好きを追求することが「自分ならでは」のコンテンツに。何でも挑戦する気持ちを持ってほしい【yori代表・スタイリスト 坂本広大さん】#2

SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用方法が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。

前回に引き続き、yori代表・スタイリストの坂本広大さんにインタビュー。坂本さんが考えた「似合わせカット」動画は、再生回数が多いもので500万回超えを記録し、以降も注目を集めています。また、今年度はサロン「yori」がオープンし、求人にも力を入れているという坂本さん。今回は自身の経験と採用者としての視点から、就活を意識した学生のSNSとの向き合い方や採用につなげる秘訣を伺います。

お話を伺ったのは…
yori代表・スタイリスト 坂本広大さん

地元の北海道美容専門学校に進学し、サロンに就職。その後フリーランスに転身し、約4年後に上京。都内にあるサロンにて店舗マネージャーの経験もしたのち、独立を決意。2024年9月には、サロン「yori」をオープン。店舗拡大に向けて精力的に取り組んでいる。

@yori_hair_kodai
@sakamoto_cut_

YouTube

コンテンツはあとからでもOK! まずはSNSに積極的に取り組む姿勢が大事

――今、学生が取り組むと良いSNSは?

まずは、Tik Tokから始めると良いと思います。Tik Tokはほかのアカウントと比べて気軽に投稿できるところが魅力。コンテンツが決まっていなくても、ファッションやヘアアレンジのセット動画をメインに投稿するなど、挑戦しやすいと感じます。

ただし、時代ごとに流行りのツールは変わりますから、都度チェックすることが必要です。

――狙いを定めたら、コンテンツの考案ですか?

ツールを決めたら、まずは投稿を。コンテンツよりも投稿を継続できるようにしてみてください。

――その理由は?

バズる投稿や注目されるコンテンツを生み出す人は一握り。その一握りの中を目指すのは現実的ではないと思いますね。何より狭いところを目標にするのは、徐々にしんどくなりますし、バズる投稿や話題を呼ぶコンテンツは、継続する力がついてからでも遅くないと思います。

僕が就活していた時代はそこまでSNSが必須項目ではなかったのですが、今や合否に欠かせないツールになりました。サロン側もSNSにかなり力を入れていますから、その体制にしっかり付いてきてくれそうな学生がほしいと思うんです。学生のうちに自分に何ができるのかを考え、準備できることから取り組めると良いですね。

――では、投稿するうえで心がけるべきポイントを教えてください。

情報の濃さはもちろん、構成がしっかりしていてインパクトがあるもの。動画では、見ていて心地よいテンポであることが望ましいですね。全てが良い具合にマッチすれば、多く見てもらえる投稿や動画になるはず。

好きなことならいくらでもできる。好きを磨くことがコンテンツになり得る

坂本さんのYouTubeチャンネル

――「似合わせカット」のように、自分ならではのコンテンツを生み出すためには?
コツを教えてください。

僕は業務の中で最も「カット」が好きだし、得意なんですね。どうしたらその側面を多くの人に知ってもらえるのか考えたとき、「似合わせカット」に辿りつきました。

「コンテンツになりそうなことを探す」よりも「自分の好きなこと」を突き詰めた結果、生まれたコンテンツだと思っています。

――好きだと思うものは突き詰めることがヒントになり得るのですね。

そう思います。学校や社会では、嫌いな科目や業務も平均ラインまで到達しなければいけないといった風潮が多く見受けられますが…それを度外視してカットに力を注ぎ続けました。

ある意味、「尖って」いたからこそ、多くの人に見てもらえるコンテンツにつながったと思っていて。自分の好きなことを分析し、言語化して突き詰める。それが自分ならではのコンテンツを生み出すコツなのかもしれないですね。

僕は、いまだにカットの練習を毎日しています。好きこそものの上手なれという言葉があるように、磨き続けることで価値が付いてくるものだと実感しています。

――自分ならではのコンテンツを活かして、バズらせるためには?

僕の場合は、バズっている投稿をしている人を参考にしていました。

SNSの投稿をただ流し見するだけではもったいないです。自分の投稿に落とし込めそうなところを探しながら、気になったところはメモを取って残したり。構成や装飾など盗めるものは盗んで活かすと良いと思います。

SNSは過去に伸びたからといって、次も同じものが伸びるとは限らないんです。流行りや新鮮さを取り入れるほかにも、それぞれのSNSごとのアルゴリズムを理解することが大事です。

失敗を恐れずに挑戦してみて。大事なのは気軽にトライすること

――SNSと向き合ううえで必要なことは何でしょう?

とにかく先に手を動かす、やってみてください。いつかやろうと先伸ばしておくと、始めるのに時間がかかりますし、手付かずのままになる可能性もあります。言い訳を考える前にまずは、1つでも投稿してみると良いと思います。

始める前に躊躇してしまう理由でよくあるのが、バズらなかったらどうしようとかアンチがきたらどうしようとか。始める前に悩むことはありません。その場面になったら対策を考えれば良いのですから。あまり不安がらずに面倒くさがらずに気軽にトライする気持ちが大事です。

――失敗を恐れては何も始まらないですもんね。

学生のうちでしか、挑戦できないことはたくさんあります

SNSは常に孤独な戦いでもあるので、1人で不安なら友人と一緒に協力し合っても良いでしょう。グループLINEを作成して、その日の投稿が完了したら報告し合うような。投稿しなければいけない環境に整えることも大事なことです。戦友のようなイメージで協力し合えるのも良いところですよね。

最初から苦しいものと思い込んでしまうと続きません。自分に合った方法と手段で各ツールを駆使して、SNSによるメリットを増やしていけるように応援しています。

就活を意識したSNSの取り組みのコツ

1.コンテンツよりも続けて投稿することを重視

2.自分の好きを追求し、コンテンツ作りに活かす

3.学生という立場を活かして怖がらずに挑戦する


取材・文/東 菜々(レ・キャトル)

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yori
住所:東京都渋谷区神宮前1丁目19-11 原宿アッシュビル3階
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