ひとりのお客様と向き合い学び、様々な対応方法にチャレンジ!
訪問美容サロン『trip salon un.』起業から5年を経て、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」をはじめ、経済番組でも注目を集め、講演会やメディア出演なども行なう代表取締役CEOである湯浅一也さんに、伺いました。
楽しみを増やしてお客様の満足度が
――現在は御社の訪問美容は、どのような状況で活動されていますか。
東京都、埼玉県、神奈川件、千葉県の介護施設、病院約120施設と契約をしております。在宅のお客様は毎月約20件のご新規の問い合わせがあります。起業から5年間約2万名のお客様が弊社のサービスをご利用してくださいました
――リピート率97.5%ということですが、この数字はどこから来ていると思われますか。
サービスに関しては、訪問美容業界初の指名制度があるので、多くのお客様が指名を利用してリピートくださっています。いつも同じ美容師が訪問できる体勢を組んでいるので、安心感が大きいのではないでしょうか
――ほかに好評を博しているサービスはありますか。
これは美容室では当たり前ですが、在宅のお客様メインのスタンプカードです。美しくなる楽しみ、貯める楽しみ、楽しみをより増やしていく事で、お客様満足に繋がるのだと実感しています
――安心感という話が出ましたが、スタッフは美容師だけではなく、介護の有資格者も多いそうですね。
現在、正社員は6名。ダブルワークをしている方や子育てをしながら働いている、登録美容師が15名、計21名が働いております。美容資格はもちろんですが、美容福祉師や認知症サポーターの資格、初任者研修の資格を持っているスタッフもおります。新しいスタッフは登録して3週間くらいでしょうか。知識・技術にとても貪欲で、吸収が早いと感じております。創業当時から人に恵まれていて、気持ちのあるスタッフが集まり、心強く思っています
答えがないから厳しいが楽しい
――訪問美容で幸せを感じることは何でしょうか。
施設や病院に入られて、“いちばん最初に諦めることは美容だ”と言われています。“容姿や美しさはどうでもいい”と、あきらめる前に、手を差し伸べることが出来た時が喜びです。表情が暗かったお客様が笑顔になり、“これからもよろしく”と言ってくださると、気持ちが通じたのだと至福の気持ちになります
――反対に訪問美容で厳しさを感じることは何でしょうか。
お客様は、ひとりひとり個性があり、髪質や毛流れが違います。訪問美容は髪を美しく仕上げるだけではなく、疾病やケガほか健康の状態が違うので介護スタッフさんやご家族と連携をしなければなりません。介護や看護の知識があった上で、理解して対応することが求められます。特に認知症の方に関しては、これが正解というような答えがありません。そこが訪問美容の厳しさでしょうか。だからこそ、ひとりのお客様と向き合い、学び、様々な対応方法にチャレンジしていくわけです。けれども、お客様やご家族が幸せになるような、結果を導き出せた時は非常に嬉しいですね。厳しさはありますが、答えがないからこそ楽しいです
――最後に美容やリラクゼーションなどを行う読者にメッセージをお願いいたします。
訪問美容でいえば、仕事は特に向き不向きはないと思っています。すべての業種にいえることですが、問題を感じる力、理解する力、そして行動を起こす力を持っていることが大切です。そして何より人を好きなれる力を持っている人は強い。どんな仕事をするにしても最初は大変なのが当たり前です。しかし、曲げられない基盤をしっかり持ち、続けていくことで困難を乗り越えていけると思います。トラブルやピンチなど目の前にある壁は、実は自分が超えられるものしかやってこないので、果敢に飛び込んでいきましょう
Profile
湯浅 一也(ゆあさ かずや)
株式会社un.代表取締役 CEO
札幌の美容専門学校を卒業後、2008年studio V 原宿店に入社。サロン勤務を経て、転職先の美容室で櫻庭太と出会い、2012年8月に25歳で株式会社 un.を設立。訪問美容サロン『trip salon un.』の運営のほか、講演会やメディア出演なども行なっている。近年では「ワールドビジネスサテライト(テレビ東京・JOTX-DTV)」をはじめ、経済番組でも活動は注目されている。
訪問美容サロン『trip salon un.』http://c-b-un.com/