日々の積み重ねでフォロワー数1.3万人に! ポイントは飽きさせないコンテンツ作り 【フリーランスのライフスタイル ヘアメイク・大内李奈さん】
シェアサロンの普及などに伴い、最近増えてきたフリーランスという働き方。今回は、2021年の4月からフリーランスのヘアメイクとして働いている大内李奈さんに登場していただきます。
前編では大内さんが所属する「日本編みおろし会」にて、苦手だった編みおろしを練習し、コンテストで優勝した経験や、それによって仕事の依頼や幅が増えたお話をお伺いしました。
後編では約1.3万人のフォロワーをもつインスタグラムについて掘り下げていきます。一般的なスタイル写真以外にもビフォーアフターやチェックリストを載せる意図とは? また、全国を駆け巡る大内さんがスタイルを作るうえで大切にしている「お客さまの期待以上のものを提供する」こだわりについてお伺いしました。
お話を伺ったのは…
大内李奈さん
埼玉県にある美容の専門学校を卒業。新卒で東京にあるフォトウエディング専門のフォトスタジオに就職し、ヘアメイクを担当する。4年間勤務した後、2021年4月に独立。現在は、ブライダルを中心に広告撮影のヘアメイクなどを担当する。日本編みおろし会2019年コンテストにて幹部賞、2020年フォトコンテストでは優勝を果たす。また、講師として美容師や学生に向けたセミナーも実施。依頼があった土地に出張し、全国で活躍している。
Instagram:@rina.hairmake_
小さな工夫の積み重ねが多くの人に知ってもらうためのポイント
――――退職前からインスタグラム経由でお仕事のご依頼が来ていたそうですが、多くの方に見てもらえるように工夫されていることを教えてください。
現在フォロワー数が1.3万人と多くの方に見ていただいていますが、とくにバズった投稿等はありません。地道に続けた結果だと思います。毎日更新することや、ヘアメイクさん、美容師さんのアカウントをたくさん見て、素敵だと思ったスタイルには積極的に「いいね」をつけるなど、基本的なことを続けていきました。また、ハッシュタグをたくさんつけて多くの人に見ていただくことも心掛けています。その際、すべて同じ記載にならないよう、写真によってタグの内容を変えることもポイントです。投稿ごとにターゲットを分けています。
――――「投稿ごとにターゲットを分ける」とは具体的にどういうことでしょうか?
たとえば、ウエディングのスタイルは「#プレ花嫁」、モデル撮影の際は「#フィルム写真」、スタイル解説動画は「#美容師さんと繋がりたい」とハッシュタグを変えています。花嫁さん、モデルさん、カメラマン、美容師など投稿によって見てほしい方に刺さるワードを選ぶことがポイントです。そうすることで特定のジャンルにとらわれずたくさんの方に見ていただくきっかけとなります。
フォロワーを飽きさせないさまざまなコンテンツを投稿
――――スタイルだけではなく、さまざまなコンテンツを配信されていますが目的は?
それぞれの投稿に理由があります。たとえば、花嫁さんのすっぴんとメイク後を並べて1枚の写真にしたビフォーアフターの投稿について。花嫁さんはもちろん現場にいるスタッフはアフターの姿ばかり印象に残っています。インスタグラムでも花嫁さんのお写真はアフターのみの場合が多いですよね。私は、現場のスタッフにもヘアメイクで印象がまったく変わること、重要な仕事であるということを伝えたくてこの投稿を始めました。カメラマンさんや美容師さん、モデルさんなどたくさんの方から反響があって、「この投稿を見て仕事を依頼しました」、「変化を見ることができて参考になる」という声をたくさんいただきます。
また、ヘアアレンジのチェックリストは「お団子編」などスタイルによってどこに気をつけるか細かい点を5点ほど短い文章にして載せています。講師の仕事が増えてきて、感覚的ではなく論理的にスタイルを分析することも必要だと感じたのでスタイルのポイントを文字にしてみたんです。読んで楽しむものが少しでもあれば変化があって、フォロワーの方にも楽しんでいただけるかと思います。
お客さまに期待以上の仕上がりを提供することが大切
――――スタイルを作る際に気をつけていることを教えてください。
ヘアメイクをするうえで一番意識しているのは、その方の魅力をポテンシャル以上に引き出すことです。お客さまにとってのコンプレックスであるパーツも、ヘアメイクで大きく変わります。1人ひとりの個性を生かしつつ、希望以上の仕上がりになるよう、ヘアメイクを施すことがこだわりです。ブライダルではとくに「こんなに変われるんだ」と驚かれる方がたくさんいらっしゃいます。「大内さんじゃないとこんな変化出せない」と言っていただいたときは「この仕事をやっていてよかった」と感動しました。
また、自分の技術を過信せず、自己満足で終わらせないことはいつも心掛けていることの1つです。ヘアスタイルは後ろ姿のほうが占める面積が大きいのでついつい後ろばかりこだわってしまいそうになりますが、どこから見ても美しく、お客さまが満足いただけるスタイルを作るようにしています。
――――「期待以上の仕上がり」はどのように作っていくのですか?
「日本編みおろし会」やインスタグラム、日常生活で溜め込んだ知識、技術、インスピレーション、そして今までの経験などを総動員して、その方に本当に似合うヘアメイクをするようにしています。お客さまの雰囲気や好み、顔のパーツを分析して色やデザインを組み合わせていくことが大切です。そのスタイルを時間をかけずに素早く丁寧に作り上げることができるのは、今までの経験の積み重ねだと思います。
個性となるスタイルを確立し、多くの方に知ってもらうための極意
カメラが趣味で、休日は自分の髪をスタイリングして撮影、レタッチまですることもあるという大内さん。「何かを作り上げることが好きなんだと思います。いつかスタイリングした作品集を本や展示会にできたらうれしいです」と語ってくださいました。個性となるスタイルを確立し、多くの方に知ってもらうための極意をまとめると、下記の3つでした。
1. 仕事に関係する苦手なことこそ努力して克服する
2. 日常生活からアンテナを張ってスタイルのヒントを探す
3. お客さまの期待以上のスタイルを作るために経験を積み技術を磨く
スタイル作りもインスタグラムの更新も小さな努力の積み重ねが実を結ぶということを、ご自身の経験から教えてくれた大内さん。「ヘアメイクが好きで楽しいからこそできている」と、お仕事を楽しまれている様子も魅力的でした。そうして作られた独自のセンスが、花嫁さんや多くの美容業界の方に響いているのにも納得です。ヘアメイクだけでなくどんな仕事にも通じる仕事に対する真摯な姿勢を感じられました。
▽前編はこちら▽
苦手をを克服し、コンテストで1位に。弱点を強みに変えた努力とチャレンジ精神【フリーランスのライフスタイル ヘアメイク・大内李奈さん】>>