一人ひとりのスタッフが最高に輝ける舞台でありたい——『commune』
『commune』のオーナーであり、店長ヒラノさんの成長を新人時代からずっと見守り続けてきたのがイナバさん。本店である『oops!hair』のスタイリストとして数多くのお客さんを持ち、忙しい合間を縫って新しい施術の開発・研究や後進の指導にも力を注ぐエネルギッシュな人物です。気さくで笑顔がステキなイナバさんに、2号店として『commune』をオープンさせた経緯やスタッフへの想い、美容師という仕事の魅力などなど、たっぷりと語っていただきました。
スタッフの頑張る姿が2号店立ち上げのきっかけ
――『oops!hair』のスタッフとしてイナバさんの元で活躍していたヒラノさんに、2号店『commune』の店長を任された経緯を教えていただきたいのですが。
「美容師って“キャリアを積んで次のステップアップを”となると、独立するか、新たなお店を任されるかの大きくはどちらかになると思うんです。ヒラノも『oops!hair』で10年以上キャリアを積んでお客さんもしっかり付いていましたし、ある時からは個人的にヘッドスパの勉強も始めてね。『頑張ってるな』と思って見ていました。そのうち、私としても『oops!hair』とは違ったコンセプトのお店を立ち上げたいと思うようになりましてね。それならば、ヒラノが習得したヘッドスパの技術や知識を活かさない手はないだろうと!本人に意志を確認したところ、やってみたいとのことだったので、物件決めから細かな店づくりまでほぼ全てを彼女に任せ、『commune』が誕生したというわけなんです。『oops!hair』とは徒歩数分で行き来できる場所にあり、状況に応じたスタッフ間の連携もスムーズに図れています。リラクゼーションスパとは一線を画す本格的なヘッドスパが常連のお客様にも好評で、ありがたいことに両方のお店を利用していただいているお客様も多いですよ!」
産休・育休や復職後の時短勤務にも柔軟に対応
――ヒラノさんは、イナバさんと共に歩んだ17年という美容師キャリアの中で結婚、出産という人生の大きな節目を経験。約1年間の産休・育休を経て現場復帰され、現在も家庭と仕事をしっかりと両立されています。「オーナーの理解と仲間の協力があってこそ」とヒラノさんはおっしゃられていますが、そのあたりはどのようにお考えですか?
「縁あって一員となってくれたスタッフには、腰を据えてじっくりと経験を積み重ね、美容師だからこその喜びややりがいをたくさん感じてほしい、というのが私の願い。ですから産休や育休、復職後の時短勤務等に関しても状況を見ながら柔軟に対応し、スタッフができるだけ長く活躍できる環境づくりを心がけています。ですがヒラノの場合は待遇面に甘えるだけでなく、『コイツにはお店に残ってほしい』と私に思わせるだけの技術や知識、お客様からの信頼をキャリアの中でしっかりと培っていたのが大きかったですね。『コイツのためならできる限りのことをしてやろう』と、私も自然とそんな考えになっていましたから。ヘッドスパの技術・知識に関してはグループ内で彼女の右に出る者はいませんし、今も新たな施術の勉強をしている最中だと聞いています。ヒラノだけでなく、当グループで働くスタッフは皆異なる得意分野をもち、それぞれが必要不可欠な存在として活躍してくれています。これからもお互いに刺激を受け合ったり、助け合ったりしながらグループ全体で高みを目指していきたいですね」
ひたむきな努力はいつか必ず大きな実を結ぶ
――今年はグループとして新たなスタッフを何人か入れられる予定とお聞きしましたが、美容業界を希望している若い人材にメッセージをいただければ!
「何の仕事にも共通していえることですが、新人の頃はある種の壁を感じてしまう場面が多々あるでしょう。理想と現実のギャップに悩むことも、理不尽な怒られ方をして凹むこともあるかも知れません。でもそこで逃げてしまってばかりでは、どうあがいても上のステージには進めません。くじけそうになった時は、『何のために頑張るのか』と自分に改めて問い直してください。若い頃に試行錯誤しながら身に付けた技術や知識はかけがえのない財産であり、それはいつか必ず大きな実を結びます。自分の可能性に枠を設けず、何事にも貪欲に取り組む姿勢で“明るい未来=美容師として心から笑える毎日”を自分の手でつかみ取ってください」