本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【Karunakarala 唐澤由記さん】#2
「こんなセラピストになりたい!」という理想をかなえるには、技術を磨く努力はもちろん、経験の積み重ねがものを言います。その体験の場となるのがサロン。そこで、人気の美容系サロンの採用担当者に、求めている人物像を直撃しました。さらなる高みを目指している人を応援します!
今回は、「自分らしく幸せに生きる」をコンセプトに掲げるスパ&ヘアサロンKarunakaralaで採用を担当している、代表の唐澤由記さんにホンネをうかがいます。
今回お話しを伺ったのは…
Karunakarala 代表 唐澤由記さん
都内美容サロンに8年間勤めた後、2013年よりフリーランスでヘアメイク、ヘッドスパインストラクターとして活動。出張でスリランカを訪れた際に、古代インド・スリランカで生まれた伝統医学「アーユルヴェーダ」と出会い人生の転機に。帰国後、本格的に知識を学び2015年にアーユルヴェーダの考えを形にする空間として、Karunakaralaをオープン。
「魅力的なセラピストは身体との対話がうまい!」
――面接では、どのようなポイントをチェックしていますか?
「柔軟な考え方を持っているかどうか」をチェックしています。Karunakaralaの施術はパッケージ化されていないので、さまざまな角度からお客さまを見て、その方に合った内容を考える力が必要です。そのため、面接をしている時には、私自身がお客さまになったイメージを持ちながら「理想に向かって一緒に取り組んでくれるセラピストか?」を考えて、話を聞いています。
――実技の選考で意識して見ていることを教えてください。
「身体と対話ができるか?」をチェックしています。セラピストのなかには、覚えたテクニックをそのまま提供している方もいますが、マニュアル通りの施術を行えば、お客さまがよろこぶわけではありません。
大切なのは「もう少し強く押してほしい」などの、お客さまが言葉には出さない身体の声を聞くことです。受けていて癒される施術者は、お客さまが無意識に出している小さな気配をキャッチすることがうまいと感じています。
――1年ほど前から勤務している望月理絵さんを採用した経緯について教えてください。
望月さんとは、アーユルヴェーダのコミュニティで出会いました。純粋な人柄に惹かれて、「もし、セラピストに興味があったら働きませんか?」と声を掛けていましたが、その時は、彼女が沖縄に住んでいたのでタイミングが合いませんでした。
ところが、数年してから東京に引っ越してきて、ありがたいことにサロンに連絡をくれました。選考で彼女の施術を受けてみると、私がスリランカで体験した現地のセラピストに似ていて、また彼女の素朴さも生きていたので、とても魅力的でした。そこで「ぜひ、働いてください」とオファーを出して、現在に至ります。
ROOKIE’S FILE 望月理絵さん
本場の施術を通して自己治癒力が高まっていくことを感じ、スリランカ滞在中にセラピストになることを決意。その後、宮古島でリラクゼーションの勉強を積み上京。2019年よりKarunakaralaに所属。
――セラピストを目指した理由は?
自分自身がアーユルヴェーダに救われたからです。私は、高校生の頃に美容師さんの影響でアロマに興味を持ち、その頃からリラクゼーション系の業界に関心がありました。しかし高校卒業後は、地元の会社に就職。4年ほど働くなかで、じわじわと自律神経が乱れ始め、睡眠障害と慢性蕁麻疹を発症してしまい、そんな時に東洋医学に出会いました。その後、気分転換のために海外旅行でスリランカを訪れて、アーユルヴェーダを体験。想像以上に心地よかったので、「アーユルヴェーダセラピストになりたい!」と思い、リラクゼーション業界の大手の店舗に3年弱勤務し、現在に至ります。
――Karunakaralaへの就職を決めた理由は?
施術がとても心地よかったからです。私は、代官山店をはじめ、スリランカのアーユルヴェーダスパ&リゾート、石垣島のフサキリゾート内スパ(2020年3月終了)のKarunakaralaがプロデュースしている全サロンで施術を体験しました。すべてのサロンで高い技術力を感じたので、「個人的に勉強していたアーユルヴェーダをここで生かせたら一番うれしいな」と思い、応募しました。
――将来の目標は?
自然が豊かな場所、週末にふらっと足を運べる日常を忘れられる場所などでセラピストとして活動をして、気軽なリフレッシュや深いリラックスをご提供したいと考えています。また、施術ルームのシェアやレンタルにより、たくさんのセラピストの方と交流することも目標です。「セラピスト自身の癒しにもつながれば、なおよいな」と思っています。ちなみに、今思い描いている夢の1つである、五感を心地よく刺激する施術部屋の一部はこんな感じです。
聴:天然のヒーリングサウンドが聴こえてくる。
味:食べると元気になるおいしいアーユルヴェーディックご飯。食材本来の味が生きていて、身体を労わる料理です。
嗅:ハーブやスパイスやアロマの香りで心地よさを倍増。
触:環境にも肌触りもよいこだわったリネンを揃える。
視:起き上がった時に自然の風景が広がる・心が穏やかになるようなお部屋。
採用担当のホンネから分かった3つのポイント
1. お客さまをはじめ、身近にいる魅力的なセラピストにオファーを掛ける
2. 面接では柔軟な考え方を持っているかをチェック
3. 実技を通して、そのセラピストの力量を探る
施術を受けているとセラピストの性格が伝わってくるという唐澤さん。「穏やかな方の施術では温もりを感じますし、大胆な性格のセラピストはダイナミックに流してくれるのでスッキリしますね」と笑顔で話します。採用に悩んでいる人事の方は、Karunakaralaの採用方法を参考にしてみてはいかがでしょうか?
▽前編はこちら▽
本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【Karunakarala 唐澤由記さん】#1>>