが可能です。
また、空いた時間を技術の向上や新しいスキルの習得に充てたり、副業や複数の仕事を掛け持ちしたりすることも可能なため、多様な経験を積むことができます。
フリーランス美容師の注意点
一方で、美容師がフリーランスとして働くことには以下のような注意点もあります。あらかじめ頭に入れておきましょう。
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1. 収入が安定しない
フリーランスの給料は固定給ではないため、毎月これだけもらえるという保証がありません。働いた分だけ収入になる反面、働かなければ無収入です。病気やケガで働けなくなったり、思ったほどお客様が来なかったりすると、当然収入は少なくなってしまいます。
2. 確定申告が必要になる
雇われの場合は、税金が給与から天引きされるのが一般的ですが、フリーランスの場合は、自分で売上や経費などの計算をし、確定申告や各種税金の支払いを行う必要があります。自分でやるのが難しい場合、費用はかかりますが、税理士などに頼む方法も検討しましょう。
3. 福利厚生がない
福利厚生がないことも、デメリットのひとつです。雇用されている場合に当然のように受けられていた福利厚生は、フリーランスになると失われてしまいます。
たとえば、健康保険や厚生年金といった社会保険制度への加入ができなくなります。そのため、病気やケガの際の医療費負担が増加したり、将来の年金受給額が減少したりしてしまうかもしれません。
また、通勤手当や住宅手当などの各種手当も受けられなくなります。さらに、雇用保険にも加入できないため、万が一仕事を失った際のセーフティネットが存在しません。
4. スキルアップの機会が少ない
スキルアップの機会が減少してしまう、ということも考えられます。雇用されている美容師の場合、日々の業務のなかで先輩やオーナーから直接指導を受けたり、サロン内での技術研修に参加したりする機会が豊富にあります。しかし、フリーランスとして働く場合、そういった学びの機会はなくなってしまうでしょう。
技術の向上や最新トレンドの習得は、美容師として成長し続けるために不可欠です。そのため、外部の研修会や勉強会に積極的に参加したり、美容関連の展示会やセミナーに足を運んだりすることが重要になります。
フリーランス美容師に向いている人とは?
フリーランス美容師は、自由な働き方ができる反面、すべてを自分自身で管理する必要があります。
ここからは、フリーランス美容師として成功するために必要な資質やスキルを持つ人物像を見ていきましょう。自分自身の強みや弱みを理解し、フリーランスとして活躍できるかどうかを見極めることが大切です。
1. 自己管理能力が高い人
フリーランス美容師は、時間やお金だけでなく、健康面や精神面も自己管理しなければなりません。勤務時間の調整やスケジュール管理のほかにも、経費の計算や確定申告といった、業務に関わる事務作業もこなす必要があります。
また、体調を崩したり、モチベーションが低下したりした際も、自分で解決策を見つけ管理していく必要があります。そのため、自己管理能力が高い人は、フリーランス美容師に向いているでしょう。
2. 固定客を持っている人
フリーランスとして独立する際、安定した収入を確保するために重要なのが、固定客の存在です。長年培ってきた技術や接客でお客様からの信頼を得ている美容師は、独立後も多くのお客様がついてきてくれるでしょう。
固定客が多いほど、集客に苦労することなく、安定した収入につながります。独立前にしっかりと顧客との関係性を築き、独立後も継続的なコミュニケーションを心がけることが大切です。
3. 積極的に動ける人
美容業界はトレンドの移り変わりが早く、常に新しい技術や情報が生まれています。フリーランス美容師として成功するためには、常にアンテナを張り、積極的に新しい知識や技術を学ぶ姿勢が不可欠です。
そのため、研修会やセミナーに参加したり、SNSで情報収集したりするなど、自ら学び続ける意欲を持つことが重要です。また、積極的に行動することで、新たな顧客を獲得したり、他の美容師との交流を深めたりすることもできます。
4. ライフスタイルに変化があった人
結婚や出産・育児・介護など、ライフスタイルの変化によっては、正社員として働くことが難しくなることがあります。フリーランス美容師は、自分のライフスタイルに合わせて自由に働く時間や場所を選ぶことができるため、仕事とプライベートの両立がしやすい働き方です。
たとえば、子育て中の美容師であれば、子供の学校行事に合わせて勤務時間を調整したり、自宅近くのシェアサロンで働いたりすることができます。
5. SNSなどでの集客が得意な人
フリーランス美容師にとって、集客は重要な課題です。SNSやブログなどを活用して自分の技術や個性を発信し、顧客を獲得していく必要があります。そのため、写真や動画を魅力的に加工したり、お客様とのコミュニケーションを密にしたりするなど、SNSを効果的に活用するスキルが求められます。
また、SNSだけでなく、美容系の予約サイトやアプリなどを活用して、集客を強化することも有効です。
自分に合ったサロンを探すにはどうすればいいの?
フリーランスになって業務委託のサロンを探すほかに、雇用のまま転職する手もあります。どちらの場合においても、自分に合ったサロンを探すにはどうすればいいのか、2つの方法を知っておきましょう。
就職・転職エージェントを利用する|美容業界に強いエージェントがおすすめ
「就職・転職エージェント」という人材会社による就業支援サービスを利用する方法です。求職者の特性などをもとに企業とマッチングさせてくれたり、履歴書の添削やアドバイスをしてくれたりします。
美容師が利用する場合は、美容業界を得意とするエージェントがおすすめです。
求人サイトで探す|美容業界に強い求人サイトがおすすめ
多数の募集情報を取り扱っている、求人サイトを利用する方法です。大手企業から個人店まで、多種多様な求人が掲載されています。
美容師の職探しには、美容業界に特化した「リジョブ」などの求人サイトがおすすめです。
美容師の履歴書で押さえておきたいポイントとは?
ここでは、美容師の履歴書のポイントを押さえましょう。
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書く前に|基本的な書き方をおさらいしよう
まず、下記のような書き方のマナー・ルールを知る必要があります。
・文字を丁寧に書く
・略称や略字は使わず正しい名称などで書く
・誤字脱字がないように見直しをする
・ミスしたときは修正液などで手直しせず新たに書き直す など
志望動機にはどんなことを書けばいいの?
美容師の履歴書のなかで、志望動機は重視されやすい項目の一つです。なぜ美容師を目指したかという点や、他店ではなくその企業で働きたいという具体的な理由などを伝え、熱意をしっかりアピールしてください。
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サロンでの面接で好印象を与えるには?
美容師は面接でも頭に入れておきたいポイントがあるので、下記でチェックしましょう。
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身だしなみ・マナーを忘れずに!
面接の際の服装は基本は黒やグレーなどのスーツで、私服の場合でもカジュアルなものを避け、清潔感のある格好にしましょう。美容師という職業柄、髪型も清潔感を意識して整えることが大切です。あいさつや姿勢、表情などにも気を配りましょう。
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質問にスムーズに答えられるようにしておこう
面接では聞かれやすい質問があるため、どんな質問が多いかを知り、スムーズに答えられるように対策することも重要です。たとえば、自分の長所と短所・志望動機・前職を辞めた理由・将来に対する考えなどは聞かれる可能性が高いでしょう。
フリーランスも美容師の働き方のひとつ
フリーランスの美容師は、働き方によっては十分高収入を狙えます。また、働き方の自由度も高いです。
しかし、必ずしも収入が上がるとは限らず、メリットがある反面、注意点があるのも事実。人によってはフリーランスという形態が合わない可能性もあるので、自分に合った働き方を慎重に検討してみてはいかがでしょうか。
なお、美容師の職場探しにはリジョブの利用がおすすめです。「業務委託」「面貸し・ミラーレンタルOK」「副業・WワークOK」など、フリーランスでも仕事を探しやすいようさまざまな条件を設定できます。