おとな塾・パパも子育てに参加しよう【子育てが楽しくなる処方箋 #4】
ビューティ業界で働くママやパパは毎日忙しいので、「子どもと過ごす時間が少なくて…」「子どもの気持ちがわからない」など、子育てが辛いなと思うことも少なくないはずです。
また、サロンにお子様連れのお客様がいらしたときに「どのように対応したらいいの?」と、そんな疑問も起こりますね。
そこで、フリーアナウンサーでNPO法人「親子コミュニケーションラボ」を主宰している、天野ひかりさんにお話を伺いました。
ご本人も、現在中学2年生の女の子のママ。5月末に著書『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)を出版されたばかり。とっても参考になる貴重なアドバイスです。
この#4は、パパが子育てに参加しやすくなるアイデアがいっぱいです。
パパが参加しやすくするには「任務と道具」が重要
① パパのやることは、任務(ミッション)にする
仕事を頑張っているパパは、仕事頭になっていることが多いので、パパのやることをミッション=任務にしてしまいます。「毎晩、お風呂に入れる」「逆上がりができるように特訓する」など、パパには任務を明確して任せると、俄然頑張るものです。途中でママはいろいろアドバイスしたくなるけど、それはNG。パパの任務として、任せるようにします。
② パパとの遊びは道具に助けてもらう
ママは、子どもといっしょに手遊びをしたり、おしゃべりをしたりと、何もなくても楽しく過ごせますが、パパには意外に難しいもの。そこで、絵本、鉄棒、三輪車など、いっしょに遊べる道具を用意するのがいいでしょう。「寝る前に絵本と読んで寝かせる」「三輪車に乗って2人で遊ぶ」など、道具に助けてもらうとやることが明確になり、パパの子育てモチベーションもアップします。
ママ、もっとパパに任せて大丈夫!
パパが育児に参加していない理由にひとつに、「慣れない夫に子どものオムツ替えはさせられない」「お風呂に入れてもらうなんて、心配」などママのこんな考え方が、邪魔してしまうことがあるようです。
「パパがやる気になっているのに、ママから『こんなやり方ではダメ』とか『もっとちゃんとやってくれないと、もう任せられない』と言われたら、二度とやらなくなりますよね。ママだって、オムツ替えを初めてやったときはうまくいかなかったはず。パパも少しずつうまくなっていきます。口出しはしないで、パパに任せましょう」
たとえ、パパが子どもにシャンクフードを食べさせていて嫌だなと思っても、ママは目をつぶりましょう。そのうちパパが「ジャンクフードばかりだと、子どもに良くないな」と自分で気がつくそうです。
「子どもが育つときに、ママだけでなくパパの考え方に触れることも大切。子どもも、『ママはチョコレートはダメと言うけれど、パパは食べてもいいって』「ママは虫をさわってはダメと言うけれど、パパはずっとさわらせてくれる』など、ママとは違う体験ができるはずです。もちろん、パパだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃん、保育士さん、学校の先生など、いろいろな人と触れ合って大切にされて、成長することが理想ですね。ママも、1人で子育てしようと思う必要がなくなるので、グッと楽になるはずですね」
パパから「ママに何をアドバスしたいい?」と聞かれたら…
講演や講座にいらっしゃるパパから、よく「子育てに奮闘している妻に、どうアドバイスしたらいいですか?」と聞かれることがあると、天野さんは言います。
「そんなときは『ママへのアドバイスをいりません。パパはママを褒める役目だと思って下さい。ママの話をよく聞いてあげて、“よく頑張っているね”のひと言をかけてあげてください。育児の悩みの答えは、すでにママの中にあるはずですよ』と、答えるようにしています」
ママが子育ては辛いなと思う大きな理由のひとつは、誰からも評価されないこと。今まで、仕事や勉強を頑張ってきて、給料や成績で評価されてきました。でも、子育ては頑張って当たり前。だれも、それを評価してくれません。だからこそ、一番身近にいるパパが、ときどきママを褒めてあげるのが大切なんです。
「これを読んでいるパパには、今日から実践して欲しいですね」と天野さんは強くおすすめしてくれました。
お店に来てくれた子どもと仲良くするコツQ&A part1
Q子どもが店で騒いてしまったときは?
A興味をひきそうなものを見せて、気分を変えてあげて
子どもが飽きてしまい、ぐずったり、泣き出したときは、子どもが興味をひきそうなおもちゃ、絵本、ゲーム、DVDなどをパッと出してみましょう。子どもはあっという間に気分を変えられるので、興味をひくものを見つけたら、泣きやむことがあります。
ママはパニックになって、「そんなに泣くとお店の人に迷惑をかけて、ママが二度と来られないでしょう!」と、怒ってしまいがちです。そんなときは、少し冷静になって「大丈夫ですよ。◯◯ちゃん、これ、おもしろいから見てみる?」などと、声をかけてみるといいですね。
また、場所を変えると子どもが落ち着くこともあるので、「ママ、少し外の空気を吸いに行ってはどうですか?」と、やさしく提案してみるもの手です。
Q子どもとの会話はどんな話題がいいの?
A子どものできそうなことを専門家としてアドバイスを
例えば、美容院なら、髪に関係する話はどうでしょう。美容院に来る子どもは、おしゃれに興味があるはずですよね。「どんな髪型にしたいの?」「誰みたいな髪型にしたい?」「シャンプーはどういう風にしているの?」など。さらに、「リンスをしたら、少し置いておくと髪がツルツルになるよ」などとアドバイスすると、子どもは自分ができそうなことを専門家から教えてもらったと、うれしいもの。「また、来てね。次のときは、こういう髪型にしてみよう」となれば、小さなお客様がリピートしてくれるかもしれません。