美容師に必要な資格とは?受験資格を得る方法や卒業後の進路・仕事に役立つ資格も紹介

お客様の髪のカット・パーマ・カラーを担当したり、ときにはヘアセットや着付け、メイクなども行う美容師。「美」のカリスマとして、知識や技術だけでなく、センスを活かして施術を行います。

そんな美容師は人気の高い職業の中の一つです。しかし、学校に通って資格を取得したいと考えていても、どのように何の資格を取得すればいいのかわからないという方もいるでしょう。

今回は美容師になるために必要な資格や資格取得ルート、美容師の業務の幅を広げられるおすすめの資格・年収・将来性・向いている人の特徴について紹介します。資格取得後の進路についてもお伝えしますので、参考にしてください。

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美容師になるには資格が必要なの?

美容師は流行の最先端でときに流行そのものを作ることもある、男女のヘアスタイルを作る華やかな職業です。トレンドやファッションに敏感な若者が憧れる仕事の一つであるともいえます。

しかし、美容師が行う施術は、美容師免許を取得したものしか営業できないと法律で定められており、美容師免許の取得が必須です。以下に詳しく解説します。

美容師になるには美容師免許の取得が必須!

美容師になるためには、厚生労働省が定めた課程を修了したのち、国家試験を受けて合格しなければなりません。そのため、国家資格である美容師免許を持たないものがカットやカラーなどの施術を行うことは、法律で禁止されています。

お客様の体に直に触れる仕事であることから、公衆衛生の観点からもその知識を認められた者、つまり美容師免許を取得していることが必須の条件です。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|美容師 – 職業詳細
厚生労働省|美容師法の概要

美容師の国家試験とは?

上述したように美容師は国家資格であり、美容師として活動するためには美容師の国家試験に合格し、登録を済ませる必要があります。ここからは美容師の国家試験に必要な受験資格や、資格取得に必要なことを紹介していきます。

美容師国家試験は年に2回行われており、直近では令和7年2月1日に第51回美容師国家試験の実技試験が実施される予定です。

引用元
理容師美容師試験研修センター|第51回美容師国家試験受験案内

どんな試験を受けるの?|実技試験・筆記試験

美容師の国家試験では、実技試験と筆記試験があります。実技試験では、モデルウイッグの状態・頭髪・手指・爪の清潔・作業衣の状態など「衛生上の取り扱い」の審査をはじめ、そのモデルウィッグを使用した第1課題・第2課題を実施。

第1課題はカッティングを、第2課題はオールウェーブセッティングあるいはワインディングのいずれかです。

筆記試験の科目には、関係法規や衛生管理、香粧品化学、美容技術理論などがあります。

なお、実技試験に必要なモデルウィッグなどは持参します。用具類は消毒済みで規格に適合したものを持参しましょう。

引用元
理容師美容師試験研修センター|理容師・美容師実技試験審査マニュアル
理容師美容師試験研修センター|衛生実技試験審査マニュアル

合格率はどれくらい?

令和6年度に実施された第50回美容師国家試験の合格率は55%です。過去の合格率を見てみると、第49回では86.5%、第48回では59.7%、第47回では88.5%とバラつきがあるのがわかります。

理由のなかには、春期に行われる奇数回は、養成施設の昼間過程卒業生が受験することと、偶数回である秋期に受けた通信過程の不合格者が、春期に再挑戦する場合が多い点があげられます。

しっかりと試験に向けて準備し、慌てずに力をだしきることに専念しましょう。

引用元
理容師美容師試験研修センター:過去の試験実施状況

美容師国家試験の受験資格を得るには?

美容師国家試験の受験資格を得るためには、高校や大学・短大・専門学校を卒業後、美容師養成機関で学ぶ必要があります。修業期間は、昼間・夜間課程が2年以上、通信課程は3年以上です。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|美容師 – 職業詳細

1. 昼間課程で学ぶ

美容師法第四条で「美容師試験は、都道府県知事の指定した美容師養成施設において厚生労働省令で定める期間以上美容師になるのに必要な知識及び技能を修得したものでなければ受けることができない」とあります。

その課程の一つが、昼間に美容専門学校に通うことで、期間は2年以上と定められています。「美容学校」という名称であっても、厚生労働省が認可した学校でなければ認められないため、注意が必要です。

引用元
e-Gov法令検索:美容師法

高山美容専門学校

美容師国家試験の受験資格を取得できる昼間課程の美容専門学校を一校、紹介します。

高山美容専門学校はなんと美容師国家資格取得率が6年連続、驚異の100%を誇ります。一年次には美容の基礎をじっくりと学び、二年次からは目標を決めてより深く専門知識を学ぶことが可能です。

美容師免許と一口にいってもその専門性は広く、ヘアカットだけにとどまりません。マツエクや着付け、メイクアップアーティストなど選択授業で将来に向けたより実践的な部分を身に付けることもできます。

昼間に学校が通える環境であれば、美容専門学校で学ぶのが確実でしょう。

高山美容専門学校

2. 夜間課程で学ぶ

日中仕事をしている場合などは、美容専門学校の夜間課程を受講する方法があります。夜間とはいえ、昼間課程と同じ内容を対面で学ぶことができるのがメリットです。

専門学校の費用を自分でまかなわなくてはならず、生活のために収入が必要な方でも働きながら学ぶことができるのは助かりますね。

日本美容専門学校|夜間部

日本美容専門学校には、夜間部専門科があります。昼間部のヘアクリエイティブコースと同様の内容を2年かけて学べるコースです。美容師としてのスキルや知識だけでなく、感性や創造力を磨き、接客スキルを学べるカリキュラムが魅力です。

日本美容専門学校:夜間部専門科

3. 通信課程で学ぶ

昼間・夜間課程で通学するのが2年で修了するのに対し、通信課程では3年です。昼間・夜間課程と同じ内容を自宅学習で勉強します。

定期的にレポートを提出するのが基本ですが、スクーリングで技術を学ぶ機会も。仕事や学校に通いながら自分のペースで勉強でき、費用も安く抑えられるのがメリットです。

通信課程のメリットや概要をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

働きながら美容師免許を取得するには? 通信課程のメリットと注意点|おすすめの通信課程を紹介

真野美容専門学校|通信課程

通信課程の一例として、真野美容専門学校を紹介します。

100年以上の歴史を持つだけあって、全国600社から2,000件以上の求人があり、就職内定率は100%とサロンの就職にも強いのが特徴です。通信課程でも担任制で、わからないことなどをすぐに解決できる心強い体制も整っています。

3年間のカリキュラムで、美容サロンに通いながら年間3シーズン、学校で国家試験対策の勉強をする機会があり、試験直前には集中講座も受けられるなど合格に向けたサポートが万全です。

真野美容専門学校:通信課程

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卒業後の進路は?美容師のおもな就職先

ここからは、美容師国家試験に合格し、美容師養成施設を卒業したあとの進路について、代表的な就職先を4つ紹介します。

美容室・ヘアサロン

美容師免許取得後の就職先としてもっとも多いのが、美容室やヘアサロンです。しかし一口に美容室といっても、チェーン展開しているような有名な大型サロンや個人店など、活躍の場はさまざま。

美容室やヘアサロンで働く人のなかには、ある程度現場経験を積んでから、自分でお店を開く人もいます。

トータルビューティーサロン

美容師養成施設卒業後の進路として、トータルビューティーサロンも人気です。

トータルビューティーサロンは、カット・パーマ・カラー・ヘアセットに留まらず、お客様の美容に総合的に携わります。ネイルやエステ・まつエクなど幅広いサービスを提供しているのが特徴です。

ネイルやエステの施術には、必須資格がありません。また、まつエクは美容師免許があれば施術が認められています。しかし、それぞれ美容師とは別の知識や技術が必要となるため、ほかの民間資格を取る人が多いです。

関連記事
トータルビューティーサロンとは? トータルビューティシャンを目指すには?

結婚式場

美容師免許を活かして、結婚式場で働く人もいます。結婚式場では、新郎新婦や参列者のヘアセットやメイク、着付けなどを担当。お客様の晴れの日に携わることができる、魅力的な職場です。

ヘアメイク事務所

ヘアメイク事務所で働く美容師の仕事は、テレビや映画・広告などに出演する人のヘアメイクを担当することです。「ヘアメイクアーティスト」と呼ばれることもあります。

現場のコンセプトやクライアントの要望・お客様の顔立ちなどにあわせて、ヘアセットやメイクを施すため、技術だけでなく表現力も必要です。

美容師に向いている人とは?

美容師を目指そうとする時に、「自分に美容師という職業は向いているのだろうか」と悩んでしまう方もいるのではないでしょうか?美容師に向いている人の特徴を知って、自分が美容師として働く際の具体的なイメージを思い描いてみましょう。

美容師に向いている人に関する詳細については、下記の記事で紹介しています。
美容師に向いている人とはどんな人?美容師に必要なスキルについても紹介

1. トレンドに敏感で美容やファッションが好きな人

世間の流行に敏感で、ヘアスタイルやファッションなどに興味関心がある人は美容師に向いています。日頃からトレンドを追っていてヘアスタイルやファッションの流行に詳しいと、その時々でお客様にとってぴったりなヘアスタイルを提案し、満足度の高いサービスを提供できる可能性が高いです。

トレンドを追うことが好きで、日々のサービスに活かせる方が美容師に向いています。

2. コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人は、美容師としての適性が高いです。美容師はお客様が希望するヘアスタイルを聞き出し、ベストなヘアスタイルを提案する必要があり、コミュニケーション能力の高さは美容師にとって重要な要素だといえます。

また、円滑なコミュニケーションをとることで、お客様にとって気持ちのいいサービスを提供することができ、指名の獲得につながる可能性も高いでしょう。

美容師の年収・給料はどれくらい?

美容師を目指すうえで、やはり気になるのは年収や給料ではないでしょうか。厚生労働省運営の「job tag」によると、美容師の平均年収は379.9万円です。また、ハローワークの求人賃金(月額)は、26.4万円とされています。

美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」でも、美容師の求人を豊富に掲載。リジョブの給料データをもとにした、アシスタントとスタイリストの給料は以下の通りです。

アシスタント 下限 上限 平均
正社員(月給) 202,215円 265,489円 233,852円
アルバイト

(時給)

1,067円 1,338円 1,203円
業務委託(月給) 266,556円 546,670円 406,613円

 

スタイリスト 下限 上限 平均
正社員(月給) 231,753円 410,359円 321,056円
アルバイト

(時給)

1,079円 1,285円 1,182円
業務委託(月給) 269,562円 441,368円 355,465円

※2024年1月現在

下限と上限で差があるのは、経験年数やスキル・地域などさまざまな要因が考えられます。

引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|美容師 – 職業詳細

美容師の将来性は?

現段階で美容師の業務の機械化は難しく、スキルが高い美容師のニーズが激減することはないと考えられています。機械化できる業務として考えられるのは、カット後の髪の毛を集めるためのロボットの導入程度で、メイン業務が代替される可能性は低いでしょう。

高齢化社会の日本では、要介護が必要な方の施設や自宅を訪れて、美容業を行う福祉美容師という働き方も注目されています。

また、日本人の美容スキルは海外で高く評価されており、国内で働くよりも高収入を得られる可能性もあります。そのため、語学力を身につけて、海外で美容師としてのキャリアを積むのもおすすめです。

こういった点からも、今後の将来性が期待される仕事だといえます。

美容師の将来性に関する詳しい内容については、下記の記事も参考にしてみてください。
美容師の仕事に将来性はある?時代に合った働き方のためのポイントも紹介

美容師だけじゃない! 美容師免許を活かせる仕事とは

美容師免許を取得して活躍できる仕事は美容師だけではありません。まつエクの施術も美容師免許がないとできないため、アイデザイナーとしての活躍もできます。またヘッドスパニストやヘアメイクアップアーティストなど活躍の場を広げることも可能です。

美容師免許を活かせる他の職種について、詳しくは以下の記事でも紹介しています。
美容師免許が役立つ職種とは?独占業務や資格を活かせる仕事を解説

仕事の幅を広げよう! 美容師の仕事に役立つ資格とは

近頃は一つの美容室の中でヘッドスパやまつエク、ネイルなどの施術を受けられるサロンも増えており、美容の世界でトータルビューティー化が進んでいます。

そこで、ここからは美容師免許だけでなく、あわせて持っていると多くのサロンで重宝され活躍の場が広がりやすい資格や、取得のメリットを紹介していきます。

美容師におすすめな資格に関しては、下記の記事も参考にしてみてください。
美容師におすすめな資格の種類とは?仕事の幅が広がる資格を紹介!

1. 管理美容師

美容師法では、従業員が2人以上いる美容所に管理美容師免許を取得した人員の配置を義務づけています。管理美容師は、主にサロンの衛生管理と安全管理を担います。

ハサミなどを扱う業務であることから、感染症の知識などを持った者がしっかりと衛生的に管理する必要性があるためです。

管理美容師免許を取得するためには、まずは美容師としての実務を3年以上こなす必要があります。3年以上の実務経験を経たのち、県が指定する講習を18時間受講することで取得できます。

管理美容師の資格取得について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
管理美容師の免許とは? 資格取得に必要な2つの条件や将来性、廃止のウワサなどについて解説

引用元
e-Gov法令検索:美容師法
厚生労働省|理容師・美容師制度の概要等について
厚生労働省|管理理容師資格認定講習会及び管理美容師資格認定講習会の指定基準の運用について

2. 着付け技能検定

着物の着付けのみを行う場合は、特に取得必須の資格はありませんが、資格を持っていた方が就職に有利だったり、技術力の向上に繋がったりするためおすすめです。

着付け技能士は国家技能検定で、1級と2級があり、受験するにはどちらも実務経験が必要ですが、美容師免許を持っている人は2級の実務経験2年が免除されます。

試験は学科と実技があり、学科試験に合格したのち2年以内の実技検定試験に合格する必要がありますが、条件によっては学科試験が免除される場合もあります。

引用元
全日本着付け技能センター
全日本着付け技能センター|試験科目と範囲
全日本着付け技能センター|試験免除について

3. ネイリスト技能検定

先述したように美容室の一角でネイルを施術するサロンも増えており、ネイリストの資格を持っていると強みになることも多いです。

ネイリストは無資格でも施術することはできますが、ジェルネイルのトレンドやリペアの方法など、専門知識も必要です。お客様にとっては資格を持っているネイリストの方が安心できるでしょう。

ネイリストの民間資格はいくつかありますが、ネイリストとしての知識や技能がしっかり身についていることの証明になる、ネイリスト技能検定試験がおすすめです。

ネイリスト技能検定試験の概要や資格取得のための講座などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ネイリスト技能検定とは? 試験概要を紹介|3級受験のおすすめ対策を紹介

引用元
日本ネイリスト検定試験センター|ネイリスト技能検定試験とは

4. 色彩検定

ブルべやイエベといったパーソナルカラーも常識となりつつありますが、色にまつわる知識も美容師にとって強みとなります。色彩検定は「色」についてさまざまな知識や技能を理論的に学び、実践に活かすことができる資格です。

色に関する知識はヘアカラーだけでなく、ネイリストとしても活かすことができ、メイクなどのアドバイスにも役立つでしょう。

引用元
色彩検定協会|色彩検定とは 〜色彩って面白い〜FEATURE

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以下の記事でサロン選びのポイントをおさえて、求人をチェックしてみてください。
美容師として就職する際のサロン選びのポイントは?就職先の探し方や採用されるために必要な準備も紹介

美容師になるには国家資格が必須!プラスアルファの資格で仕事の幅を広げよう

美容師になるためには国家資格が必須です。美容師の技術は機械化が難しく、この先も需要が激減することはないとみられています。

また、美容師免許によって、就職先の選択肢が豊富になるのも魅力。美容業界の職業なら、多くの場合で美容師免許が役立ちます。プラスアルファの資格を取得して、さらに仕事の幅を広げるとよいでしょう。

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