凄腕オーナーの技術がスタッフ全体に浸透『そぽむうた』
全国的なコンテストで武道館のステージで技術を披露し、2000人のなかからグランプリに輝いた坂本真依さん。この坂本さんが店長を務める「そぽむうた」の人気の秘密を前編でお聞きしました。後編では、施術における特徴や、スタッフの育成方法について、再び坂本さんにお聞きします。
カット技術＆ヘアケアが充実
――この「そぽむうた」の施術における特徴は、どのようなものでしょうか。
「tiraventoでは、スタイリストになった後もカット講習がずっと続きます。今、15年目のスタッフでも月に1回はオーナーにカットを教えてもらっています。そういうこともあって、カットに対する技術レベルというのは常に意識しているので、やはりカットは得意ですね、お客様でも結構、他で良い感じにならなかったから来ました、みたいな人が結構多いです」
――なるほど。凄腕のオーナーの技術がスタッフにも浸透していると。DREM PLUSでの勝因はこのあたりにもあるのですね。ではカット以外ではいかがでしょうか。
「デザインに関しては、お家に帰っていただいてから持続できる、再現性の高いスタイルを心がけています。その再現も、おうちでの髪の手入れがちゃんとできていない維持できないので、オリジナルのシャンプーやトリートメントも用意しています。できるだけ肌や髪の毛に負担がなく使ってもらえるようなものを開発しました。それを市販のものともそれほど差がない、買いやすい価格で販売しています」
――そういったヘアケアについても力を入れておられるのですね。
「そうですね。ヘッドスパとか頭皮マッサージも取り入れています。日本人の髪の毛を研究し尽くして生まれたヘアケア商品『Aujua(オージュア)』という商品も用意しています」
女性の働きやすさを考慮
――では、そういった施術を行うスタッフの養成についてお話をお聞きします。オーナーや坂本さんのような凄腕のスタイリストになるためには、どのような教育をされているのでしょうか。
「カリキュラムについては、昔はスタイリストデビューまで長かったんですけど、去年ぐらいから30か月デビューという目標に変えました。技術を追求するとどんどん長くなってしまうんですけど…女性は結婚や出産などがあって、働き方がどんどん変わってきたりとかしますから」
――女性スタッフはどのくらいの割合でおられるのですか？
「この店は全員が女性スタッフで、tiravento全体では9割ぐらいが女性です。女性の場合、27歳とか28歳で次のステップのことを考えるので、それまでにちゃんと自分で稼げる状態を作ってあげるのが大事かなと思って、デビュー目標を30か月にしたのです。だいたい2年半ですね」
向上心を失わない環境作り
――先ほど、デビューしてからもオーナーの講習があるとおっしゃられていましたね。
「そうです。デビュー後もカリキュラムはずっと続いていくということです。デビューのタイミングが早まっただけで、さらに上手くなるための教育は続いていくということです。デビュー1年後に月80万円ぐらい、その次は月100万ぐらい売り上げられるように考えています」
――スタッフには、坂本さんのようにコンテストにも挑戦してもらうのでしょうか。
「業界全体でいえば、若いスタイリストでコンテストを目指す人は減ってきていますし、コンテスト自体も減っています。でもコンテストに出場すると、普段のサロンワークでは感じられない、そういう場でしか感じられない特別な感覚があります。それは美容師としての充実感がモチベーションの向上につながっていくものだと思っています」
――この店でも、コンテストに向けた取り組みをしているということでしょうか。
「そうです。この店では年1回、全員で作品作りをして撮影したりしていますね。私がグランプリを獲れたのも、そういう店の雰囲気があったからだと思います。そういう作品作りをまったくやっていないサロンに行ってしまうと、例え本人にやる気があっても結局やらなくなってしまうと思います。それは本当にもったいないことだと思います」
トータルコーディネートも
――コンテストに挑戦すること以外に、こんな美容師さんになってほしい、という思いはありますか？
「髪の毛だけでなく、お客様の美に関するさまざまな悩みに寄り添うことで人として可愛がってもらえるようになってほしい。そのさまざまな悩みに応えられる、トータルコーディネートできるようなスタイリストになってほしいですね」
――tiravento全体としても、トータルコーディネートの方向性があるのですか？
「そうですね。今後10年で10店舗、スタッフ100人という目標があります。そこでは、スタイリストの年齢や特徴に合わせた店づくりを考えていますし、ネイルやアイラッシュ、フェイシャルサロンがあってもいいと思います。ネイルとまつ毛はすでにこの店でもやっているのですが」
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