メイクアップアーティストの仕事は厳しい?やりがいや将来性は?|転職におすすめの職業や転職を成功させるポイント
メイクのプロとしてお客様にメイクを施し、魅力を引き出すメイクアップアーティスト。流行の最先端にいて、華やかなイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。しかし実は、憧れのメイクアップアーティストになったものの、仕事の厳しさに悩む人もいます。
そこでこの記事では、メイクアップアーティストが感じる仕事の厳しさや転職を考える理由について詳しく紹介。また、メイクアップアーティストとしてのやりがいや将来性・おすすめの転職先もお伝えします。
さらに、メイクアップアーティストを続けたいという人に向けて、今より活躍するための方法も掲載しますので、参考にしてください。
メイクアップアーティストの仕事は厳しい?

どの職業においても、大変な部分があるのが当然。ここでは、メイクアップアーティストという仕事の厳しさや大変なところをお伝えします。
1. 立ち仕事で負担が多い
ひとつ目は、立ち仕事による肉体的な負担です。ヘアメイクアーティストという職業柄、一日中立ちっぱなしで仕事をすることもあるので、どうしても体に負担がかかりやすくなります。
また、正面からというよりも、お客様に鏡のほうを向いてもらって横や後ろから作業することが多く、無理な体勢で足腰に負担がかかることもしばしば。中腰で作業する場合も多く、腰痛が起こりやすいです。
2. 仕事道具の運搬が大変
ふたつ目は、仕事道具の運搬が大変な点です。メイクアップアーティストが仕事に使う道具は多いです。ファンデーションひとつとっても複数種類、ほかにもポイントメイクのアイテムが多数に、ヘアセットに使うドライヤーやアイロンなどの道具もあり、どうしても重くなってしまいます。
現場をあちこち行き来する場合には、全てを持って移動しなければならないので、準備や片付け、持ち運びなどが大変に。しかし、最近ではキャリーケースに入れて持ち運ぶ人も増えてきました。
3. 流行を追い続けなければならない
みっつ目に、常に最新の流行を追い続けなければならないということが挙げられます。ファッション業界と同様に、美容業界のトレンドは常に変化し続けています。そのため、メイクアップアーティストという職業では、常にアンテナを張って、色味・技術・ブランドなど移り変わっていく流行をカバーしなければなりません。
楽しいと感じられる反面プレッシャーも強く、しっかり情報収集をして学び続ける必要があります。
メイクアップアーティストが転職を考える理由とは?

前章のように、メイクアップアーティストの仕事には厳しい面や大変な面があります。つづいては、メイクアップアーティストが転職を考える理由をチェックしましょう。
1. 給料が安め
まず、給料が思ったほど高くない場合です。
令和4年賃金構造基本統計調査によると、メイクアップアーティストが含まれる「美容サービス・浴場従事者(美容師を除く)」業できまって支給される月額は、10人以上の企業で24万7,600円、ボーナスは年間で12万9,400円。年収に換算すると、24万7,600×12ヶ月+12万9,400=310万600円です。
給与所得者の平均年収が460万円(メイクアップアーティストに多い女性の平均年収は316万円)であることから、大変さのわりに思っているほど高給ではないことがうかがえるのではないでしょうか。
なお、メイクアップアーティスト以外の美容サービスも含まれています。
引用元
e-Stat|賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
e-Stat|賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 ダウンロード
国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査
2. 拘束時間が長い
拘束時間が長く休息が十分にとれないという声も。フリーランスやメイクプロダクション所属などで働く場合、現場の時間に合わせなければなりません。たとえば撮影の仕事では、お客様より早く現場に入り、撮影中も直しなどのために張りついている必要があります。
撮影は予定より長引くことがあり、終わる時間も読めずスケジュールが定まらないため、体力的にきついと感じる人も多いです。
3. 人間関係のストレス
メイクアップアーティストの仕事は、接客しつつの作業です。お客様はモデルや有名人から一般人までさまざまで、メイク中に会話をしながら、相手の緊張感を解いたり気分を盛り上げたりしなければなりません。
また、仕事をする場面によっては、お客様以外の人々とのコミュニケーションも必要です。その結果、他人に気を遣いすぎ、対人関係でストレスを抱えてしまいます。
4. 自身のスキルアップに使う時間がとれない
メイクアップアーティストは、常時情報収集をしながら最新の流行や技術を身につけることが大切です。
ところが、前述した内容とも関連しますが、拘束時間が長いことから自身のスキルアップに使う時間がなかなかとれないというケースも。トレンドを追うために費やせる時間が少なく、悩んでしまう人もいます。
メイクアップアーティストのやりがい

メイクアップアーティストは、拘束時間の長さや肉体的な負担のわりに、給与はそれほど高くないなど大変な側面があり、仕事の厳しさについては把握していただけたことでしょう。しかし、大変なことだけではなくやりがいもたくさんあります。
メイクでお客様の美しさや魅力を引き出せる
メイクアップアーティストのやりがいはなんといっても、自分のメイク技術でお客様の美しさや魅力を引き出せることです。一人ひとりの顔立ちを活かしたメイクを施すため、お客様に自信を持たせることもできます。
そして、お客様に喜んでいただければ、自分の自信やモチベーションにもつながるでしょう。
スキルを磨き続けられる
先ほどもお伝えしたように、美容業界のトレンドはつぎつぎと進化していきます。メイクも同様に流行や技術がどんどん新しくなるものです。
移り変わりの激しいトレンドを追うのが大変と思う人がいる一方で、新しいメイクを学んだり自分のスキルを磨いたりしながら、自己成長を続けられることにやりがいを感じる人もいます。
実力が認められれば次の仕事につながる
メイクアップアーティストの仕事は、現場で経験を積みながらスキルを磨くことができ、実力が認められれば比較的正当な評価をしてもらえる環境です。
そのため、また別の現場でも声がかかるなど、自分の実力で次の仕事が得られることに魅力を感じる人もいます。
将来性あり!メイクアップアーティストの需要は今後も高まる見込み

センスと技術が必要で、機械での代替が効かないメイクアップアーティストの需要は、今後も高まる見込みで将来性があります。どういったところで需要が伸びていくのかを見ていきましょう。
個人に向けたサービス
いつの時代でも「美容」の需要はあり、なかでも個人向けのサービスの需要の期待が高まっています。
しかし、今の時代は誰でもインターネットやSNSを通じてメイクを学べるため、単にプロのメイクの知識や技術を切り売りするだけではニーズに応えられません。
今後個人向けのサービスを提供するとなると、メイクのノリや顔の見え方が変わるオリジナル技術など、プロとしてワンランク上のスキルが求められます。
また、ファッションやライフスタイルにもアドバイスができるといった、「プロにお願いしたい」と思われるような知識や技術を身につけていると、活躍の場が広がるでしょう。
医療・福祉分野
メイクアップアーティストのさらなる活躍が期待されている分野は、医療・福祉分野です。事故や病気で負った傷や傷あとをカバーする医療メイクは、大きな病院や皮膚科・美容クリニックなどで行われることが多く、技術も着々と進歩しています。
また、超高齢社会の現代では、老人ホームや介護施設の利用者に、メイクを通じて心のケアを行う「メイクセラピー」も注目されているようです。
メイクセラピーは、メイクやスキンケアによって利用者に自信を持ってもらったり、ストレスを和らげたりすることができます。
映画や舞台などの「特殊メイク」需要も好調
映画や舞台などでは、傷跡などを再現する特殊メイクの需要も好調です。シリコンやラバーを使って作る特殊な技術で、ゾンビのような見た目にしたり、若手の俳優を老人に見せるメイクをしたりと、さまざまな仕上がりにできます。
CGでは出せないリアルさが人気で、技術も進化していることから、今後もさらに需要は拡大するでしょう。
メイクアップアーティストが転職するならどんな仕事がおすすめ?

せっかく働くならメイクアップアーティストの仕事を続けられるのが一番ですが、ここまで見てきたように厳しい・大変な面もあり、転職を考える人もいるでしょう。そこで、転職先候補として、美容業界でのおすすめの仕事をご紹介します。
1. 美容師
美容師免許を持っているメイクアップアーティストなら、まずは美容師に転職する方法があります。美容師は国家資格であり、資格を持っていないとお客様にカット・カラー・パーマといった施術ができません。
美容師免許があれば、メイクアップアーティストとしての経験を活かし、美容室のお客様に対してヘアセットとメイクの両方を施すことも可能です。
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2. 美容部員
美容部員(ビューティーアドバイザー)とは、メイクや肌の悩みなど、お客様の美容における困りごとをヒアリングして、適切な化粧品などを提案する仕事。デパートや化粧品専門店などで働きます。
特別な資格は必要ありませんが、メイクアップアーティストとして働き、深いコスメの知識を持ち合わせている人にとって、美容師同様これまでの経験が活きる職業です。
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3. ネイリスト
ネイリストとは、お客様の爪にネイルアートを施す職業。無資格でもなれることから、美容系の職業のなかでも比較的ハードルが低いといわれています。就職して働きながら技術を磨くことが可能です。
メイクアップアーティストの仕事で培われた美容のセンスなども、ネイリストとして働くうえできっと役立つことでしょう。
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4. エステティシャン
美肌・痩身・脱毛などのエステティックを施す「エステティシャン」に転職する方法もあります。エステティシャンも、ネイリストと同じく必須の資格はありません。手技・化粧品・機械などを用いて顔やボディにアプローチし、お客様の美容をサポートします。
サロンで働きながら技術を磨くことができ、スキルアップすることで活躍の場が広がっていくでしょう。
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やっぱり続けたい!メイクアップアーティストとしてさらに活躍するには?

将来性があり、活躍の場もさらに広がることが期待されるメイクアップアーティスト。やっぱりまだ続けたい!という気持ちの人も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、メイクアップアーティストとして、今よりも活躍していくためにはどうしたらよいかを紹介します。
技術を磨く
メイクの技術があってこその職業なので、やはり技術を磨くことが大切です。
メイクを必要とする現場のコンセプトや依頼者からの要望・実際にメイクをするお客様の肌質や顔立ち・現場の照明など、あらゆることに考慮しながら最適なメイクを施せるスキルを身につけましょう。
コミュニケーション能力を高める|気配り・提案力
メイクアップアーティストは、意外にもさまざまな職種の人と関わります。単にメイクを施す相手だけでなく、ディレクターなど現場関係者とのコミュニケーションが必須です。
いい雰囲気で取り組めるような気配りや、次の仕事につなげるための営業力、ニーズに合った提案力などを身につけ、関わる人と円滑なコミュニケーションがとれるようになりましょう。
トレンドに常にアンテナを張っておく
人気メイクアップアーティストになるためには、常にトレンドにアンテナを張って最新の情報を仕入れ、ニーズに合った提案ができるようにしておく必要があります。現場の意向やお客様にあわせつつ、うまくトレンドを取り入れられるようにしましょう。
資格を取得する
一定の技術や知識が証明できる資格は、お客様から信頼を得やすくなります。独立して活躍したい場合はとくに、スキルを証明するために取得しておくのがおすすめです。
メイクアップアーティストに役立つ資格は、JMA日本メイクアップ技術検定試験・IBF国際メイクアップアーティスト認定試験・JMANメイクアップ技術検定などがあります。
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転職する
メイクアップアーティストとしてさらにスキルアップをするためには、別の職場に転職する方法もあります。その際は、転職後の目標やビジョンなどを明確にしておくことが大切です。
メイクアップアーティストが転職を成功させるには?

書類選考や面接を乗り切るために、履歴書・面接でのそれぞれのポイントを紹介します。メイクアップアーティストとして別の職場に転職する場合と、別の職種に転職する場合のどちらでも活かせるので、参考にしてください。
履歴書のポイント
まずは、履歴書の基本的な書き方をおさえておくことが大切です。誤字・脱字はないかしっかりと見直しをしましょう。西暦・和暦はどちらかに統一してください。また、学校名・企業名やサロン名・資格名は正式名称で書きます。(株)などの略称は使用不可です。
ミスがあった場合は、修正液などで消したりせず新しい用紙に取り換えてから書き直しましょう。
なお、履歴書では自己PRや志望動機が重視され、入社したい熱意が感じられるか・自店と合っているかなどがチェックされています。自己分析で自分の強みやスキルを洗い出し、応募先に合ったものを書きましょう。
メイクアップアーティスト以外の職種への転職希望者は、以下の記事もあわせてご覧ください。
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過去の作品が分かる写真などをまとめておく
別の職場でもメイクアップアーティストを志望する場合は、これまで自分が手掛けたメイクアップ作品が分かる写真などの提出が求められることがあります。メイクアップアーティストとして実績がある人は、事前にまとめておくのがおすすめです。
職務経歴書のポイント
応募先によっては、履歴書とあわせて職務経歴書が必要になることもあります。職務経歴書とは、これまでの職歴について、職務内容や実績・スキル・自己PRなどを詳しく伝える書類です。
応募先に自分の経験や実績・スキルなどをアピールすることができるため、見やすさ・読みやすさに配慮しながら丁寧に記入するようにしましょう。
Webで「職務経歴書 フォーマット」と検索すれば、見やすいレイアウトのものが出てくるので、活用するのもおすすめです。
担当した業務は漏れなく記載し、実績やスキルは数値を用いることでアピールしやすくなります。業務における工夫点や、仕事に取り組む姿勢なども伝え、応募先ではどのように貢献できるかを述べることで熱意が伝わるでしょう。
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面接のポイント|身だしなみ・マナー・話し方
メイクアップアーティストの面接では、志望動機・転職理由・憧れのメイクアップアーティスト・特技・将来の夢・自己PRなどが聞かれます。想定される質問に対し、事前に回答を考えておくと本番で焦らずに済むでしょう。
メイクアップアーティストへの転職は、応募先と応募者の個性・感性との相性が見られる場です。しかし、どのようなところの面接であっても清潔感を大切にし、接客業にふさわしいマナーや話し方を心がけましょう。
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メイクアップアーティストが転職先を探すには?

メイクアップアーティストが転職先を探すにはさまざまな方法がありますが、ここではおすすめの探し方を2つ紹介します。
転職エージェントを活用して求人紹介を受ける
転職エージェントは、キャリアコンサルタントやアドバイザーなどと呼ばれる転職に詳しい担当者と、二人三脚で転職活動が行えるのが特徴です。希望条件などを相談し、求人を紹介してもらったり、履歴書添削や面接対策などのサポートが受けられます。
面接の日程調整や条件交渉なども、担当者がしてくれるのもポイントです。
エージェントを利用する際は、美容業界に強いところを探しましょう。
求人サイトを使って自分で探す
求人サイトは、Webやアプリを使って自分で求人を探せます。求人サイトによって異なりますが、職種・雇用形態・給与・福利厚生などの条件を指定できるため、効率よく求人情報を見られるのが特徴です。
自分の好きな時間に調べることができ、サイト上で応募まで完結するため、手軽に利用できるというメリットもあります。
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美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」には、メイクアップアーティストをはじめ、ネイリストやエステティシャンなど、記事内で紹介したすべての職種の求人があります。
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知識と経験を活かして美容業界で活躍し続けよう!

メイクアップアーティストの仕事は厳しい点や大変な部分も多く、肉体面・給与面・労働時間などの理由から転職を考える人がいることも事実。行き詰まって限界を感じてしまったら、転職するのも1つの手段です。
仕事を変える場合でも、メイクアップアーティストとしての経験や知識を活かせる美容業界がおすすめ。美容師や美容部員など、今回ご紹介した職業をぜひ検討してみてください。
もちろん、スキルを磨いたり資格を取得したりして、メイクアップアーティストとしてさらに活躍していくこともできます。
メイクアップアーティストには選択肢が豊富にあるので、ぜひリジョブを活用してください。
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