ネイルで自宅サロンを開業したら月収はどれくらい?開業資金や売上をアップさせるポイントを紹介
「好きなことを仕事にしたい」「自分のペースで働きたい」と考える方にとって、自宅で開業できるネイルサロンは魅力的な選択肢のひとつです。しかし、気になるのはやはり月収や開業資金のリアルな部分。
そこで今回は、自宅ネイルサロンを開業した場合の収入の目安や、開業にかかる費用、収益をアップさせるポイントなどを詳しく解説します。ネイリストとしての独立を目指す方、求人を探している方にとっても、自分のキャリアを考えるヒントになるはずです。
自宅サロンのネイリストの給料とは

自宅サロンのネイリストとは、自宅を改装してネイルサロンを開業し、ネイリストとして働いている人のことです。
ネイリストとして独立開業を目指している人のために、ここでは自宅サロンのネイリストの給料についてご紹介します。
月給はどうやって計算する?
自宅ネイルサロンの月収は、ネイルサロンに勤務するネイリストのような固定給ではなく、自分の働き方やお客様の数によって変動します。
基本的な収入の計算方法は以下のとおりです。
お客様1人あたりの単価 × 来店者数 − 諸経費 = 月収
例えば、お客様単価が8,000円、1日2人を施術、月20日稼働する場合は、8,000円 × 2人 × 20日 ×(1 − 経費率10%)= 月収約28万8,000円です。もう一例を挙げると、単価1万円、1日1人、月25日稼働で経費が2割の場合だと、10,000円 × 1人 × 25日 ×(1 − 経費率20%)= 月収約20万円になります。
このように、施術単価・稼働日数・経費率が収入に与える影響は非常に大きく、どこをどう調整するかで結果は大きく変わります。
また、売上のうち1〜2割程度が材料費や光熱費などの経費として差し引かれることも念頭に置いておきましょう。自分のライフスタイルや目標収入に合わせて、価格設定や営業日を工夫することが、収入を安定させるポイントです。
自宅でネイルサロンを開く際の開業資金は?

自宅でネイルサロンを開業する際に必要な資金は、ケースバイケースで異なりますが、一般的な目安は30万〜50万円前後とされています。ネイル道具や設備に加え、内装の改装費、資格取得費、広告費なども含まれるため、必要な支出をしっかり見積もることが重要です。
また、資格取得を含めると38万〜58万円程度、開業後の運転資金として8万〜30万円を準備しておくと安心です。
改装費
自宅の一室をネイルサロンとして活用する場合でも、ある程度の改装は必要です。特に、お客様を迎える空間としての清潔感や雰囲気づくりは重要で、壁紙の張り替えや照明の変更、収納スペースの確保などが代表的な改装項目となります。
改装費の相場は10万〜20万円程度が目安ですが、既存の内装を活かせる場合はもっと安く済むことも。インテリアに強いこだわりがなければ、必要最低限の手直しで十分サロンらしい空間を演出できます。
開業初期はコストを抑えることが経営安定のカギとなるため、内装に強くこだわりすぎず、サロンの雰囲気を損なわない範囲で工夫することが大切です。
設備・道具費
ネイルサロンを開業するには、施術に必要な機材や道具を一通り揃える必要があります。テーブルやワゴン、ライト、スツールといった設備に加え、ネイルマシンやジェル、ブラシなどの消耗品も含めると、設備・道具費の相場は20万〜30万円程度が目安です。
ただし、ネイルスクールに通っていた場合は、学習時に使っていた道具をそのまま活用できることもあり、初期費用を抑えられるケースもあります。
また、すべてを新品で揃える必要はなく、中古品や必要最低限の機材から始めることも可能です。無理のない範囲で計画的に準備しましょう。
資格取得費
自宅でネイルサロンを開業するにあたり、資格は必須ではありませんが、信頼性を高め、集客につなげるためにも取得しておくのがおすすめです。
特に「JNECネイリスト技能検定」と「JNAジェルネイル技能検定」は、多くのサロンで評価される資格です。
また、衛生面への配慮として「JNAネイルサロン衛生管理士」も取得しておくと安心です。
以下が、各資格の取得費用の目安です。
資格名 |
費用(一般) |
JNAジェルネイル技能検定(初〜上級) |
1万3,200円 |
JNECネイリスト技能検定(3〜1級) |
2万9,100円 |
JNAネイルサロン衛生管理士 |
1万1,000円 |
合計 |
7万9,700円 |
なお、講習や教材費が別途かかる場合もあるため、余裕を持った準備が必要です。
資格を取得することで、技術面だけでなく安心感や信頼性のアピールにもつながります。
引用元
NPO法人 日本ネイリスト協会|JNAジェルネイル技能検定試験
NPO法人 日本ネイリスト協会|ネイルサロン衛生管理士講習会
公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター
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運転資金
自宅ネイルサロンを開業する際は、初期費用だけでなく、開業後に必要な運転資金も忘れずに準備しておくことが大切です。運転資金には、光熱費や消耗品費、通信費、広告費、家賃の一部、さらには生活費の補填など、さまざまな支出が含まれます。
売上が安定するまでには数ヶ月かかるケースもあるため、最低でも2〜3ヶ月分、目安としては8万〜30万円程度の資金を見込んでおきましょう。
想定より集客に時間がかかった場合でも、余裕をもって営業を続けるための重要な役割を果たします。開業後の不安を軽減し、事業を継続していくための土台となる資金として考えておきましょう。
広告費を抑えるにはSNSの活用がおすすめ
新規顧客開拓には、宣伝が必要不可欠です。宣伝の仕方には、テレビや新聞、チラシ、WEBサイトなどがありますが、費用を抑えるならSNSがおすすめ。
テレビや新聞などは費用が高いだけでなく、見逃されてしまったら終わりです。SNSは費用が安く、検索でヒットすれば引き続き多くの人に見てもらえ、広告も数百円から掲載できます。
サロンでのお仕事と自宅開業では、どちらの年収が高い?

サロンで実務経験を重ね技術を磨くことで、ネイリストの収入は確実にアップしていくでしょう。「手に職をつける」という言葉がぴったりのネイリスト。
2~3年の経験でも、技術が向上したりお客様が増えたりといった実績を積み上げていくことで、収入が大きく増える人もいるようです。4~5年くらいの実績を積んで、売り上げ増加への貢献をすれば、店舗責任者などのポジションを任されることにもなります。
店長クラスになれば、月収にして約30万~40万円、それに歩合給が加わることで年収400万円程度が期待できることも。
自宅で開業し自身が経営者になった場合は、お客様がたくさん来店するサロンになれば、売り上げは全部自分のものになるため、収入の上限はありません。
ただ、利用する人がいなければ収入がないという厳しさがあります。必要経費があるため、マイナスにもなりかねません。
そんな事態を避けるには、固定客がつくような人気店になるよう経営の工夫をしたり、デザインに独自性をもたせたり、センスを磨いたりなどの努力をすることが必須です。
ネイリストの給料は、働き方やキャリアによってかなりの違いがあり、自宅で独立開業すると売り上げのほとんどが収入になるため、収入自体はアップすることが多いです。とはいえ、自宅サロンを開いても仕事がなければ収入はゼロなので、必ずしも自宅サロンのほうが収入が多いというわけではありません。
以下のページでは、子育てとの両立のためにはじめた自宅サロンを人気店にさせたネイリストの方にインタビューを伺いました。自宅サロンを開業しようと考えている人は、参考にしてみるとよいでしょう。
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独立後のネイルサロンのスタイルは多種多様

ネイリストとして技術を磨くことは素晴らしいことですが、独立開業をすればさらに違う経験を積むことが可能です。
独立後のネイルサロンのスタイルは自由度が高く、さまざまなスタイルのなかから自分に合ったものを選べるでしょう。ここでは、おもなスタイルを実例とともにご紹介します。
ネイルスクールを開講する
ネイルスクールを開講すれば、技術を教えて新しいネイリストを育成できます。ネイルスクールであれば、ネイルサロンにネイルスクールを併設し、ネイルサロンを続けながら空いた時間に講義をおこなうことも可能です。
また、ネイルスクールをネイルサロンに併設すると、予約のない時間を有効活用できるメリットがあります。
以下のページでは、ネイルスクールを開講した人の実例を記載していますので参考にしてみるとよいでしょう。
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のんちゃん先生から学ぶ! ネイリスト講師としてのキャリアアップ術
経営者としてネイルサロンを運営する
ネイルサロンを運営するには、経理・人材育成・集客のための広告なども必要です。ネイリストは施術をするのがメインの仕事ですが、経営とネイリストの両立はかんたんではありません。
独立開業を機に経営者に専念し、お客様に提供するサービスを考えたり、多店舗展開を図ってビジネスを大きくしたりするのも選択の一つです。
以下のページでは、ネイルサロンの経営者としてキャリアアップした人の実例を記載しているので、気になる人はあわせて読んでみてください。
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未経験からオリジナルコンセプトで挑む
ネイルサロンの開業はネイリストがそれまでの経験を活かして、独立開業するパターンが一般的ですが、すでにオリジナルコンセプトがあって、未経験からいきなりネイルサロンをオープンしている人もいます。
独立開業するにはネイルの知識だけでなく、経営やマーケティングの知識も必要なので、未経験でもビジネスを成功させられる可能性は十分あります。
以下のページでは、未経験からネイルサロンをオープンさせた人の実例を記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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自宅ネイルサロンの売上をアップさせるポイント

ネイルサロンの店舗数は増加傾向であり、今後は競争が激しくなる可能性があります。自宅ネイルサロンの売上をアップさせるためには、顧客獲得のための取り組みや、他店にはない独自の強みを持つことなどが鍵となります。
以下で4つのポイントを解説するので、詳しく見ていきましょう。
SNSの発信を積極的におこなう
多くの人にネイルサロンを知ってもらえば、それだけ利用してもらえる可能性が高くなります。集客力をアップさせるためにTwitterやLINE、InstagramなどのSNSを積極的に活用しましょう。情報発信にSNSをおすすめするおもな理由には、以下のようなものがあります。
・拡散力が高い
ホームページと比較すると、SNSのほうが拡散力に優れています。
・費用が安い
広告チラシやクーポンを作成するには印刷代がかかりますが、SNSは費用をかけずに広告チラシとクーポンを配布できます。
固定客を獲得する
ネイルは定期的にお手入れが必要なので固定客を獲得できれば、安定した収入が得られるため、サロンの経営もうまくいくでしょう。固定客を獲得する方法には、次のようなものがあります。
・ポイントカードを導入する
利用するたびにポイントが貯まり、特典があると続けて利用してもらいやすくなります。ポイントカードを導入する際は、特典を明記し、利用頻度に応じたポイント制にするとさらに効果的です。
・来店サイクルに合わせてお知らせをする
来店する周期を把握しその時期にお知らせ送り、来店を促します。顧客一人ひとり手動で送信するのは大変ですが、アプリを使えば自動送信が可能です。
他店との差別化
同じようなネイルサロンであれば、多くの人は少しでも安いところを選びますが、そこにしかないサービスであれば多少高くても利用するでしょう。サービスや接客で他社との差別化を図れば、固定客が獲得しやすく、料金も高く設定できます。
どのように差別化したらよいかわからないという人は、ひざ掛けを用意する、直筆のメッセージを送るなど比較的かんたんなことからはじめてみましょう。
ネイルのスキルを上げる
自宅ネイルサロンで顧客満足度を高め、売上をアップさせるためには、高いネイルスキルが求められます。そのため、常にネイルの技術を磨き続けることが大切です。
ネイルスキルを挙げる方法には、ネイルスクールに通う、ネイルの資格を取得するなどがあります。
また、他のネイルサロンで経験を積むのも有効な手段です。他店に就職することにより、ネイルの技術だけでなく接客や経営に関する知識が身に付き、自宅ネイルサロンの経営に役立つでしょう。
自分にあったネイルサロンに就職するには?ネイリストの求人を探す方法

ゆくゆくは自宅ネイルサロンを開業したいと思ってはいても、まずは他のネイルサロンで経験を積み、スキルを磨きたいと考える方もいるでしょう。
以下では、ネイリストの求人を見つけるための2つの方法を紹介します。
また以下の記事では、未経験OKの求人を出しているネイルサロンの探し方を詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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未経験でネイリストになるには?未経験OKのサロンを探すポイントや探し方を紹介
就職・転職エージェントを利用する
ネイリストの求人を探す手段の1つが、就職・転職エージェントの利用です。就職・転職エージェントに登録すると、専門知識をもったアドバイザーから、希望に合ったネイルサロンの求人を紹介してもらえます。
さらに、履歴書・職務履歴書の作成のサポートが受けられるほか、ネイルサロン業界の内部事情や非公開求人を教えてもらえる可能性もあります。
自宅ネイルサロンを目指す第一歩として、自分に合ったネイルサロンで経験を積むために、就職・転職エージェントの利用を検討してみましょう。
求人サイトを利用する
求人サイトを利用すると、自宅から通いやすいサロンや副業・WワークOKなど、希望条件に合ったサロンを簡単に見つけられます。またさまざまな求人を比較・検討できるのも、求人サイトのメリットです。
自分にぴったりのネイルサロンを探したいなら、美容業界に特化したリジョブの活用がおすすめ。ネイリストの求人が豊富なだけでなく、駅近・託児所あり・研修制度ありなど、細かい条件設定ができるので、ぜひ検索してみてください。
ネイルサロンの求人を探すポイント

自宅ネイルサロン開業の夢を叶えるための第一歩となる、ネイルサロンへの就職。自分に合うネイルサロンを見つけるためには、求人内容を丁寧に確認する必要があります。
以下では、ネイルサロンの求人を探す際のポイントを3つ紹介します。
未経験で応募できるか
実績作りを目的とした就職を考える場合には、ネイル業界未経験でも応募できる求人を探しましょう。
ネイリストの求人は経験者優遇が多く見られますが、未経験者歓迎の求人も少なくありません。例えば美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」では、約1900件のネイリストの求人のうち、約800件が未経験者歓迎の求人です。
未経験者歓迎の求人には、未経験者でも有資格者ならOKや、無資格でも可などの条件があるので、詳細をよく確認しましょう。
実習や研修制度の充実度
未経験者を積極的に採用しているネイルサロンでは、入社後に実習や研修が受けられるケースがあります。研修制度が充実しているところであれば、働きながら効率的にネイルスキルを習得できるでしょう。
さらに、資格取得のサポートや、研修中の道具の貸与を行っている場合もあります。
なお、研修やサポートの内容は各サロンにより異なるため、事前にチェックしておきましょう。
給与や福利厚生
ネイルサロンの求人を探す際には、給与や福利厚生も確認しましょう。待遇面は働きやすさやモチベーションに影響する可能性があるため、納得できる条件の求人を選ぶことが大切です。
例えば、研修中の給与や社会保険・交通費などの福利厚生の詳細はよく見定める必要があります。
なお、求人検索サイト「リジョブ」に掲載されているネイリストの給与は、以下の通りです。
正社員 |
月給下限 |
月給上限 |
スタッフ |
216,858円 |
385,124円 |
店長(候補) |
249,620円 |
410,649円 |
講師 |
245,472円 |
398,903円 |
アルバイト |
時給下限 |
時給上限 |
スタッフ |
1,136円 |
1,569円 |
店長(候補) |
1,154円 |
1,508円 |
講師 |
1,278円 |
2,053円 |
※2025年4月現在
求人を探す際には、上記の平均額を参考にしながら、ネイル用の道具や材料などの支給があるかもチェックしておくのがおすすめです。
ネイリストの就職活動で気を付けたいポイントは?

ネイリストの就職活動では、良い印象を与える履歴書を作成するのはもちろん、履歴書の提出時や面接時のマナーも押さえておく必要があります。
また、なぜネイル業界で働きたいのか、なぜそのサロンを志望するのかも、明確に伝えられるよう準備しましょう。そして、自分の強みやスキルをアピールするための自己分析も欠かせません。
以下の記事では、履歴書の書き方や自己PR・志望動機の例文・面接時のマナーなどを詳しく紹介しています。しっかりと準備をして、就職活動をスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。
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自宅ネイルサロンの月収をアップさせるために経験を積もう

自宅ネイリストは、柔軟な働き方ができ、気軽に始めやすいという魅力があります。ただし、必ずしも自宅での開業がうまくいくとは限らず、経営が軌道に乗るまでは収入がゼロになるケースもあるでしょう。
自宅ネイルサロンを成功させるためには、ネイリストとしての経験を積んでスキルを磨き、接客や経営のノウハウを学ぶ必要があります。そのため、まずは他のネイルサロンへの就職を検討しましょう。
ネイルサロンへの就職を考える場合には、リジョブの活用をおすすめします。美容業界に特化した求人サイトであり、未経験から始められるネイリストの求人も豊富です。
リジョブで理想の求人を見つけ、ネイリストとしての技術や知識を磨き、自宅ネイルサロンの開業を目指しましょう。
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