自分を満足させられるアイリストになるため、技術を追求「BeautyFlash」村山里衣さん

2012年に独立し、現在はまつげパーマ専門店「BeautyFlash」のオーナーアイリストとして3名のスタッフを束ねる村山里衣さん。前編では独立後、すぐに人気店となり、集客にも苦労をしたことがないという村山さんに、なぜそのようなことが可能になったのかを伺います。

「技術がうまいのは当然で、プラスアルファの何かがなければ指名にはつながらない」と村山さん。アイリストになる前からまつげパーマを受けるのが好きだったという村山さんは「自分を満足させられるアイリスト」を目指し、高い技術を確立したそうです。また効率を徹底的に考え、40分ほどで施術を終わらせることも、人気の秘密だといいます。

今回、お話を伺ったのは…

村山里衣さん

アイリスト/まつげパーマ講師/「BeautyFlash」オーナー

美容師として勤務したのち、出産を機に退職。その後、アイリストに転身する。2012年に独立し、横浜でまつ毛サロンを6年間経営していたが、海外移住を機にサロンは売却。日本帰国後の2020年、新たにまつげパーマ専門店「BeautyFlash」を開業。現在は3名のスタッフを束ねる。

まつげパーマ講師としての顔を持ち、過去には「コーセー美容専門学校」で特別講師を9年間務めたほか、業界大手美容問屋「アイラッシュガレージ」の第2期アイラッシュ講師に就任し東京校の講師を務めた経験も。アイラッシュガレージでは、現在も毎月、対面技術セミナーを開催中。

2022年からはまつげパーマ専門スクール「Beauty Flash Academy」を開講し、対面とオンライン両面から技術を伝承している。まつげパーマの深い知識と、わかりやすい技術説明が評判を呼び、海外からの受講生も多数。YouTubeの「まつげパーマチャンネル」は、初心者にもわかりやすい教科書チャンネルとして人気を集め、チャンネル登録者数は6千人を超える。初心者に使いやすいをモットーとした、まつげパーマ専門商材屋「Wiz Lash」も経営中。

Instagram:@murayamatsugeperm

LashLift Tv

「お客さま目線」を知っているという強み

アイリストになる前からまつげパーマの施術を受けることも好きで、さまざまなサロンに通っていたという村山さん

――独立されたあと、すぐに人気のお店になったと伺いました。

集客であまり苦労をしなかったのは、独立したのが2012年ごろでしたので、まつエクブームだったことが大きいと思っています。開業してからすぐに私とスタッフの2人で月に100万円ほどの売上をあげることができ、その後も大きく変動することはありませんでした。きっかけはまつエクブームでしたが、私がまつげパーマの施術をするのが好きなこともあって、だんだんとまつげパーマのお客さまの比率が増え、その後はまつげパーマの専門サロンとなりました

このサロンは海外移住の際に別のオーナーさんにお任せすることになりましたが、2年前に日本に帰ってきた際に立ち上げた「BeautyFlash」でも、おかげさまで多くのお客さまにお越しいただけるサロンになっています。

――入り口はまつエクブームだったとしても、高い水準で売上が維持できたのは、魅力があるからだと思います。その魅力をご自身はどう分析されていますか?

自分を満足させられるようなアイリストになりたいと思い、研究や練習を重ねてきました。私はアイリストになる前から、まつげパーマが好きで、いろいろなサロンに通っていたのですが、当時は満足できるサロンがあまりなかったんです。

「なぜか、しみるお店があるな」とか「上のまつげだけあげてほしかったのに、下まであがってしまっている」など不満を感じることが多く、自分が求めるレベルをクリアできるくらいの施術者になりたいという思いがありました。当時は施術に関しては今と比べると全くでしたが、お客さまの気持ちがよくわかっていたのは強みだったかもしれません。ここで研究し続けたことが、今の講師業にもつながっていると思います。

――ほかにも施術でこだわってきたことはありますか?

スピード感です。私は30~40分で施術を終えるのですが、ここまで早い人はそこまで多くないので、そういった点から選んでいただいているのかもしれません。

――なぜそんなに早く施術することができるのでしょうか?

細部にわたる動きまで、効率を考えています。ワゴンから取りやすい場所に道具を配置したり、道具を何度も取らないで済むように考えたり。テープを切るときは1秒でも早く切れるようにしていますね。これは性格的なものですね(笑)。家事をしているときですら、徹底的に効率を考えています。

あとは、時間をとにかく大切にしたい思いがあって。今日死んでしまうかもしれないと考えたら、1秒も無駄にできません。それはお客さまにとっても同じことで、お客さまの時間も無駄にしたくないと思うので、結果的に施術時間が早くなっていきました

きれいに施術ができるのは当たり前なので、こういうプラスアルファの価値がないと指名やリピートにつながることはないのかなと思いますね

その「ひざかけ、いりません」は本当か?

繊細なまつげを扱う仕事だからこそ、お客さまの安心感は大切だと村山さん

――接客で心がけていることを教えてください。

「お客さまよりもお客さまを大事にする」が私のモットーです。言葉や表情だけでは、決して推し量れないことがあると思っています。たとえばお客さまが寒そうにしているときに「ひざかけ使われますか?」とお聞きして、「いらないです」と返ってきたときに、「本当にいらないのかどうか」は常に考えますね。遠慮をしていらないと言っているだけということも考えられるので、気持ちをくみとり、お客さま自身よりも先回りしてその方のことを考えるようにしています。

ひざかけの例でいえば、いらないと言われてもお客さまの手に届く場所にひざかけをおいておき、「ここにおいておくので、もし寒くなったら使ってください」と伝えるなど、お客さまが快適に過ごせるよう心がけています。

――お客さまの気持ちをくみとるのが難しいと感じる人もいると思います。コツがあれば教えていただけますか。

スタッフによく伝えているのは、まずはお客さまをよく観察すること。そしてこまめにお声がけすることです。そうすれば万が一こちらがお客さまの不満や変えてほしいことに気づけなくても、お客さまから伝えやすいと思うんです

たとえばテープを貼ったときの痛みがないかを、1度確認して終わらせるのではなくて、1つ1つの動作ごとに確認するんです。最初は痛くなかったのに、だんだん痛くなってくるということもよくあると思うので。あとは言いやすい、話しやすい雰囲気を作ることも大事だと思います。お客さまにとって「言いやすい人」でいることができれば、くみとることが難しくてもお客さまとの良い関係性が築けるのではないでしょうか

お客さまを感動させられるよう、自分と戦う

まつげパーマの技術を極めてきた村山さん。現在は講師としてその技術を伝えている

――お話を伺っていると100%の力でお客さまに向かっている姿が見えてきます。モチベーションはどんなところにありますか?

元々、まつげパーマの技術が好きだということも大きいですが、私はいつも自分との戦いだと思っています。お客さまがなりたいイメージにプラスして、いかに感動を与えられるか。お客さまの目の形や、お洋服の雰囲気、そういったものをくみとったうえで、私が見立てた仕上がりのイメージを、実際に再現できなければ、想像以上に喜んでいただくことはないと思っています。そこに到達できる自分でいたいという思いが、モチベーションになっていますね。

未だに思い描いたところに到達できないことがあります。たとえば私が見立てたより、お客さまのまつげが硬かったとか、もうちょっと起こしたかったのにできなかったとか。ミリ単位の本当に小さなところで、お客さまはもしかしたら気づいていないかもしれない。でも自分が納得できないんですね。次回来店時に完璧にできるよう、練習して備えるようにしています。


村山さんがアイリストとして成功した3つの理由

1.自分を満足させられるアイリストになるため、技術を追求した

2.自分が好きな施術に絞って、独立した

3.想像以上の仕上がりに感動してもらえるよう、常に自分と戦っている

後編では、村山さんが2022年に開講したまつげパーマ専門スクール「Beauty Flash Academy」について伺います。心がけていることを伺うと、「答えを教えないこと」という意外な答えが。そこには、生徒さんが現場で困ることがないようにという、村山さんの誠実な思いが隠されていました。後編もお楽しみに!

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Salon Data

BeautyFlash
住所:神奈川県横浜市港南区上大岡西1-17-28 4F
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