福祉とはなにか?求められている福祉の仕事を5つのジャンルに分けて紹介
福祉の仕事を探しているとき、「そもそも、福祉ってなんだろう?」「福祉の仕事には、どんなものがあるの?」と疑問に思ったことはありませんか?福祉の仕事には、たくさんのジャンルがあります。どの仕事が自分にとって最適なのか分からなくなることもあるでしょう。
ここでは、福祉とは一体なにか、福祉の主な仕事を5つのジャンルに分けて紹介します。ぜひ、仕事を選ぶ際の参考にしてください。
福祉とはなにか?
福祉には、「幸い」という意味があります。人間の生活にとって、幸福を感じることは大切な要素です。
福祉という言葉を、人々の暮らしに当てはめてみましょう。すると、福祉は社会性を帯び、「公的な援助やサービスにより、幸福な生活環境を作り出していく」という意味合いになります。この「援助やサービス」が、福祉の仕事に繋がっていくのです。
福祉の仕事は、高齢者や子どもなど幅広い人々と接します。多くのジャンルがあり、仕事の内容も違いますが、共通していることもあります。「自立した幸せな生活を送れるように、人々を手助けする」という考え方は、福祉の仕事の根底に流れている共通の精神と言えるでしょう。
福祉の仕事とは?5つのジャンルを紹介
福祉の仕事は、高齢者・障害者・児童・その他(低所得者、母子家庭など)が対象です。そのため、ジャンルも多岐にわたりますし、仕事によって求められる資格も違います。ここでは、主な仕事の種類を5つのジャンルに分けて紹介します。
1.介護の仕事
介護が必要な高齢者や障害者を、手助けする仕事です。住み慣れた地域や住まいで、安心した生活を送ることができるようにサポートしていきます。
主な職種は、
・介護福祉士
・施設介護員(ケアワーカー)
・訪問介護員(ホームヘルパー)
などです。
働く場所は、高齢者福祉施設・障害者福祉施設などの社会福祉施設や、老人保健施設などの病院や医療施設です。訪問介護員(ホームヘルパー)の場合は、利用者の自宅へ訪問し、介護や家事の支援を行います。
この職種は、主に食事・入浴・排泄など、生活に欠かせない部分をサポートしていくことが主な仕事です。施設利用者の気力を引き出していくために、レクリエーションを行うなど、前向きに暮らせるように手助けしていきます。
介護福祉士は、介護福祉職で唯一の国家資格になります。
生活面をサポートするだけではなく、利用者のニーズを見極めて、心身の状態を把握していきます。利用者の生き方に向き合っていくことが求められる仕事です。多職種の人々と連携することもあり、コミュニケーション力が必要とされます。
2.保育の仕事
子どもと関わっていく仕事です。子どもに生活習慣を身につけさせる役割があり、健やかな成長をサポートしていきます。
主な職種は、
・保育士
・児童指導員
・学童保育指導員
などです。
なかでもニーズが高まっているのが、保育士です。乳児保育、長時間保育、夜間保育など、サービスが充実してきており、同時に保育士も必要とされています。
保育士は、一般的に保育所で仕事をするイメージですが、乳児院・児童養護施設・障害児施設などでも活躍しています。保育士として働くには、保育士資格が必要です。
児童指導員の働く場所は、児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設などです。
保護者のいない子どもや虐待されている子どもなど、家庭環境において保護が必要な子どもたちを支援していきます。必要であれば、保護者や児童相談所などと面談を行い、対応を検討していくケースもあります。
学童保育指導員は、学校で空いている教室・児童館・公民館などで働きます。
保護者が仕事などで家にいない放課後や休日などに、子どもたちへ遊びや生活の場を提供し、子どもの自主性や社会性を高める役割があります。また、保護者とのやり取りも発生するため、コミュニケーション力も必要です。
3.相談援助の仕事
専門的に相談援助の仕事を行います。ソーシャルワーカーやケースワーカーなどと呼ばれています。関係機関との調整も役割のひとつです。
主な職種は、
・社会福祉士
・社会福祉主事
・活相談員
などです。
社会福祉士は、社会福祉業務の国家資格になっており、専門性が高いことが特徴です。
福祉施設・医療機関・刑事施設など幅広い場所で活躍しています。日常生活に難しさを感じる人への相談、助言、指導が主な仕事です。働く場所によっては、母子家庭やDVを受けている人々への相談援助を行うこともあります。
社会福祉主事は、都道府県などの福祉事務所に必ず配置する義務があります。そのため、主に行政機関で働いていることが特徴です。福祉事務所を訪れる人の相談に乗り、生活保護の申請を受け付けるなどの業務を行います。
生活相談員は、特別養護老人ホームやデイサービスなどで働いています。
施設の利用者が、可能な限り自立した日常生活を送れるように、相談援助を行います。また、利用者の主治医やケアマネージャーとの連絡調整も役割のひとつになっています。
4.保健医療の仕事
医療機関で働くことがメインになりますが、福祉サービスのある施設で働く人も増えています。他の専門職と連携していくことが求められる仕事です。
主な職種は、
・精神保健福祉士
・理学療法士
・看護師
などです。
精神保健福祉士は、国家資格です。精神科ソーシャルワーカーと呼ばれています。
精神科病院などで医療を受けている人や、精神に障害があり、社会復帰促進事業所を利用している人などをサポートする仕事です。社会復帰について相談を受け、助言や指導を行います。医療と地域生活の架け橋になることが求められます。
理学療法士は、リハビリテーションを行う職種で、国家資格になっています。
けがや病気が原因で、身体に障害がある人が対象です。日常生活を送れるように、動作能力の回復、障害の悪化を予防していきます。病院、クリニック、介護保険関連施設などで活躍しています。
看護師は、診察の補助や利用者の療養上の世話などを行っています。
医療施設で働く場合は、医師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士など、専門の職種とともに医療チームとして動いていきます。社会福祉施設で働く場合は、医療施設と比べて医師が関わる機会が少ないため、日常的な医療管理が多くなります。また、緊急時には判断を求められることがあります。
5.管理・運営の仕事
福祉施設を維持していくには、運営や管理に携わる仕事も必要になります。
主な職種は、
・施設長
・事務職
・送迎ドライバー
などです。
施設長は、社会福祉施設の管理者です。
ほぼすべての社会福祉施設に、施設長を置くことが定められています。サービスの提供、スタッフや財務の管理、外部との折衝などを行います。経営目標を踏まえて、具体的な方針をプランニングしていく、施設運営の中心的な存在です。
事務職は、介護事務や医療事務が挙げられます。
社会福祉施設や病院には欠かせない業務で、経理や庶務などを行っています。介護事務なら介護報酬の知識、医療事務なら診療報酬の知識が必要です。また、受付窓口の業務もあるため、コミュニケーション力も求められます。
送迎ドライバーは、施設と利用者宅を車で行き来して、送り迎えをすることが主な仕事です。利用者が車を乗り降りする際にサポートを行います。送迎の時間帯だけ働くケース、手が空いた時間は介護の業務を行うケースもあります。
福祉とは幅広いジャンルで求められるもの
今回は、5つのジャンルを紹介しました。
紹介した以外にも、福祉施設で働く栄養士や調理員も福祉の仕事です。福祉業界では、幅広い人材が求められていることが分かります。福祉の仕事では、幸せな暮らしを送れるように、人々をサポートしていくことが求められます。
中には経験が必要な職種もありますが、熱意があれば未経験や無資格でも、福祉の仕事にチャレンジできます。働きながら、資格取得を目指していく方法もあります。ぜひ、自分に合った福祉のジャンルを、じっくりと探してみてください。
引用元
福祉・介護(厚生労働省HPより)
施設介護員(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)より)
訪問介護員/ホームヘルパー(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)より)
保育士(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)より)
児童指導員(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
学童保育指導員(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
老人福祉施設生活相談員(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
精神保健福祉士について(公益社団法人日本精神保健福祉士協会HP)
施設管理者(介護施設)(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
介護事務(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
医療事務(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))