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特集・コラム 2023-10-13

障がい者を支援する仕事にはどんなものがある?障害者支援施設で働くのに必要な資格を一覧で紹介

障がい者支援といっても、施設や必要とされる資格はさまざま。障がい者を支援する仕事に関心を持つ人であっても、どこでなんの仕事ができるのか・どんな資格が必要なのか分からないという人もいらっしゃることでしょう。

この記事では、障害者支援施設で必要な資格について紹介します。資格については、各項目で詳しい情報が書かれた別記事も掲載しますので、ぜひあわせて確認してみてください。

障がい者を支援する仕事にはどんなものがある?

障がい者を支援する仕事には、介護やリハビリなど直接的なサポートをするものや、相談に応じて助言したり、必要な福祉サービスにつないだりするものなどがあります。

福祉に関わる人たちはさまざまな場所で働いていますが、障害者支援施設もそのひとつです。

障害者支援施設は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に則って運営され、施設によって役割や提供するサービスには違いがあります。

障害者支援施設の例
・居宅介護

・重度訪問介護

・施設入所支援

・同行援護

・行動援護

・計画相談支援

・自立訓練

・生活訓練

・児童発達支援

・放課後等デイサービス

・障害児入所支援 

など

引用元
e-GOV 法令検索:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

障害者支援施設で働くのに必要な資格一覧

障害者支援施設で働く場合、資格が必要とされることが多いです。なかには、国家資格や民間資格を取得していないとできない仕事も。ここからは、障害者支援施設で働くのに必要とされる資格・役立つ資格を紹介します。

障害者支援施設で

必要な資格・役立つ資格一覧

社会福祉士
精神保健福祉士
社会福祉主事任用資格
サービス管理責任者
相談支援専門員
理学療法士・作業療法士
言語聴覚士
義肢装具士
同行援護従業者
行動援護従業者
介護職員初任者研修・実務者研修
児童指導員任用資格・保育士など

社会福祉士

社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づいた国家資格で、福祉・医療・介護などの相談援助における専門家のことをいいます。

障がい者・高齢者・生活困窮者など、日常生活に困難を抱える人の相談に応じ、援助をおこなったり関係機関との情報共有やサービスの利用調整などをおこなったりすることが仕事です。

障害者支援施設では、生活相談員として自立訓練や就労支援に携わっていることもあります。

社会福祉士についての詳細は、こちらの記事をご確認ください。
社会福祉士とはどんな仕事?活躍できる職場や国家資格の取り方を紹介

引用元
厚生労働省:社会福祉士・介護福祉士等
全国社会福祉協議会:社会福祉士
e-Gov法令検索:社会福祉士及び介護福祉士法
公益財団法人社会福祉振興・試験センター:社会福祉士国家試験

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神保健福祉法に基づいた国家資格で、精神保健福祉における専門家のことです。

精神障がい者や心に病を抱える人の相談援助や日常生活支援のほか、社会復帰を目指すための訓練などをおこなったり、必要なサービスや公的支援制度を紹介したりする役割を担っています。

施設によって仕事内容には違いがありますが、ひとりひとりの状況に合わせた対応やサービスをおこなうのが特徴です。

精神保健福祉士については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
精神保健福祉士の仕事内容と資格についてご紹介!実務経験は受験資格の対象になる?

引用元
厚生労働省:精神保健福祉士について
全国社会福祉協議会:精神保健福祉士
e-Gov法令検索:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
公益財団法人社会福祉振興・試験センター:精神保健福祉士国家試験

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事任用資格とは、社会福祉主事として働くために必要な資格です。この資格を持っているだけでは社会主事を名乗ることはできず、実際に働き始めることで認められます。

社会福祉主事のおもな仕事は、障がい者・高齢者・生活困窮者などの相談援助です。障害者支援施設では施設長の役割を担ったり、生活相談員として働いたりすることもあります。

仕事内容や名称が似ていることから、社会福祉士と混同する人もいらっしゃるかもしれません。こちらの記事で社会福祉主事についてや、社会福祉士との違いについて紹介していますので、確認してみてください。
社会福祉主事とは? 社会福祉主事任用資格を取得する3つのメリットと取得方法を紹介

引用元
厚生労働省:社会福祉主事について
全国社会福祉協議会:社会福祉主事

サービス管理責任者

サービス管理責任者は、障害者総合支援法に基づいて、障害福祉サービスを提供する施設に配置義務があります。

その名の通り、施設のサービスに関する責任者として、利用者の支援プランの作成や職員の指導に加え、地域や行政と連携を図る役割を担っているため、5~10年に渡ってさまざまな業務経験が必要です。

こちらの記事では、サービス管理責任者の詳しい仕事内容や、サービス管理責任者になるための必要要件などを解説しています。
サービス管理責任者資格の要件とは?仕事内容と働ける場所について解説

引用元
厚生労働省:障害福祉サービスにおける サービス管理責任者について

相談支援専門員

相談支援専門員は、障がい者が自ら望む日常生活や社会生活を実現するための相談支援をおこなうソーシャルワーカーです。

障がい者やその家族の困りごとの相談内容に応じて、福祉サービスの利用計画と利用調整をおこなうほか、利用しているサービスのモニタリング・地域社会への移行や定着のサポートなどをおこないます。

相談支援専門員になる方法やさらに詳しい仕事内容については、こちらの記事をご確認ください。
相談支援専門員とは?仕事の内容やなるために必要な実務経験や研修について紹介

引用元
厚生労働省:計画相談支援のしくみ
日本相談支援専門員協会:協会について

理学療法士・作業療法士

理学療法士・作業療法士はどちらも国家資格であり、医療技術者として障がい者・高齢者・ケガをした人などのリハビリに携わっています。

理学療法士のおもな仕事は、身体機能の維持・改善・向上を目的としたリハビリをおこなうことです。

障害や症状などに応じた運動療法や物理療法を通じて、障害や身体機能の悪化を防いだり、基本動作(座る・立つ・歩くなど)の改善や向上をサポートしたりするほか、身の回りの環境を改善するための助言をします。

一方作業療法士の仕事は、心身機能や日常生活動作の維持・改善・向上から社会適応までを目的としたリハビリをおこなうことです。

ひとりひとりに適した作業療法を通じて、基本動作以外にも、家事や掃除などの応用的動作や、地域活動への参加・就労・就学など幅広いサポートをおこないます。精神障害を抱える人に対するリハビリがおこなえることも特徴です。

詳しくは、理学療法士・作業療法士それぞれの資格に関する記事をご覧ください。

理学療法士はこちら
理学療法士の仕事内容とは?働き方や活躍の場所、資格取得までのルートを紹介

作業療法士はこちら
作業療法士(OT)の仕事内容は?将来性や試験内容について解説

引用元
日本理学療法士協会:理学療法士とは
日本作業療法士協会:作業療法士ってどんな仕事?

言語聴覚士

言語聴覚士も理学療法士や作業療法士と同様、リハビリに関する国家資格のひとつで、話す・聞く・食べることに困難を抱える人を専門としています。

言葉によるコミュニケーションに困難がある人は、子どもから高齢者まで幅広く、言葉の発達の遅れ・聴覚障害・失語症・高度脳機能障害など、原因や対処法もさまざま。

言語聴覚士は、問題の本質や仕組みを明確にするための検査や評価をはじめ、必要に応じて機能の維持や改善を目的とした訓練・指導・助言などをおこないます。医師の指示に基づき、嚥下訓練や人工内耳を調整するのも仕事のひとつです。

言語聴覚士については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
言語聴覚士とは? 仕事内容や需要・将来性について紹介|言語聴覚士になるには

引用元
日本言語聴覚士協会:言語聴覚士とは

義肢装具士

義肢装具士は義肢装具士法に基づく国家資格です。ケガや病気などが原因で、身体の一部や機能を失ってしまった人が自立した生活を送れるようサポートするため、医師の指示のもと義肢や装具と呼ばれる福祉用具の型取り・制作・適合・調整をおこないます。

義肢は失われた手足の機能や形を復元するもの、装具は麻痺や変形など身体機能の補助と障害を軽減するものです。

必要となる義肢や装具は人によってさまざまで、身体の作りも違うため、ひとりひとりに合った義肢や装具を仕立てる必要があります。

義肢装具士になるための方法や、必要なスキルについてはこちらの記事でご確認ください。
義肢装具士になるための方法とは? 仕事内容や必要な能力を分かりやすく解説

引用元
e-GOV:義肢装具士法
日本義肢装具士協会:義肢装具士とは

同行援護従業者

同行援護従業者とは、重度の視覚障がい者の外出時における同行・移動に必要な情報の提供・移動の援護などをおこなう人のことです。

同行する際は代筆や代読をしたり、出先での食事や排泄の介護などをおこなったりするほか、適宜必要なサポートをします。

障害者総合支援法で同行援護について定められており、サービスを受ける対象となる人が重度視覚障がい者にしぼられているのが特徴です。

同行援護従業者については、こちらで詳しく解説しています。
ガイドヘルパーの同行援護とは? 同行援護従業者になる方法と資格取得のメリットを解説

引用元
e-GOV:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
厚生労働省:同行援護について

行動援護従業者

行動援護従業者は、知的障害がいや精神障害を抱える人に対し、行動するときに起こりうる危険を回避するためのサポートや外出時の援護をおこなう人のことです。

行動するうえでの危険から守るだけでなく、外出時に必要な介護(食事や排泄など)をおこなうほか、危険な行動を防ぐために移動先での行動を理解させたり、なにか問題が起きてしまった場合に対処したりと、さまざまな支援をします。

同行援護が視覚障がい者を対象としているのに対し、行動援護の対象は知的障がい者や精神障がい者であることが特徴です。行動援護についても、障害者総合支援法で定められています。

行動援護従業者の詳細はは、こちらの記事でご確認ください。
ガイドヘルパーの行動援護とは? 行動援護従業者になるための方法を解説!

引用元
e-GOV:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

介護職員初任者研修・実務者研修

介護には、家事や買い物などの生活介護と食事・入浴・排泄などの身体介護があり、身体介護をおこなうには資格が必要です。

介護職員初任者研修とは、介護の基本的な知識や技術の習得を証明する資格で、取得することにより身体介護をおこなうことができるようになります。また、訪問介護の仕事にも必要です。

実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格で、より専門的な内容を習得できます。実務経験ルートで介護福祉士試験を受験する場合は、この資格の取得が必須です。

どちらも受講資格はないため、未経験や無資格の人でも取得を目指すことができます。

それぞれのカリキュラムや詳しい違いについては、こちらの2記事をご覧ください。
介護職員初任者研修とは? ホームヘルパー2級や実務者研修の違い|初任者研修にかかる費用とは?

介護職員初任者研修と実務者研修の違いとは? 実務者研修を取得するメリットを解説

引用元
社会福祉振興・試験センター:[介護福祉士国家試験]受験資格

児童指導員任用資格・保育士など

児童指導員任用資格は、児童指導員として働くために必要な資格です。幼稚園教諭や教員免許を取得している場合は、児童指導員任用資格者として認められます。

児童指導員は、障害を持つ子どもやさまざまな事情で保護者が居なくなった子どもたちに対し、日常生活のサポートや社会的なルール・学習・遊びなどを教育しながら、成長をサポートします。

子どもたちの年齢や障害の程度などに合わせて、生活に必要な動作や学習を指導したり、コミュニケーション能力や集団適応能力などを習得するための指導や訓練をおこなったりするのが仕事です。

児童指導員について、任用資格者として認められる資格はほかにもありますので、確認してみてください。
児童指導員とは? 仕事内容と活躍の場を紹介|児童指導員を目指すにはどうすればいいの?

国家資格である保育士は、0~6歳児までの子どもの保育や保護者に対する支援・相談対応などをおこなう職業です。

障害者支援施設では障害を持つ子どもに対し、ひとりひとりの年齢・発達・知能レベルに合わせて日常生活や遊びの支援をおこないます。

引用元
job tag:児童指導員 – 職業詳細
job tag:保育士 – 職業詳細

自分のやりたい仕事に合わせて資格を取得し障害者支援施設で働こう

障害者支援施設は、子どもから大人までさまざまな障がいを抱えた人が利用しています。相談援助や特定の障害に特化した専門家や、リハビリに携わる医療技術者などをはじめ、福祉用具の適合や調整・行動や移動の援助など、必要とされている仕事も多種多様です。

自分のやりたい仕事に合わせて資格を取得し、障害者支援施設で働いてみてはいかがでしょうか。

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