美容師とはどんな職業?仕事の内容や一日の流れ、平均収入を詳しく解説

華やかなイメージのある美容師は、あこがれる人の多い職業の1つです。しかし、美容師は普段どんな仕事をしているのか、実際の一日の流れなどを知らない人もいるのではないでしょうか。

美容師を目指したいなら、詳しい仕事内容を知っておくことが大切です。美容師という職業について知識をつけましょう。

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美容師の仕事内容とは?


美容師法では、美容師について以下のように定義づけられています。

美容師は「美容を業とする者」をいい、(中略)美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされている

引用元

厚生労働省|美容師法概要

また、カッティングやカラーリングも美容の範囲内に含まれます。

美容師の主な仕事内容について、詳しく見ていきましょう。

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ヘアカット、スタイリング

美容師の主な仕事内容の1つとして、ヘアカット・スタイリングがあります。ヘアカットの主な目的は、お客様の要望に合わせながら髪を整えながら切りそろえ、髪型のバランスを整えてお客様の理想のヘアスタイルを実現することです。

ヘアカットには下記のようなさまざまな種類があります。

1.ブラントカット:ハサミを横にいれて直線にカットする方法
2.ハイレイヤー:トップを短くしてアンダーに向かって長くカットする方法
3.ローレイヤー:段差を控えめにカットする方法
4.インレイヤー:内側を短く外側を長くして丸みを出すカット方法
5.セイムレイヤー:切り口を真っすぐにするカット方法
6.ポイントカット:縦にハサミを入れるカット方法
7.グラデーションカット:頭の上部を長く下部につれて短くなるようカットする方法

このようなヘアカット技術を使いながら、髪の毛を切りそろえることが美容師の主な仕事です。もちろん、ヘアカットが終わったあとは髪をスタイリングすることも大切な仕事の1つです。

シャンプー、ブロー

シャンプーは美容師でもアシスタントの主な仕事内容で、お客様の髪の毛を洗うため、専門的な知識・技術が必要です。

お客様の髪の毛を洗うシャンプー技術は、お客様の横に立って洗うサイドシャンプーと後ろに立って行うバックシャンプーがあります。詳しいシャンプーの技術については下記の記事を参考にしてみてください。

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また、ブローも美容師に求められる基本的な仕事です。根本をブロッキングしアンダーヘアの乾きにくいところをハンドブローするスキルと、ミドルセクション・オーバーセクションを道具を使いながら乾かします。美容師のブローテクニックについて詳しい内容は下記を参考にしてください。

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このようにお客様に対してサービスとして提供するシャンプー・ブローには専門的な知識と技術が求められることから、美容師として大切な仕事となっています。

カラー

美容師の仕事内容の1つがカラーリングです。カラーリングには大きく分けて下記の3つの種類があり、お客様の要望に合わせたカラーリングスキルが求められます。

1.ヘアカラー:髪の毛を脱色しながら染める方法
2.ヘアマニキュア:キューティクルに色素を浸透させて染める方法
3.ブリーチ:メラニン色素を分解して髪の毛を明るく染める方法

ヘアカラーには専門で行うプロフェッショナルとしてヘアカラーリストという仕事もあります。ヘアカラーリストには、お客様の肌・髪の色や髪質・瞳の色などを見極めて、お客様の希望に合わせながら似合うカラーを提案するスキルが必要です。

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パーマ

美容師として、パーマは大切な仕事の1つで専門的なスキルが求められる施術です。パーマは、お客様にとって髪の扱いが楽になることでセットの時間などを短くすることにもつながります。パーマと一言でいっても、下記のようにさまざまな種類があります。

・コールドパーマ
・水パーマ
・クリープパーマ
・エアウェーブ
・デジタルパーマ
・モイストデジタルパーマ

上記のようなパーマをお客様の髪質や要望に合わせながら、施術することが美容師には求められます。

カウンセリングやアフターフォロー

美容師に求められる大切なスキルとしてカウンセリングがあります。カウンセリングを効果的に行えることによって、お客様の悩みを聞き出して要望に近いスタイルを実現できるからです。

カウンセリングの全体の流れとしては、まずお客様の悩みを聞き出し、悩みにあった髪の毛のデザインを提案。髪の毛のデザインの確認が取れたら施術内容とかかる時間について確認した上で、料金についてもお客様に説明する必要があります。

美容師が施術前のカウンセリングでお客様に安心感をもってもらえるかどうかは、リピート率にもつながる大切な仕事です。

カウンセリングの手順やリピート率アップのポイント、接客のコツなどは以下の記事を参考にしてください。

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ネイルやメイクなど

美容師に求められる仕事として、ネイル・メイクなどもあります。トータルビューティーサロンなどで美容師として仕事をする場合、ヘアカット・カラー・パーマなどの髪の毛だけに限らず、ネイルやメイク、まつエクなどの幅広いサービス提供を求められることも。

特にまつエクは、美容師法上許可が必要な美容行為として法律が整備されていて、美容師免許のない人がお金を取って施術していた場合、美容師法違反として処罰される可能性もあります。

そのため、トータルビューティーサロンでは美容師免許を持っているアイリストを採用しているケースも多いので、トータルビューティーサロンで美容師として働く場合にはアイメイクなども担当することがあるでしょう。

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着物の着付け

美容師のシーズンとして、お正月や成人式などの一年のなかでも重要な節目があります。このようなシーズンではお客様からのオーダーとしてヘアセットだけではなく着物の着付け依頼がある場合も。

全日本着付け技能センターが発行している「着付け技能検定」は職業能力開発促進法に基づいている公的資格の1つです。美容師として着物関連の資格を持っている場合は、着物の着付けをすることも仕事内容として求められる場合もあります。

着物の着付けでは着付けのテクニックや知識を活かして、お客様が着物や衣装を着飾れるようなサポートしなければなりません。また、着付けが完成した後でも衣装が崩れてしまった際には着付け直しができることも大切な仕事です。

着付け技能検定について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

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美容師業務の一日の流れをチェック


前述したようにさまざまな仕事内容がある美容師ですが、スケジュールはどうなっているのでしょうか。美容師の一日の動きについて、10時オープン19時クローズのお店での一例を紹介します。

なお、スタイリストかアシスタントかによって、できる業務の範囲が違うことも知っておきましょう。

9:00 出勤・開店準備

出勤したらまず開店準備をします。店内の掃除や干していたタオルをたたむ作業、施術道具の準備などが必要です。朝礼では、スタッフが集まってその日の予約客や施術内容、重要事項などを確認します。

10:00 開店・顧客対応

サロンがオープンしたら、接客・施術などのサロンワークを行います。状況によっては、スタイリストが施術するかたわらでアシスタントがサポートをするという形で、ひとりひとりのお客様に対応します。

電話がかかってきたら応対する、施術ごとの準備・片付けや清掃をすることも必要です。美容院で働く人の多くがスタイリストですが、アシスタントがいればアシスタントが率先して行う仕事であることも多いでしょう。

また、シャンプーはアシスタントが担当するというサロンもあります。お客様と直接触れ合える貴重な機会のため、うまくコミュニケーションを図りましょう。

手の空いている時間には、集客のための業務もしなければなりません。ハガキやメールを送ったり、SNSやブログを投稿したり、キャンペーンを考えたりなどの仕事を行います。

12:00 昼休憩

昼頃になったら、予約状況も確認しつつ、スタッフ同士が交代でランチタイムの休憩を取ります。

13:00 午後の業務開始

午後の時間も午前中と同様にサロンワークを行います。空き時間ができたら、お客様カルテに必要なデータを記入したり、カットなどの練習をするアシスタントの教育・指導などをしたりするのも重要な仕事です。

17:30 少しずつ閉店準備

手の空き状況などにもよりますが、タオルの洗濯、その日にもう使わない道具類の洗いや片付け、スタッフルームやトイレの掃除、レジ周りの整理など、お客様に見えにくいところから少しずつ閉店に向けた作業を行っていきます。

19:00 閉店

最後のお客様を見送り、閉店したら、掃除・レジ締め・翌日の準備や予約状況のチェックなどを行います。その後、終礼でスタッフ一同が集まり、一日の振り返りや反省などを行ってから業務を締めくくります。

居残り練習をする場合も

閉店作業や片付けが終わったらすぐに帰れると考えるかもしれません。

しかし、アシスタントなどは、閉店して一日の業務が終わってもすぐに退勤するのではなく、残って技術を磨くために練習する場合もあります。また、子どもがいるスタッフなどは夜残れないため、サロンによっては開店前に練習を行うというパターンもあるようです。

そこで、指導のために付き添うスタイリストもいます。

20:00 退勤・帰宅

閉店作業・片付け・練習など、すべてが終わったらサロンを退出します。今回見てきたのはあくまでも一例ですが、美容師業務は一日が長いうえ、22時頃まで練習を行う人もいるので体力勝負の仕事です。

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美容師の平均給与・年収|必要な資格

カレンダーはストックフォト用にデザインしたオリジナルの小道具です。

美容師の平均給与と年収について、厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査のデータを紹介します。

同調査によると、理容師・美容師の平均給与は月額27万7,600円、賞与などを考慮した年収額は約339万円です。データはあくまで平均値であり、勤務条件や歩合などによってこの限りではありません。

一方美容系求人情報サイトのリジョブによるデータでは、下表のような結果になっています。

正社員 月給下限 月給上限 平均
アシスタント 202,215円 265,489円 233,852円
スタッフ 231,753円 410,359円 321,056円
店長(候補) 282,990円 613,346円 448,168円

※2024年1月現在

正社員のスタッフでは、多い人で40万円以上の月給をもらっていることがわかります。

美容師になるには免許が必須

美容師として働くためには、高校卒業後、厚生労働大臣や都道府県知事が指定する養成施設で昼間課程および夜間課程2年以上、または通信課程3年以上の期間学び、美容師の国家試験に合格して免許を取得する必要があります。

試験は年2回実施され、筆記試験と実技試験の両方に合格しなければなりません。筆記試験は関係法規や衛生管理、皮膚科学や人体の構造など、美容師として当然持っておかなければならない知識が問われます。

実技試験はカットと指定されたパーマのセッティングをモデルウィッグを使って行い、合格基準をクリアしなければなりません。

引用元

厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag|美容師

美容師のやりがいとは

さまざまな仕事を一日の中でこなす美容師のやりがいとは何なのでしょうか。ここではスタイリストとアシスタントにわけて、美容師としてのやりがいについて詳しく解説します。

スタイリストのやりがい

まずはスタイリストのやりがいを確認していきましょう。

修得した技術を提供して感謝される

スタイリストとしてのやりがいは、プロの技術・接客スキルがお客様から求められることにあります。美容室に就職した後は、美容室が定めるカリキュラムをこなしながら下積みをして、フロアの掃除の仕方からシャンプーの仕方、接客技術などを多岐にわたって学ばなければなりません。

スタイリストになってからも、最先端の技術を学びながら多くの経験を積み、お客様のイメージにあったヘアスタイルにすることが求められます。

このように、お客様のために日々学びながら経験を積んで、プロとしての技術・接客をサービスとして提供し、お客様に喜んでいただけたり感謝の言葉をかけられたりすることがスタイリストとしてのやりがいでしょう。

技術力の向上を実感できる

美容師の技術には終わりがなく、もうこれで充分などという領域は存在しません。技術力は磨き続けなければ衰え、何も学ばなければ流行に取り残されてしまいます。

しかし努力すればするほどそれは自分の身になり、新たなことを学び続ける意志があればお客様の信頼を得られるでしょう。身につけた技術や取り入れたトレンド情報をもとに施術を行いお客様に還元できたとき、その努力が報われる喜びを実感できるのは美容師ならではのやりがいといえます。

アシスタントのやりがい

次にアシスタントのやりがいにはどんなことがあるかを見ていきましょう。

スタイリストデビューできたときに努力が報われる

美容室へ就職した後は、アシスタントから下積み経験をします。床の掃き方やカットの練習など、美容室が定めた技術テストに合格することがアシスタントの目標です。

アシスタントからスタイリストになるまでには、平均で約3年といわれています。3年間の下積みで経験や技術が身に着き、無事スタイリストになれたときには、努力の成果が認められたというやりがいを感じられることでしょう。

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美容師のキャリアチェンジ

美容師は髪に関する施術がメインの仕事ですが、美容師免許があることでさらなるキャリアアップ・スキルアップを目指せます。また美容師から違う職種に転職する人もいるので、どんなジャンルで活躍できるのか、美容師免許を活かせる他の仕事を以下で見てみましょう。

アイリスト

アイリストとは、お客様にまつ毛パーマやまつエクを施す仕事です。デザインが重視されるため、カウンセリング力や仕上がりイメージに沿った施術ができるかというテクニックが問われます。

なお、アイリストになるには美容師免許が必要なほか、スクールなどで技術を習得しなければなりません。サロンによっては、働きながら学べるところもあります。

アイリストにキャリアチェンジする場合、独学でもなれるのかや必要な資格はあるのかなどを以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらもチェックしてください。

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アイリストには独学でもなれる?必要な資格や民間資格を独学で取得する方法について紹介

アイブロウリスト

アイブロウリストとは、眉毛の専門家で、お客様を魅力的に見せる眉毛をデザインする仕事。眉毛のカットやメイクをする場合は、美容師免許が必須です。

眉毛のカット技術やデザイン力が必要なほか、手先が器用であることや、トレンドを押さえる情報収集力なども求められます。

アイブロウリストに求められるスキルや仕事内容については、以下の記事を参考にしてください。

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アイブロウリストとは? 仕事内容を紹介|アイブロウリストにはどんなスキル・資格が必要?

ヘアメイクアーティスト

ヘアメイクアーティストは、ヘアメイクアップアーティストとも呼ばれます。モデルや芸能人などのヘアセットやメイクを手がける仕事で、スタジオ撮影・ファッションショー・テレビなど多くの人の目に触れるお客様を輝かせるためのサポーター的な存在です。

美容師の免許が必要なことはもちろん、メイクの技術も必要なため、学んで腕を磨く必要があります。

ヘアメイクアーティストが活躍できるのは、上述した仕事ばかりではありません。ヘアメイクアーティストの就職先や詳しい仕事内容などは以下の記事を参考にしてください。

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ヘアメイクアーティストとは?メイクアップアーティストとの違いや仕事内容などを紹介

ネイリスト

ネイリストとは、お客様の爪を美しく見せるための施術を行う仕事です。甘皮のお手入れや爪の形を整えるといったネイルケアを行い、さらにジェルやスカルプチュアなどでカラーやネイルアートを施します。

美容師免許は必須ではありませんが、爪の細かい部分にまで施術するため、テクニックが求められるほか、センスも必要です。

ネイリストの資格や経験がない方の仕事の探し方や注意点、ネイル資格を取得するための方法などは以下の記事で詳しく紹介しています。

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着付け師

着付け師は、成人式や結婚式などの際に着物を着る人に対し、着付けを行ったり着方をレクチャーしたりする仕事です。いかに手早く美しく着物を着られるかという技術が求められます。

美容師の免許があれば、着付けからヘアメイクまでトータルで行うこともでき、着付け時に役立つでしょう。

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美容師のキャリアにも役立つ!着付けの資格について

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今回は、美容師の業務内容や一日の流れ、平均給与などを紹介しました。

美容師はサロンワークだけでなく、準備・片付け・集客・練習などいろいろな仕事をこなさなければなりません。しかし、大変ながらもやりがいのある仕事なので、美容師を目指す人はぜひ参考にしてください。

また、お伝えしたように、美容師免許があれば、美容室以外にも活躍できる場面がたくさんあります。美容師として仲間と切磋琢磨したのち、他の業界でキャリアアップを目指す道もあるので、興味のある方は検討してみましょう。

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