大学卒業後、25歳で新卒入社。美容に真剣な姿勢に憧れて有名店を志望「QUQU」長田怜士さん
渋谷にある美容室「QUQU」。その人だけに似合う唯一無二の施術がしてもらえると、人気を博すサロンです。
そんな「QUQU」に2023年に入社し、アシスタントとして活躍しているのが長田怜士さん。初めて髪を染めたときに感じた「自分が強くなるような感覚」を他の人にも還元できたら、と美容師を志し、大学卒業後に美容専門学校に3年通ったそう。ストレートで専門学校に入学した人と比較すると、5年遅れての就職活動には焦りや不安があったといいます。
長田さんが学生時代にどのような努力をしていたのか、また「QUQU」を志望した理由を振り返っていただきました。
今回、お話を伺ったのは…
「QUQU」アシスタント 長田怜士さん
2023年に「QUQU」に入社し、現在はアシスタントとして経験を積んでいる。愛知県出身。大学卒業後、美容専門学校に入学。美容師免許やネイル、着付け、パーソナルカラーなどの資格を有する。アニメ、漫画、バンド、アイドル、ネットミームが好きな自称「オタク」。サブカルチャーから着想を得た唯一無二のスタイルが評価され、学生時代にはフォトコンテストなどでの受賞歴もあり。
自信を与えてくれたヘアカラー。感動を他の人にも還元したいと美容の道へ
――長田さんが美容師を目指したきっかけを教えてください。
僕はもともと自分に自信がない性格なのですが、初めて髪を染めたときに自分が強くなったような感覚を覚えたんです。髪が与えてくれた高揚感や感動、勇気のようなものを他の人にも還元したいと思い、美容師を目指しました。
今、僕がドレッドヘアや奇抜な格好をしているのも、「いつも自信を持った自分でいられるように」という願いがあります。
――長田さんは大学卒業後に、3年制の美容専門学校に入学したそうですね。
本当は高校卒業後すぐに美容専門学校に進学したかったのですが、中高一貫の進学校に通っており、先生や親に大学進学を勧められたことがきっかけです。大学では心理学を専攻し、幼少期のメンタルヘルスについて学んでいました。
――大学時代に学んだことが美容師の仕事に活きていると感じることはありますか?
心理学カウンセリングの基礎を学ぶことができるのですが、それがコミュニケーションに活きていると感じます。
美容師は、お客様と会話をして要望を汲み取る仕事でもあります。そのうえで、傾聴の姿勢について学べたことはよかったと感じています。また心理学を学ぶことで、人の気持ちの機微に敏感になることができたとも思います。
25歳で迎えた就職活動「不安でいっぱいだった」
――美容専門学校に入学するときは、周りの同級生より4歳ほど年上になっていたわけですが、不安や焦りはありましたか?
とても不安を感じていました。しかも僕が通っていた専門学校が3年制だったため、採用試験を受けるときには25歳になっていたんです。会社の立場になって考えると、年齢が若くてフレッシュな人を採用したいはずなので、職歴のない25歳が就職するのは正直とても難しいことだと思っていました。
焦りはありましたが、「自分にはこれ以上、後がないぞ」とやる気を奮い立たせる一つの材料にしていました。
――美容専門学校に3年間通われたということですが、どんな勉強をしましたか?
僕は大学卒業後に専門学校に通うことになったため、周囲からの遅れを取り戻すために、たくさんの資格を取得することにしました。美容師免許だけではなく、ネイル、着付け、パーソナルカラーの資格も在学中に取得しました。
また日中は美容師になるための勉強をしつつ、夜は同じ専門学校内のスタイリスト学科、グラフィック学科に在籍して勉強をしました。美容師になると撮影の機会も増えるので、レタッチなどを習得できたことが今とても役に立っています。
僕はQUQUの先輩美容師と「SHUSIZE(しゅうさいず)」というユニットを組んでいるのですが、ユニットのビデオなども、学校で学んだグラフィックの技術を使って自分で制作しました。
美容にストイックなスタッフに憧れ、QUQUを志望
――就職先を考えるにあたり、資格取得以外になにかアクションは起こしましたか?
学生時代は名古屋に住んでいたのですが、長期休暇のたびに東京のサロンに通っていました。QUQUにも何度も訪れていて、代表の浦にハイライトを入れてもらったり、クリエイティブディレクターの楽人に前髪をバーバリー柄に染めてもらったりしました。系列店のLECOに行って、代表の内田に施術をお願いしたこともありましたね。
そのときはなんだか恥ずかしかったので、QUQUへの就職を目指していることは打ち明けられず、普通のお客さんとしてお店に行っていました(笑)。就職試験を受ける間際になって、やっと「実は採用試験を受けようと思っていて」と打ち明けた思い出があります。
――地元は愛知県ということですが、東京のサロンへの就職を希望していたのですね。
美容師としての活動の幅を考え、東京での就職しか考えていませんでした。東京はサロンの数もとても多いので、たくさんの美容師さんと切磋琢磨できる環境があるのではないかという期待もしていました。また、シンプルに東京のサロンに対しての憧れもあったように思います。
――QUQUさんを志望した理由を教えてください。
ベーシックな技術をしっかりと持ちながら、その上に自分の味が加わっている唯一無二のスタイルを持っている美容師ばかりがいるからです。また「美容に真剣な人しかいない」という環境にも魅力を感じました。
QUQUのスタッフのSNSを見ていると、毎日朝練の様子がアップされているんです。休日も仕事に勤しんだり、ファッションや音楽など自分の好きなものを追求していたりする、ストイックな姿勢に惹かれました。
長田さんが就職に向けて努力した3つのポイント
1.美容師免許だけではなく、ネイル、着付け、パーソナルカラーなどの資格を取得した
2.就職後を見越して、専門学校在学中にファッションやグラフィックなどを学んだ
3.就職を志望するサロンに実際に足を運び、憧れのスタッフの施術を受けた
後編では、採用試験について長田さんに詳しくお話を伺います。
スナップ写真の提出時にはスタイルブックを作成したり、自作の衣装や動画を作成してクリエイティブ試験に臨んだりしたという長田さん。その努力が認められて第一志望のQUQUから内定をもらったそうです。
また、現在カットの練習に奮闘中という長田さんに、どんなふうに壁を乗り越えていこうとしているのかについてもお聞きしました。後編もお楽しみに。