美容師がサロンを辞める理由とは? 退職するときのポイントや転職のときに退職理由を伝えるポイントを紹介

「美容師としてキャリアアップしたい」「よりよい職場で働きたい」など、美容師がサロンを辞める理由はさまざまです。しかし、転職が成功したら、今のサロンを退職しなければなりません。

美容師がサロンを辞める理由や、退職するときのポイント、転職のときに退職理由を伝える方法などについてご紹介します。

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美容師がサロンを辞める理由とは?

人が退職したくなる理由はさまざまですが、業種によっても異なります。ここでは、美容師がサロンを辞める理由にはどのようなものがあるか見てみましょう。

1.キャリアアップやスキルアップのため|独立開業など

美容師はアシスタント、スタイリスト、チーフ、店長の順に昇進していきますが、マネージャーやディレクターになれば経営に携わることもできます。しかし、新規の顧客が少なかったりスタッフの人数が多かったりすると、新しい仕事をする機会に恵まれないことも少なくありません。

キャリアアップのために転職をする人が多いですが、なかには資金をためて独立開業をする人もいます。

2.労働環境を変えたい|新しい環境にチャレンジしてみたい

美容サロンはサロンによって、サロンコンセプト・ターゲット・メニュー構成が違います。キャリアアップをするためには、さまざまな技術を身につける必要がありますが、同じ環境で働き続けると経験できることは限られてしまうでしょう。

チャレンジ精神があり、優秀な美容師のもとで学びたいと考える人は、学びのチャンスを求めて転職を決意する人が多いです。

3.職場の人間関係がうまくいかない

美容サロンの店舗は、一般的な企業に比べると狭く従業員の人数が少ないため、人間関係が密になりやすくストレスを感じやすい職場といえるでしょう。

さらに、中堅にさしかかると若手の指導もしなくてはならなくなり、精神的に負担を感じることも多くなってきます。なかには職場の人間関係が原因で体調を崩してしまい、転職を決意する美容師もいます。

4.下積み期間の悩み|アシスタント

美容師のアシスタント期間は、約1~3年だといわれています。アシスタント期間の仕事というと、シャンプーのイメージがありますが、美容サロンの開店準備や閉店後の掃除などもアシスタントの仕事です。

アシスタントは学ぶことが多く、勤務時間以外に練習を行なうこともあります。このように下積み期間は悩みの多い時期で、将来に不安を感じ転職を検討しはじめる人も少なくありません。

円満に退職するには?押さえておきたいポイントを解説!

たとえ満足できなかった職場でも、退職した後も一緒に仕事をした人たちとは良好な関係を続けられるのが理想です。円満退職ができるように、退社を伝える時期や伝え方について解説していきます。

1.退職はいつ切り出す?就業規則をチェックしよう

退職に会社の同意は不要ですが、いきなり退職することはNGです。退職する際には仕事の引き継ぎやお客様への挨拶もあるので、期間は長めにとっておくとよいでしょう。

民法では「退職の2週間前に申し出る」とされていますが、サロンのお客様の来店頻度は1~3カ月なので、退社の申し出も1~3カ月前が目安です。サロンによっては就業規則で申し出の期間が決められていることもありますから、まずは就業規則をチェックしてみてください。

2.職場の誰に伝えればいいの?

退社の意思は直属の上司に直接伝えます。メールや電話で伝えるのはマナー違反ですので、アポを取って必ず口頭で伝えるのがポイントです。アポをとる際は「退職を検討しているので報告するお時間をいただけますか」と伝え、サロンが忙しくない曜日や時間帯を選びましょう。

退社の意思を伝えるときは、「退社希望日」「転職先が決まっている場合は入社予定日」「現在担当している業務の状況」などを伝えます。

3.退職したい理由は正直に話すべき?

円満に退社するためにはサロンへの配慮も必要ですが、退社したい理由は基本的には正直に話したほうがよいです。ただし、退社理由を会社に報告する義務はなく、言いたくないことを無理に言う必要はありません。

とくに「職場環境が合わなかった」「給与や待遇への不満があった」などのネガティブな退職理由は伝えないほうがよいでしょう。

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退職後もスムーズに!ていねいな引き継ぎをしよう

退社する際サロンに迷惑がかからないよう、引き継ぎはていねいに行ないましょう。退社後を考え、引き継ぎをするときのポイントをご紹介します。

お客様の引き継ぎ|スタイリストとの相性を考える

退職時に顧客の引き抜きを禁止しているサロンも多いので、基本的には指名してくださっていたお客様は、ほかのスタイリストに引き継ぎをしてもらいます。お客様によっては男性スタイリストが苦手な人など、お客様との相性を考慮して、引き継ぐスタイリストを選びましょう。

お客様には退社後もサービスに満足していただくために、引き継ぐお客様の情報を正しく伝えておくことも重要です。

業務の引き継ぎ|一緒に業務を行いながら覚えてもらう

掃除や片づけ、仕入れの管理など、施術以外の業務も引き継ぎが必要です。だれに引き継いでもらうかは直属の上司と相談して決め、退社するまでは一緒に業務を行ない、仕事内容を覚えてもらいましょう。

退社の時期や仕事内容によっては一緒に業務を行うチャンスがないこともあるので、そのような場合は業務のマニュアルを作成しておくと親切です。

美容師をやめるときも退職願や退職届は必要?

勤務しているサロンを退職する際は、退職願と退職届の提出が求められます。退職願は「退職させてください」という意向を会社に通知するための文書であり、労働契約を終わらせる効力はありません。

なお、退職の意思は口頭で伝えるだけでも有効ですが、民法の規定である「退職の意思表示は2週間前」の根拠となるため、なるべく作成すると良いでしょう。

一方、退職届は「退職します」と労働者から一方的に労働契約を解除するための文書です。民法第627条では、退職日の2週間前までに退職の申し出を行うと、2週間後に退職が成立すると定めているため、法律上では、サロン側が退職届を受理した日から2週間後に退職が成立します。

引用元:
厚生労働省 民法(明治29年法律第89号)(抄)

退職届の書き方

退職届を提出する際は、まず退職日を確定させておくことが大切です。退職日は上司との話し合いで決めるのが一般的で、退職届には話し合いで決まった退職日を明記します。そのほか、自分の所属や氏名の記入と、捺印も必要です。

退職届の作成は手書きでもパソコンでも構いません。必要事項の記載漏れや記載内容の誤りに注意して作成しましょう。サロンによっては特定の書式や様式、規定などを設けている場合もあるため、退職届を書く前にこれらについて上司へ確認しておくと安心です。

退職届の例文

サロンで退職届の書式や様式が決めて場合は、どのように書けばよいか迷うかもしれません。こちらでは、退職届の例文をご紹介します。個人情報や会社名、日付などを具体的な情報に置き換えて作成してみてください。なお、退職届は縦書きでも横書きでもOKです。

・退職届の例文

退職届
私儀
このたび、一身上の都合により、勝手ながら[退職希望日]をもって退職いたします。

[退職届の提出日]

[所属部署名] [氏名][押印]

[会社名]
[代表者名]殿

退職届を入れる封筒には、表面に「退職届」と記載し、裏面の左下に所属と名前を書きます。退職届を封筒に入れたら糊で封をし、封をしたところに「〆」と書きましょう。

こんなときどうすれば良い?

退職の意思を伝えると、引き止められたり、転職先のサロンを聞かれたりすることがあります。対応次第では、退職日が伸びてしまうなどの事態になりかねません。スムーズ退職するために、対処法を知っておきましょう。

引き止められたとき

退職の意思を伝えたときに、「このサロンにはあなたが必要だから辞めないでほしい」などと引き止められるかもしれません。このようなときは、冷静に退職の理由を振り返りましょう。

理由があって退職を決めているわけですから、引き止められるままに留まっても、自分にとってよい状況や環境にならない可能性があります。

自身の決定を尊重しつつ、相手に対して感謝の気持ちを伝えるのがポイントです。ていねいな口調で対応すれば、良好な関係のまま退職しやすくなります。

転職先を聞かれたとき

「別のサロンで働くのか」など、周囲から転職先について聞かれたとしても、具体的な転職先を教える必要はありません。転職先を伝える義務はなく、転職先を伝えたところで退職者はとくにメリットを得られないことが多いからです。

「これから探そうと思っています」「まだとくに決めていません」など、はっきりと答えずに切り抜けるのが無難と言えます。このような言い方であれば、自身のプライバシーも守れるでしょう。

美容師が転職を成功させるには何が必要?

美容師に限らず転職はキャリアアップや収入を増やせるチャンスですが、転職先が合わず後悔する人もいます。ここでは、ひとりでも多くの美容師が転職を成功できるように、転職する際のポイントを3つご紹介します。

自分の求める条件を明確にしよう|給料・仕事内容・勤務時間など

転職に失敗する原因のひとつに、とにかく今の仕事から1日も早く逃げ出したいという理由だけで、転職先を見つけてしまうことが考えられます。

転職を成功させるためには、自分はなにを求めていて、なにを必要としているのか明確にしなくてはいけません。自分の求めている条件が分かったら、給料の金額・仕事内容・勤務時間・職場環境などを具体的に考えていきましょう。

条件を満たすサロンを探そう|求人情報・サロン見学

自分の求める条件がまとまったら、求人サイトを見たりハローワークを活用したりして、条件を満たすサロンを探しましょう。求人情報から得られる情報は限られているので、自分でもサロンの情報を集めることが大切です。

サロンの雰囲気を知るために、実際にサロンのサービスを利用してみるのもよいでしょう。

美容師・美容室の求人:リジョブ

求められる技術力をチェックしよう|キャリアアップを目指せるか

転職を成功させるためには自己分析も必要です。どんなにやる気があっても、美容サロンが即戦力を求めているのに、それに見合う技術力がなければ活躍することはできません。かんたんすぎる仕事でもいずれは不満を感じ、また転職したくなってしまうはずです。

転職先でキャリアアップを目指すのであれば、美容サロンが求める技術力、新人教育の有無などは必ずチェックしておきましょう。

転職の時に退職理由をどう伝えたらいい?

転職の面接では、退職理由について質問されることがあります。退職理由をどのように伝えるかによって、採用担当者に与える印象が変わるため、注意すべき重要なポイントです。退職理由を上手に伝えて、好印象につなげる方法を解説します。

うそをつかない

退職理由を聞かれた際に、人間関係が悪い、給料が安いなどのネガティブな理由であった場合は、正直に言いづらいかもしれません。しかし、うそをついて入社しても、前職の退職理由と同じ状況になったときに、また退職せざるを得なくなる可能性があります。

退職理由を伝える場合は、うそをつかずに言い方を変えて伝えるのがポイントです。また、すべての詳細を述べる必要はありません。マイナスの印象を与えそうな内容は、言わないほうが無難です。

具体的な転職理由を説明する

退職理由をあいまいに伝えると、相手に伝わりにくいうえに誤解を招く可能性がありますので、具体的な理由を詳しく説明しましょう。このとき、客観的な事実や具体的な事例を交えるのがポイントです。

たとえば、ただ「キャリアアップをしたかった」ではなく、「現職ではスキルアップの機会が限られていたため、新たな挑戦と成長を求めて転職したいと考えました。」などと答えると、説得力のある転職理由ととも、に意欲や将来の展望なども伝えられます。

職場の悪口を言わない

前職での不満や問題点を退職理由として述べる際は、慎重になるべきです。職場の悪口は、面接官にネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。改善のための努力や提案に焦点を当てましょう。

たとえば、前職での不満や問題をそのまま伝えるのではなく、「このような対策を提案したが聞き入れてもらえず、改善されなかった」などと伝えると、自身の積極性と問題解決能力をアピールできます。困難な状況にあった前職であっても、そのなかで学びや成長があったと強調するのも有効なアプローチです。

前職での経験を建設的に語ることが、面接官に好印象を与える鍵となります。

働く目的やキャリアプランと一貫性を持って答える

退職理由を説明する際に大切なのは、単なる不平や不満だけでなく、自身の働く目的やキャリアプランとの一貫性を示すことです。将来の目標や希望するキャリアパスなどを具体的に示し、それを叶えるために転職するという方向で話しましょう。

たとえば、「前のサロンでは正当な評価を得られず、自身の望むキャリアアップができないため、転職しようと思いました。」などです。また、「御社であれば、自分の目標や希望が叶えられると思い、応募しました。」と、志望動機へスムーズにつなげられます。

自信を持って前向きに話す

退職理由がたとえ話しづらい内容であったとしても、自信を持って前向きな姿勢で答えましょう。言いにくい内容は声が小さくなったり、声のトーンが下がったりしがちです。面接官は「本当は入社したくないと思っているのではないか」と考えてしまうかもしれません。

退職理由はもとより、自分の弱みなどネガティブな内容こそ大きな声でポジティブに話すことを意識すると、採用担当者によい印象を与えられるようになります。

退職の引き継ぎはていねいに!円満退職のために早めに行動しよう

美容師としての成長と夢の実現には、日々の努力が不可欠ですが、適切なキャリア環境も大切です。しかし、転職活動の前に、退職願や退職届の提出と、ていねいな引き継ぎを行ないましょう。円満な退社を実現することが成功する転職への第一歩です。

引用元
厚生労働省 民法(明治29年法律第89号)(抄)

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