未経験から独立してハワイへ! 集客もレッスンもオンラインで行う新たな働き方 【フリーランスのライフスタイル ヨガインストラクター・アオイさん】
近年増えているフリーランスのメリットのひとつは、場所を選ばずに働けることではないでしょうか。今回は、そんなフリーランスという働き方を最大限に活かして、海外で活躍するアオイさんに登場していただきます。
アオイさんはハワイ在住のヨガインストラクター。大学卒業後すぐにフリーランスとしてハワイに渡り、日本の方々へオンラインでヨガを教えています。大学時代は美容やスポーツとはまったく関係のない勉強をされていたそうです。ヨガインストラクターになるまでの経緯や、未経験から人気講師になった理由、集客の方法、ハワイでどのような働き方をしているのか、海外にいながら活躍する秘訣に迫ります。
お話を伺ったのは…
アオイさん
青森県出身のフリーランスヨガインストラクター。大学在学中にヨガの資格「RYT200」を取得し、ヨガインストラクターとしてレッスンを開始。卒業後はハワイに移住し、フリーランスとして働く。現在は日本人向けのオンラインレッスンを中心に展開。ヨガのレッスンのほかにヨガ講師の育成講座も開講する。食事と運動の両方から身体にアプローチする方法で「短期で身体が変わる!」と多くの支持を集めている。
Instagram:@aoi.hawaii
大学在学中にヨガの資格を取得。卒業後すぐにハワイでフリーランスとして活躍
――――フリーランスとしてキャリアを始められたとのことですが、フリーのヨガインストラクターになろうと思ったきっかけは?
フリーランスのヨガインストラクターになると決めたのは、大学3年生の時です。当時増えていた女性の社長や起業家の活躍に影響を受け、私も企業に就職するのではなく、独立して仕事をしたいと思っていたんです。そこでさまざまなセミナーや研修に参加したのですが、そのうちのひとつがヨガのクラスでした。
身体がどんどんいい方向に変わっていくことや、どこにいても働けることにとても魅力を感じ、そのままヨガを学ぶことを決意。大学では美容やスポーツと関係のない建築デザインを学んでいたので、ゼロから勉強を始めて資格を習得しました。在学中に少しずつレッスンを開始し、卒業後から現在までフリーランスのヨガインストラクターとして働いています。
――――未経験からいきなりヨガのインストラクターになるのは大変ではなかったですか?
実はヨガ講師になるための資格は、特に共通して決められたものはなく、始めること自体はそんなにハードルが高くはないんですよ。私は大学在学中に3、4ヶ月かけて資格を取得。体の柔軟性、ヨガのポーズなど基本的な知識と技術を学びました。
大学を卒業するまでは自宅の空いたスペースを活用して、ワンコインレッスンをスタート。始めること自体は難しくありませんが、その後しっかりと知識や経験を身につけなければ生徒さんはついてきてくれません。私は今でも運動以外の食事面やより深く柔軟性を上げるための身体の仕組みなどを勉強し、どんな悩みにも応えられるようにしています。
1人ひとりに合わせた運動と食事の指導が強み
――――現在ハワイでお仕事をされているとのことですが、日本を離れた理由を教えていただけますか?
学生時代にヨガを教えてくれた外国人講師の方と結婚をしたのがきっかけです。彼は当時からハワイに住んでいて、日本には定期的に講座を開くために来ていたんです。卒業後は彼の手伝いをしながら日本とハワイを行き来していました。最初はなかなか集客できず、挫折してまったく違う仕事をしていたこともあったんです。しかし結婚を機にハワイに移住し、プライベートでヨガを楽しむようになってからは「多くの人にこの魅力を広めたい」という気持ちが強くなり、改めて仕事にする決意をしました。それからは夫のヨガの講座を手伝いながら勉強をして、十分な知識と経験を得たのちに独立した形です。現在は日本の生徒さんに向けて、オンラインでレッスンを行なっています。
――――レッスンでは具体的にどのようなことを教えているのですか?
ヨガのレッスンと、講師になるためのレッスンの2つを開講しています。ヨガのレッスンはマンツーマンで行なっており、その方にあったポーズと食事を指導。同じ講座を希望する方でも、柔軟になりたい、体重を落としたいなど目的が1人ひとり異なるため、最初にカウンセリングを行い、目標やその方の運動の習慣に合わせたレッスンを組むことが大切です。
ヨガ講師の育成については、ヨガのポーズ1つひとつを分析してどんな効果が得られるのか、実際にどのような教え方をすれば正しいポーズに導けるのかを伝えています。先ほどもお話ししたように講師になること自体は難しくありません。しかし大人数のレッスンでポーズの指導はできても、個別に質問がきた際、すぐに答えられない方が結構いるんです。身体の仕組みや1つひとつのポーズの効果をきちんと学ぶことで、個人の悩みにも的確に答えられる講師を育てています。身体づくりには食事も欠かせないので、栄養や食事の効果についても学べるようなカリキュラムも組んでいます。
インスタグラムでの集客は読者を想定した投稿がポイント
――――ハワイにいながらどのようにして日本のお客さまを集められたのですか?
最初の2、3人は知人の紹介でしたが、それ以外はすべてインスタグラムで生徒さんを募集しました。インスタグラムの投稿で意識しているのは毎日投稿することと、特定の1人をイメージして写真の選択やテキストを考えることです。たとえば後屈の柔軟性を上げるポーズを投稿するときは、どの部分に注意するのか、どんな効果があるのかなど、悩みを持つ方はなにを知りたがっているかを意識しながら文章を作ります。
また、ヨガ講師さん向けの投稿は実際に私の講座を受講している生徒さんの1人を思い浮かべて、どんな言葉を添えればその人の心に刺さるかを意識していますね。
――――インスタグラムをはじめてどのくらいで集客の効果が得られましたか?
3ヶ月くらいかけて徐々に予約が増えて、一般的なサラリーマンと同じくらいの収入を得られるようになりました。インスタグラムの投稿で1番リアクションが多いのは、生徒さんのビフォーアフターの写真です。講座を始めた日の写真と、数週間レッスンを続けた後の写真を並べて投稿します。その際、後屈や開脚など柔軟性が上がっていることがひと目でわかる写真を選ぶことがポイント。この投稿のコメント欄には短期間で体が変わることへの驚きの声が多いです。私の講座はまさに、短期間で柔軟性が上がることを強みとしているので、それがうまくアピールできていると思います。
――――ハワイの方をターゲットにせず、日本人向けのオンライン講座に絞った理由は?
元は日本人に向けたハワイヨガ留学を推していましたが、コロナの影響で難しくなってしまいました。ハワイで店舗を持つことやスタジオを借りることもリスクが高かったんです。ちょうどその時夫がオンラインでヨガの講座を行っているのを見ていいなと思って。オンラインであれば日本人の集客がしやすく、使い慣れた日本語でレッスンができます。当時の状況から考えて自宅からオンラインで日本の方に向けたレッスンを行うのが、今一番効率のよい働き方だと判断しました。
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始めること自体はハードルが高くないというヨガ講師の仕事。レッスンを始めることをゴールとするのではなく、食事や身体の知識も深掘りして仕事を続けることがフリーランスのヨガインストラクターとして大切なことだと教えてくれました。また、海外での集客についてはインスタグラムを活用されたとのこと。読者の気持ちに寄り添うことや、短期間で体が変わることへの驚きを提供することで多くの人々の興味、関心を得たそうです。
後編では、「短期で柔軟になる」というアオイさんのレッスンのポイントや、仕事をするうえで大切にしていること、今後の活動の予定などをお伺いします。