カリスマ美容師・岡元コースケの攻め方！『Hair Salon Bottoms』
渋谷駅から宮益坂を少し歩いて一本脇道に入ると、喧噪が遠ざかり、波が引くように人どおりが少なくなります。『Hair Salon Bottoms』は、そんな少し大人びた雰囲気の路地のビルにある美容室です。お店は2015年12月にオープン。カリスマ美容師として活躍する岡元コースケさんがオーナーを務めています。
お客さまにフィットするスタイルを独自の感性で提案し続けている岡元さんに、『Hair Salon Bottoms』がどのような経緯でオープンに至ったのかを伺いました。
気に入ったスタイルにしてくれるお店がない!?
――岡元さんが美容業界を目指したきっかけを聞かせください。
「高校生のときに美容業界を目指すことを決めました。理由は当時通っていた美容室が気に入るようにカットしてくれなかったから。 “どうして思いどおりにならないのだろう？”と、いつも不満があったのです。美容室にはいつもワックスを持参。カットしてもらった後、お店を出てからセットし直していました。そんなことが続くうちに自分でカットを学びたくなったのです。
また当時はカリスマ美容師が流行った時代でした。メディアで美容師さんたちが活躍しているのを見て憧れたんですよ。そのなかでひときわ惹かれる東京の美容室がありました。僕は美容師になること、そして、そのお店で美容師としてのスタートを切ることを心に決めました」
最高の形で美容室としてのスタートを切ることができた
――その美容室で働くことはできたのですか？
「はい。もうそこにしか就職希望を出していませんし、落ちたら就職浪人をする覚悟でいましたから。ちなみに美容学校の学生だったころ、一度上京してその美容室を利用したことがありました。そしたら、カットしてもらったまま遊びに行くことができたのです。そんなふうに気に入ったスタイルにしてくれたのは初めて。やっぱりここしかない、間違ってないなって思いました。面接ではとにかく熱意をぶつけて、希望するお店で美容師としてのスタートを切ることができました」
――なるほど。一途なのですね！
「思えばそうですね。後で聞いたところによると、面接の時点で“あの子いいね！”という話になっていたそうです。その美容室ではアシスタントとして4年、スタイリストとして2年半、店長として5年と、12年ほどお世話になりました。スタッフが80名ほどいる大きなお店で、さまざまな立場の経験を積めたのはとても大きかった。そのときの経験は財産ですね。多様な立場と視点でお店を見ることを学ぶことができたのですから」
子供心を忘れずに、それを可能にできる大人の思考を持った美容室
――2015年12月に独立してHair Salon Bottomsをオープンされましたね。どんなタイミングでの開業だったのですか？
「店長をしていた美容室は商業ビルに入っていました。あるときそのビルが改装することになり退去しなくてはならなくなったのです。もともと美容師を志したときに “独立して店を持つこと”を目標にしていたので“タイミングが来た”って感じでしたね。それで各方面に話をして独立するに至ったのです」
――『Hair Salon Bottoms』はどのようなコンセプトの美容室なのですか？
「少ないリソースで、大きなパフォーマンスが発揮できるチームでありたいと考えています。コンセプトは“子供心を忘れずに、それを可能にできる大人の思考を持った美容室”。子供のような自由な発想と欲を忘れないように持っておきながら、それを大人なアイデアと実行力で実現する。不可能を可能にできるようなサロンでありたいのです。枠に収まらず、新しいことにチャレンジする姿勢を忘れずにいたいんですよね。
お客さまにも、“ちゃんとした美容師さんがいる美容室”とだけ思われてもつまらないですよね。 “変わっていておもしろいけど、すごくいい提案をしてくれる店があるよ！”って紹介されたほうが、話を聞いた人も“その店に行ってみたい、美容師さんに会ってみたい”って思ってくれそうじゃないですか。僕は美容師のことを髪のお医者さんだと思っています。患者さんって、自分の体の調子のよし悪しはわかるけど、どんな問題があるのかはよくわかっていないことも多いですよね。お客さまと会話をするなかで、本当に似合うスタイルを提案していきたいと思っています」
