指名の多い美容師は給料も増える!歩合給の仕組みと相場、メリットや収入を上げるために必要なことを解説

美容師の給与は、アシスタント・見習いの時代は固定給がメインですが、スタイリストになった後は徐々に歩合給が導入される店舗も多くあります。

どのくらい歩合給が入ってくるかはサロンによりますが、多くのサロンで「固定給+歩合給」というシステムを採用しています。

歩合給を増やす方法のひとつは、お客様からの指名を増やすことです。ここでは指名により歩合給が増えるシステム、歩合制の種類や指名が増えないときのチェックポイントなどをまとめます。実力によって今より給与を増やしたいと思っている人はぜひ参考にしてみてください。

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美容師の主な給料形態は3種類

美容師の給料は、働く美容室によって違い、その形態もさまざまです。大きく分けると主に3種類で、店への貢献に関わらず決まった金額が支払われるケースと、指名や売上金額によって上乗せされるケース、その2つを組み合わせるケースがあります。

・固定給:月給金額が固定されており、売上への貢献度に関わらず決まった金額が支払われます。

・歩合給:完全に歩合制で給料が決まります。指名がとれなかったり売上を上げることができなければ、もらえる金額も増えません。

・固定+歩合給:基本給として固定の金額が決まっており、指名や売上によって上乗せされるケースです。最低限の給料を保障してもらいつつ、頑張ればその分給料が増えます。現在では多くの美容室で取り入れられているシステムだといえるでしょう。

美容師の平均年収と歩合による役職ごとの給料相場

令和4年賃金構造基本統計調査によると、美容師の平均年収は約312万円。これはアシスタントとして働く美容師も含まれるもので、実際には店舗や役職、売上によって大きな幅があると考えられます。

リジョブに掲載されている求人情報を見てみると、アシスタントは指名をいただくことはほぼないため歩合給もなく、平均18~25万円です。また、アシスタントからスタイリストになりたてのJr.スタイリストから、スタイリストへとステップアップするごとに、給料もアップし、歩合給も増えることが多いでしょう。

以下の記事では、美容師の平均年収や立場による給料の違い、美容師が給料を上げる方法などを詳しく解説していますので、是非チェックしてみてください。

美容師の給料・平均年収はどれくらい? 給料を上げるためにできる7つのこと

美容師の求人|リジョブ

引用元
令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|e-Stat

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固定給と歩合給のメリットとデメリット

美容師にとって、固定給と歩合給ではどちらの方が多く稼げるのか気になる方もいらっしゃることでしょう。ここでは、固定給と歩合給のメリットとデメリットを紹介します。

固定給のメリットとデメリット

固定給のメリットは、なんといっても収入額の安定でしょう。指名がとれない、来店客数が少ない、売上が上がらないといった場合でも、安定して一定の給料が支払われるからです。

一方で、このシステムは、多く売り上げる美容師にとってはデメリットです。たくさんの指名客を施術しても、指名がない美容師と同じ給料では、損をしたと感じてしまうかもしれません。

歩合給のメリットとデメリット

歩合給のメリットは、頑張れば頑張った分給料という形でかえってくるため、やりがいがある点です。当然たくさん指名がとれれば、その分もらえる給料が増えるのも嬉しいポイント。

ただし、やる気があっても立地の悪さなど、自分の頑張り以外のことが原因でも、お客様が来てくださらなければ給料は増えないことは、デメリットになるでしょう。

そのため、固定給と歩合給それぞれのメリット・デメリットから、両方のシステムを取り入れるサロンがほとんどになっています。安定した収入を得られて、結果を出せばさらに収入を増やせる環境が良い人は、固定給と歩合給の両方を採用しているサロンを選びましょう。

指名によって美容師の給料が上がる仕組み

美容師の歩合制の多くは、指名の有無や指名客の売上に応じて決まります。そこで、指名によってどのように給料に反映されるのか、それぞれのケースを見てみましょう。

指名料がそのまま歩合給として上乗せ

サロンの予約をする時、美容師によっては指名料がかかることがあります。この指名料をそのまま美容師の歩合給にするのは、よく見られる歩合給のシステムの1つです。

20%や50%など還元率はサロンによって大きく変わりますが、中には100%美容師の取り分とするサロンもあります。また、美容師のランクによって還元率を上げていくサロンも存在します。トップスタイリスト・チーフ・アートディレクターなどと昇進するにしたがって、還元率も上がっていくという仕組みです。

売上から決まった割合を歩合給としてもらう

売上で決めるというケースもあります。自分が担当したお客様からの売上の〇%をもらうという仕組みです。サロンによっては、指名料も売り上げの一部として計算するところも。

売上を伸ばすには多くのお客様をカットすることが重要で、そのためにはやはり指名をもらうのが重要になります。フリー客と指名客では還元率を変えているサロンもあります。

また、個々のお客様に高いコースを利用してもらう、シャンプーなどの商品を買ってもらうなども売上に貢献します。

2つの仕組みをどちらも導入

上記2つの仕組みは、片方だけ導入するサロンもありますが、両方導入しているサロンも多くあります。商品の販売などの営業が苦手な美容師なら、指名料で歩合給を増やすシステムの方があっているでしょう。自分のスタイリングと接客さえよければ次回も指名してもらえるからです。

一方で、巧みな話術でお客様に売り込むのが得意な美容師の場合、売上に応じて上乗せされるシステムの方が給料が増える可能性があります。

アシスタントでも指名による歩合の可能性がある

ごく稀にスタイリストでなく、アシスタントが指名を受けることもあります。シャンプー・トリートメントなどの技術が高い、接客の印象がいいなどの理由でお客様が指名してくれることがあるからです。

このような場合も、サロンによっては歩合給をもらえることがあります。アシスタントが指名を受けること自体がめったにないため、特に業界で一般的に見られる歩合給の基準のようなものはありません。しかし、スタイリストへの昇進が早くなるということは、ほとんどのサロンで共通しています。

また、指名とは関係ないアシスタントの歩合給としては、シャンプー・整髪料などのヘアケア用品の販売があります。商品知識やコミュニケーション力・営業力に自身があるアシスタントであれば、商品販売で収入を増やすことも可能です。

美容師の歩合制の種類「業務委託・面貸し」とは?

美容師の歩合制は大別すると「一部歩合制」「完全歩合制」に分かれます。一部歩合制は、サロンに勤務しながら指名料・売上の一部をもらうシステムです。

一方、完全歩合制はサロン勤務という形でも固定給は一切なしになります。代わりに売上の還元率が高い、あるいはすべて自分の取り分になるなどの点がメリットです。

完全歩合制の働き方は主に業務委託・面貸しのいずれかがほとんどになります。

業務委託の売上還元率の相場とメリット

業務委託は「サロンで働くがサロンの従業員ではない」というシステムです。

サロンは場所と名前を貸して美容師を集めます。その場所と名前に魅力を感じたフリーの美容師が集まり、お客様に対しては「そのサロンの美容師」として接客をします。しかし、従業員ではなく全員個人事業主なので、給与は完全歩合制で全員バラバラです。

売上からのバック率は50~80%程度が相場となっています。業務委託で活躍している美容師だと、月収50万円を超えるケースも見られます。通常の美容師の月収が20~30万円ということを考えると、こうしたケースはかなりの高収入と言えるでしょう。

面貸しの売上還元率の相場とメリット

面貸しでの売上の還元率は極めて高くなります。還元率が低いサロンでも80~90%は普通で、100%のサロンが多数派です。100%のサロンでは、席を借りるための月額を売上に関係なく毎月払うというルールが多くなります。逆に80%などのサロンでは、その分場所代が取られない、あるいは格安などのルールになっています。

面貸しは業務委託より還元率が高いだけではありません。メニューの値段を自由に決められるメリットもあります。お客様の人数が多くなって1人では対応できなくなった場合や、少ない勤務時間でより高い報酬を得ようとする場合には値上げも可能ということです。

業務委託はお客様がひっきりなしに入ってくれても、メニューの値段を上げられない以上は収入に上限があります。しかし、面貸しだったらその上限をさらに高められるわけです。

雇われ店長のメリット

ごく稀に見られる歩合給のシステムでは「雇われ店長」もあります。

スタイリストから昇進して店長になるのではなく、新しくサロンを開業する出資者から店舗の運営をすべて任せられるスタイルです。この場合は個人の売上でなく店舗の売上によって自身の収入も決まります。経営のセンスがある美容師であれば、このような形で歩合給を受け取ることも可能でしょう。

歩合制で稼ぐために必要なこととは?

歩合制は、指名が多い美容師ややる気のある美容師にとって、メリットの大きい給料システムであることがわかりました。

そこで、歩合制を活用して、さらに稼ぐチャンスを増やすためにどうすればいいのかを紹介します。

常にトレンドや新しい技術を取り入れる

歩合制で給料を増やすためには、指名してくれる顧客を増やすことが重要です。そのためには、流行りのヘアスタイルやカラーの情報を常にアップデートし、お客様に喜んでいただけるような施術をしなければなりません。お客様のぼんやりしたイメージを的確に表現する技術力が必要でしょう。

そのためには、常に最新の情報に触れたり、貪欲に勉強を続ける姿勢が大切です。

美容師の勉強におすすめの方法は、以下の記事でチェックしてみてください。
美容師になってからの勉強方法とは?おすすめの本やアプリなどを紹介

指名客を増やす

指名客を増やすには、来店されたお客様のリクエストに応えるだけでなく、新規のお客様も増やす必要があります。新規客を増やすには、SNSやブログを活用してたくさんの方に知ってもらわなければなりません。

SNSやブログで、施術のビフォーアフターを投稿したり、ユーザーにとって有益な情報を発信してファンを増やしましょう。

立地条件のいい美容室で働く

店舗の立地条件は、客足に大きく影響します。いくら頑張っても来店客数が増えない場合、立地にも注目してみましょう。歩合率が高くても、お客様を呼べなければ給料は増えません。

たとえば、駅に近い美容室と、公共交通機関から遠く、近くに人通りのない美容室の場合、歩合率が高くてもトータルでは低くなってしまうこともあります。その場合、立地条件のいい美容室を探すのが給料アップへの近道かもしれません。

自分に合った歩合制のサロンを探す

美容師が指名を増やして収入を上げるためには、最終的には本人のスタイリングや接客のスキルが最重要です。しかし、指名を増やすことが給与面でも評価されるサロンで働く方が、生活の余裕もできて、長く無理なく美容師として活動しやすくなります。

そのように働きやすい環境を求めている美容師は、環境を変えるための第一歩として、まずリジョブなどの美容求人情報サイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。また、自分のスタイルや得意なことを活かして給料を増やすには、システムとの相性も考える必要があります。

指名客が多い、売上を上げるのが得意など、それぞれの強みを活かせる自分に合った歩合制のサロンを探すのもおすすめです。

美容師の求人|リジョブ

指名が増えない美容師の特徴と考えられる原因

条件の悪くない美容室で努力をしているのに、指名が増えないという方もいるのではないでしょうか。その場合、以下のような原因が考えられます。改善すればきっと指名も増えるはずですので、当てはまる項目がないかチェックしてみましょう。

技術が充分でない

スタイリストになりたてで技術力が未熟な場合や、技術力向上の練習や勉強を怠けている美容師などに対しては、お客様が不満を感じやすいことが考えられます。

たとえば、オーダーと違う髪形にされた、流行りのスタイルを理解していないという場合、次回も指名したいと思うお客様はいないでしょう。技術力が未熟な場合はたくさん練習をする、常に流行りの情報に触れ、勉強をするといった努力を続ければ、きっと指名客も増えるはずです。

接客の態度が悪い

技術力が充分だったとしても、態度が悪いといい印象を与えることはできません。笑顔がなく無表情だったり、声に抑揚がなくぶっきらぼうな物言いをしたりといった態度は、お客様を不安な気持ちにさせてしまいます。

ほかにも目を合わせない、言葉遣いが悪い、逆に馴れ馴れしい態度で敬語を使わない、お客様の言葉に対して否定的なども気をつけたいポイントです。お客様に不快感や不信感を与えてしまい、指名につなげるのが難しくなってしまうでしょう。

カウンセリングに誠意がない

カウンセリングを重要視する美容室は多いです。お客様の要望をしっかりと聞き出し、満足していただくためにもっとも大切な工程でもあります。カウンセリングが充分でないと、いくら技術力が高くてもイメージと違う髪形になってしまうなどの行き違いが生じる可能性も。

自分の話を真剣に聞いてくれる人に好感をもつ方も多いため、丁寧なカウンセリングが指名につながることもあるでしょう。さらに、真摯に耳を傾け、意見交換することで信頼関係を築くことにもつながります。

見た目に不快感を与えるものがある

店舗の雰囲気や客層にもよりますが、だらしない格好やお客様を威圧する派手な見た目も避けたいものです。過度なアクセサリーやツヤのない髪の毛、無精ひげなども、場合によっては相手を不快にさせることがあります。

また、香りの好みは人それぞれなので、強い香水などを使用するのも避けましょう。

美容師にとってオシャレも仕事のうちですが、あくまでお店の雰囲気を壊さないものを意識して楽しみたいですね。

歩合制のシステムを活用して給料アップを目指そう

美容師が高い収入を得ようと思ったら、歩合制をうまく活用するのが一番です。歩合制はサロンによってルールも違いますし、ルールだけでは待遇の良し悪しが判断できません。

売上からの還元率が低いサロンでも、たくさんお客様が入ってくれるなら稼ぎやすいこともあるからです。歩合制や給与体系を理解するだけではなく、そのサロンの運営自体もチェックする必要があります。

サロン勤務の美容師として歩合給を増やす場合も、業務委託や面貸しのような形で歩合給を稼ぐ場合も、成功するには求人情報を多く見ることが不可欠です。

よりよい条件の美容室で努力を続け、給料アップを目指しましょう。

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