ヘアスタイルの魅力を伝えよう! 美容師が知っておきたい撮影技術まとめ
プロに依頼しても、必ずしも満足のいく写真を撮ってもらえるとは限りません。近年カメラは飛躍的に進化を遂げ、カメラの知識の乏しい初心者でもキレイな写真が簡単に撮れるようになりました。今回は、美容師がヘアスタイル写真を上手に撮影するために必要なテクニックをご紹介いたします。写真撮影のスキルを身につけて撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
先駆者に聞く! ヘアスタイルの魅力を伝える撮影術とは?
ヘアスタイルの写真はモデルをキレイに撮影するだけでなく、髪型の魅力と美容師が持つ独自の技術を伝える必要があるので高度な撮影技術が問われます。しかし、撮影のポイントをおさえれば、初心者でもプロ顔負けの写真を撮ることが可能です。
今回はヘアスタイル撮影の先駆者が惜しみなく教えてくれたヘアスタイルの魅力を伝える撮影技術をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
キレイな写真で印象UP! 美容師の撮影技術とポイントまとめ
ヘアスタイル写真は髪の長さやシルエットだけでなく、カラーや髪の動きなども重要なので、キレイな写真でなければヘアスタイルの魅力を余すことなく伝えることは難しいです。だからといってプロに依頼しなければないというわけではなく、高性能なカメラを使い撮影するときのポイントをおさえれば、初心者でも好感度の高い写真を撮ることができます。ここでは、美容師の撮影技術と上手に撮るためのポイントを確認しておきましょう。
カメラとレンズにこだわってみる
写真撮影では撮影技術とセンスが大事ですが、キレイな写真を撮るためにはカメラやレンズをこだわって選ぶこともポイントのひとつです。そもそもカメラとレンズは被写体によって向き不向きがあるため、ヘアスタイルの撮影に合ったカメラとレンズを選ばなくてはいけません。
ヘアスタイルの撮影にはポートレート向けの一眼レフカメラと単焦点レンズが適しています。また、人物を撮影するときは背景のぼかしが重要なので、開放F値の低いレンズを搭載したモデルが好ましいです。
カメラの設定をチェックしよう
カメラの撮影モードには、オートモードとマニュアルモードがあります。オートモードは、すべて自動で設定されるので、シャッターを押すだけで初心者でもキレイに写真を撮ることが可能です。
一方、マニュアルモードでは設定は自分でおこなうため、初心者には扱いにくいかもしれませんが、操作に慣れれば微妙な設定ができるので幅広い表現が可能となります。マニュアルモードが難しい方には、絞り値とシャッタースピードのみ設定されるPモードがおすすめです。
スタジオを使って撮影してみよう
肌に光を当てて撮影すると肌がキレイに写るので、ポートレート写真にライティング機材があると便利です。ライティングには、ストロボ、ラジオスレーブ、ソフトボックス、アンブレラ、レフ板などを揃えなくてはいけないので、お金がかかるだけでなく自宅で保管するためにスペースが必要となります。
もっと気軽に機材を使いたいのであれば、レンタルすることも可能です。レンタルスタジオならライティング機材が借りられるだけでなく、ブースや衣装も借りられるので、少ない費用でいろいろな写真を撮影できます。
屋内や屋外、いろいろな場所で撮影してみよう
屋外と屋内の撮影では同じ髪型のモデルの写真でも、光の具合や背景が異なるので違った雰囲気に仕上がります。それぞれメリット・デメリットがあるので、髪型のイメージや撮影のしやすさなどを考慮して、屋外撮影と屋内撮影を使いわけるとよいでしょう。
屋外撮影のメリットは、太陽の日差しの下で奥行きのある場所で撮影できるところです。天候には左右されてしまいますが、明るく開放的な写真が撮影できます。一方、屋内撮影は同じようなカットの写真になりがちですが、ヘアスタイルが崩れる心配もないので撮影はしやすいです。
自然光の取り入れ方をマスターしよう
自然光だけでもじゅうぶんキレイな写真が撮れますが、光がないと暗い写真になりますし、強すぎれば影が濃くなってしまうので、自然光の取り入れ方はマスターしておきましょう。屋内で撮影するときは、自然光が多く入る南向きの部屋を選びます。直射日光が当たると白飛びしたり、影の部分が濃くなってしまったりするので、カーテンや薄い紙などを窓ガラスに貼って自然光をやわらかくしてください。
屋外では光の向きによって、順光・サイド光・逆光がありますが、ポートレートの写真を撮影するときは少し斜め気味の半逆光がよいでしょう。肌をもっと明るく写したい場合は、レフ板を使って光の調節をおこないます。
ヘアスタイルに合った衣装を選ぼう
ファッションは髪型と洋服のバランスが重要なので、撮影では髪型にマッチし、雰囲気を損なわない衣装を選ぶことが大切です。オフィスヘアアレンジならスーツ、パーティーヘアならドレス、休日のヘアスタイルならカジュアルな服装など、おすすめのシーンがわかりやすい服装にすると見ている人もやってみたい髪型が選びやすくなります。
また、着ている服装の色で肌の写り方も異なってくるので、モデルの似合う色を見極めるためにパーソナルカラーについても学んでおくのもおすすめです。
メイクは少し濃いめに仕上げよう
ポートレートで写真写りをよくするにはモデルの顔にメリハリが必要なので、普段より少し濃いめにメイクをするとよいでしょう。とくにアイメイクとチークは、濃いめを意識しましょう。マスカラとアイラインで目の周りをくっきりさせ、チークもいつもの倍ぐらい入れてください。口紅やアイシャドウを濃くすると派手になりがちなので、普段どおりでかまいません。
また、地肌より暗いファンデーションの色では肌はくすんで見えてしまうので、ファンデーションは少し明るめのものを選びましょう。
ヘアスタイルはこまめに直そう
モデルにポージングをしてもらうことで、さまざまな構成の写真が撮れますが、ヘアスタイルによっては崩れてしまうこともあります。ヘアスタイルが崩れると髪型の魅力がうまく伝わらなくなるだけでなく、後れ毛がでてしまうと疲れた印象になりがちです。
とくに屋外では風や雨の影響もあるので対策が必要ですが、ハードスプレーやワックスで固めてしまうと自然な髪の毛の動きを表現できなくなるのでおすすめできません。むしろ髪型が崩れるのを想定し、あえて手直しがしやすい緩めに固めておき、崩れたらその都度こまめに直すようにしましょう。
背景と被写体のバランスを考えよう
写真撮影では背景とモデルのバランス、構図がとても重要です。もっとも基本的な構図は「日の丸構図」で、モデルを写真の真ん中に配置します。背景とモデルのバランスは取りやすいですが、同じようなカットになりやすいです。
次によく使われるのが「三分割法」で、写真の縦と横に3本線を引いて均等に分割し、線が交わるところにモデルを配置する方法です。モデルの位置を変え、余白のバランスを変えることで幅広い表現が可能になります。
季節感を意識して撮影しよう
カールがキレイに出やすい湿気の多い時期はパーマ、暑い夏は涼しげなショート、お呼ばれの多い年始年末はパーティーヘアなど、季節ごとにおすすめの髪型や顧客がチャレンジしてみたくなる髪型は違います。
そのため、ヘアスタイルの写真撮影でも、撮影前に写真を掲載する時期や季節を明確にし、その季節にあった髪型や衣装、雰囲気で撮影をおこないましょう。掲載時期がちょうど季節の変わり目になる場合は、次のシーズンに合わせた撮影をするのが一般的です。
サロンに合わせたテイストで統一しよう
サロンを繁盛させるには、どれだけリピーターを増やせるかがポイントになります。リピーターを増やすには、万人受けするサロンよりターゲットを絞りターゲットが好むテイストに統一するほうが効果的です。
そうすることで、ほかのサロンとの差別化を図り、顧客が望む質の高いサービスを提供できるようになるので、単価も高く設定できます。ヘアスタイルの写真も同様にターゲットの年齢のモデルを採用し、お店のテイストやイメージに合ったものに仕上げましょう。
撮影技術を磨いて素敵な写真を撮ろう!
一昔前のフィルムカメラとは違い、デジタルカメラなら撮った写真をすぐに確認できます。満足できなければすぐに撮り直せばよく、素人の方でも撮影技術を身につければ仕事用の写真でも撮影することも可能です。オンラインで学べるカメラスクールもあるので、カメラに興味のある方はこの機会に始めてみてはいかがでしょうか。